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記録。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第198回】

今週は日本時間の2月6日月曜日に第65回グラミー賞授賞式が開催されました。昨年のグラミー賞授賞式は新型コロナウイルスの影響で3月に延期されたために予定されていた会場のスケジュールが空いておらず、ラスベガスに会場を移して開催されましたが、今回は当初の予定通りの日程でロサンゼルスの旧ステイプルズ・センター、現クリプト・コム・アリーナで開催されました。司会を務めたのは今年で3年目となるトレヴァー・ノアで、会場にはビヨンセ、アデル、テイラー・スウィフト、ハリー・スタイルズ、リゾ、ケンドリック・ラマーら豪華スターが一堂に集まることになりました。

今年のグラミー賞授賞式で個人的に心を動かされたのは、ビヨンセが累計32個目となるグラミー賞を獲得して、グラミー賞の獲得数で史上最多になったことと、ヒップホップの50周年を記念した豪華パフォーマンスというこの2つになるでしょうか。ビヨンセは圧倒的なクオリティーの最新作『ルネッサンス』をもってグラミー賞に挑み、主要4部門は逃したものの、歴史に名を残す記録を作ることになりました。ヒップホップの50周年記念パフォーマンスは、1973年8月11日にニューヨークのアパートの娯楽室で18歳のクライヴ・キャンベルがパーティーを開いたことをヒップホップの起源とするもので、ヒップホップの歴史を彩る楽曲が錚々たるアーティストによって立て続けに披露される形となりました。

しかし、それ以外で言うと、グラミー賞は何年もいろんな方面から突っ込まれてきた経緯があるので、どうしても八方美人的にならざるを得ないというか、今回は2020年のビリー・アイリッシュのように主要な賞を1組のアーティストが独占することもなく、各賞をいろんなアーティストで分け合って、できるだけ多くの方面の意向を立てながら、なるべく無難に運営された感は否めないところがあります。もっと言えば、アーティストの本音や本気が顕になる瞬間はあまりなく、例外はキム・ペトラスが受賞をソフィーに捧げたスピーチでしょうか。今は今年のグラミー賞に不在だったものについて考えています。

アメリカのエンタテインメントにおけるビッグ・イベントということでは来週の日本時間2月13日にはスーパー・ボウルが開催され、リアーナがハーフタイム・ショウを行います。39回セットリストを変更したという発言も報じられており、どんな内容になるにせよ、今後のエンタテインメントについて考えるきっかけを与えてくれる機会になると思います。

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