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三崎 咲/島ノ環ファーム

法人名/農園名:島ノ環ファーム
農園所在地:兵庫県洲本市
就農年数:4年
生産品目:純国産鶏「岡崎おうはん」と、青い卵を産む「岡崎アロウカナ」の鶏卵、葉付き玉ねぎと新玉ねぎをメインにスナップエンドウ、加工用トマト、オクラ、じゃがいも、生落花生など年間7〜8品目を無農薬で栽培。
HP:https://shimanowa-farm.com/

no.80

欧州で学んだ有畜複合農業を淡路島で実現!循環型を目指す

■プロフィール

 東京農業大学国際農業開発学科を卒業後は、国際農業者交流協会(JAEC)の制度を利用して、スイスに農業研修へ。

 大国に囲まれているスイスは国土が狭く、国民の自給自足の意識が高いため、日本での農業経営に活かせると考えて、農家民宿で働きながら有畜複合農業を学ぶ。

 ケガが原因で予定を切り上げて帰国した後は、青果店で働きながら、週末はアグリイノベーション大学校で栽培の基本を学んでいたが、夫の脱サラをきっかけに移住・就農を検討。

 「ふるさと回帰フェア」を通じて、体験移住した淡路島で研修先や夫の地域おこし協力隊の仕事も見つけて、2017年に移住。

 洲本市の自然栽培農家と、兵庫県の有畜複合農家の研修先を掛け持ちしながら、耕作放棄地を見つけて開墾。平飼いした「岡崎おうはん」と「岡崎アロウカナ」の卵と無農薬野菜の生産販売を展開している。

■農業を職業にした理由

 子供の頃からモノにあふれた東京の生活に違和感を抱き、一次産業への憧れから、農業高校を経て東京農業大学に進学。

 卒業後、畜産と農作物生産を組み合わせた有畜複合農業を学ぶため、スイスの農家民宿で研修。環境や健康に配慮した農業とアニマルウェルフェアに配慮した畜産業を9カ月にわたって体験し、経済効率が優先される日本との違いを実感。

 帰国後は働きながら、アグリイノベーション大学校で栽培の基礎を学ぶうち、就農への情熱が膨らむ。夫婦ともに関西に住みたいと移住先を探した結果、若手農家が比較的多い淡路島ならば、「平飼い養鶏に挑戦したい」夢が叶うと決める。

 限界集落の中山間地域で、2種類の鶏220羽を平飼いし、餌はくず米を中心に、菜種油を作る工程で出た油粕や、酒粕、魚粉、オリーブかす、牡蠣殻など天然由来のものを与えると共に、鶏のフンや地域の竹で作ったチップや落ち葉を堆肥にした循環型の有畜複合農業を実践している。

■農業の魅力とは

 就農当初は自分が目指している農業のことしか考えていませんでしたが、限界集落で生活を続けるうち、農業は作物を作るだけでなく、里山や竹林整備など、集落の環境を維持する役割も担っているのだと理解しました。

 中山間地域の農業も、遠い昔に農家が開墾した土地が脈々と受け継がれていると考えると、歴史や物語を感じますし、この景色を守っていきたいと思っています。

 そこで、若い農家が中心になって、獣害から畑を守る取り組みや、放置竹林の整備、竹チップによる堆肥づくりなどといった活動も進めています。

 また、オープンファーム(農場開放デー)などを通じて、新規就農を希望している人たちに中山間地域での農業の魅力をアピールするイベントを企画したり、移住就農者を集落で受け入れる仕組みづくりを整えています。

 鶏や野菜作りだけでなく、淡路島の豊かな自然、そこを訪れる人の流れも循環させていきたいのです。

■今後の展望

 30羽からスタートした鶏は現在、「岡崎おうはん」が170羽、青い卵を産むアロウカナと白色レグホンを交配した「岡崎アロウカナ」を50羽、合わせて220羽を「平飼い養鶏」という自由に羽を伸ばして動き回れる環境で飼養しています。

 岡崎おうはんは、オス•メス一緒に育てた有精卵として販売しています。岡崎アロウカナは産卵率が3日に1回と低いのですが、一般的な卵に比べて味が濃厚で、栄養価も高いので付加価値として、個人向けに小売りしています。今後は贈答用のギフト化を目指しています。

 野菜については、1月〜6月にかけて葉玉ねぎ、新玉ねぎ、イタリア原産の赤玉ねぎ(トロペア)を出荷し、卸売会社や東京や関西などのオーガニックレストランなどに販売しております。

 淡路島は玉ねぎの産地ですが、無農薬栽培のものは淡路島で作られる玉ねぎの生産量の1%以下と希少価値があるので、今後は栽培面積を増やしていく予定です。

 夫婦2人の労働力には限界がありますから、2022年以降は、季節アルバイトや研修生の受け入れを考えております。

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