見出し画像

順風。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第230回】

今週はザ・リバティーンズがニュー・アルバムをリリースすることを発表しました。『NME』では逐次メンバーにインタヴューを行う度に新作はどうなっているのか?と問い質していたのですが、それを読んでいても、本当にアルバムが日の目を見る日がやってくるのか、個人的には半信半疑で見ていたところがありました。しかし、実際に来年の3月8日にリリースされるとのことで、タイトルは『オール・クワイエット・オン・ザ・イースタン・エスプラネイド』となり、エーリヒ・マリア・レマルクの小説『西部戦線異状なし』の英語版タイトル『All Quiet on the Western Front』から来ているみたいです。

アルバムがリリースされるにあたってメンバーがコメントを寄せているのですが、その中でカール・バラーは次のように語っています。「僕らのファースト・アルバムはスタジオにいられることの信じられなさとパニックから生まれた。セカンド・アルバムは全面的な争いと悲惨な状況から生まれた。サード・アルバムは複雑さの中から生まれた。今回のアルバムは全員が同じ場所、同じスピードにいたと思う。繋がっていたんだよ」ここでカール・バラーが言いたいのは、おそらくザ・リバティーンズというのはまともな状況でアルバムを作ったことがこれまでなく、ファースト・アルバムから21年を経て、4作目でやっとそういう状況に恵まれたということでしょう。その上でピート・ドハーティは次のように語っています。「バンドとしてのサイクルが完結したように感じたんだ」

しかし、前作『リバティーンズ再臨』がリリースされたのが2015年ですから、そこから数えても8年ぶりということになります。ドラマーのゲイリー・パウエルは「10年に1枚くらいの感じでやっていくんだと思う。そういうことだよ。だから、次のアルバムは墓場から届くことも考えられるね」と冗談めかして語っていますが、まあ、次のアルバムが出るかどうかも現時点では分かるはずもありません。お騒がせ者で、いまだに日本に入国できないピート・ドハーティ擁するザ・リバティーンズがリアルタイムでアルバムを出す。その貴重さを改めて噛みしめたいと思います。

あと今週はブリング・ミー・ザ・ホライズン、ピンクパンサレス、フレッド・アゲイン、ブリンク182が新曲をリリースして、ボーイジーニアスも4曲を収録したEPをリリースするなど、気づいてみれば豊作な週となっています。残念なことにイージー・ライフ名義では最後の楽曲となる“Trust Exercises”もリリースされました。秋の夜長にニュー・リリースを楽しみたいと思います。

Pic by Ed Cooke

『RADIO NME JAPAN~NEW MUSICAL EXPRESS JAPAN~』放送中
下記以外の26局 日曜日午前4時〜
Kiss FM KOBE 日曜日22時〜
FM山陰/FM宮崎 月曜日午前1時〜
FM山形 木曜日22時〜

#NMEJapan編集長がちょっと思っていること #NME #NMEJapan #エッセイ #音楽 #バンド #ロック #音楽レビュー #洋楽 #音楽コラム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?