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不朽。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第226回】

今週は9月12日にMTVビデオ・ミュージック・アウォーズの授賞式がニュージャージー州のプルデンシャル・センターで開催されたのですが、そのテレビ放送で1989年に製作されたマドンナによるペプシのCMが放映されたことが話題になりました。今年はペプシが誕生してから125周年ということで、アメリカでは「ペプシ125」と銘打ったキャンペーンが大々的に展開されているのですが、その一環としてマドンナによるCMと2001年に製作されたブリトニー・スピアーズによるCMのスポット・バージョンが放映されることになりました。

マドンナのCMは当時の“Like a Prayer”のリリースと連動したものとなっていて、ラジオよりも早く、このCMで楽曲が初公開される形となったのですが、“Like a Prayer”のミュージック・ビデオが黒人の聖職者にキスをして十字架が燃えるという内容で、それがキリスト教系団体の間で大問題となり、CMも公開されてから間もなく放送中止されることになりました。そうしたいわくつきのCMだったので今回あらためて放送されたことはマドンナも嬉しかったようで、インスタグラムで放送することを決断したペプシに対して感謝の言葉を述べています。

そうした経緯から現在ペプシのYouTubeではマドンナやブリトニー・スピアーズを始め、レイ・チャールズ、ティナ・ターナー、ロバート・パーマーといったミュージシャンが出演した過去のCM映像が公開されているのですが(https://www.youtube.com/@Pepsi/videos)、どれもカッコいいんですよね。もちろん、映像などはスペック面で古いものなのですが、どれも歴史になっていて、そのアーティストの本質的な一面が捉えられたものになっています。洋楽の文化的成熟度が一目で分かるアーカイヴとも言えるかもしれません。

あとは、先週この欄で少し触れたオリヴィア・ロドリゴのセカンド・アルバム『ガッツ』ですが、最近はこのアルバムばかりを聴いてしまう自分がいます。アルバムとしての構成、ミックスやマスタリングといった面でも2023年の最先端のノウハウが投入されている感があって、今の時代のスタンダードと言える内容になっています。

Pic by YouTube

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