転生。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第271回】
今週はリンキン・パークが二人の新メンバーを迎えて活動を再開することを発表しました。振り返ってみると、今回の活動再開に向けた動きが最初に報じられたのは2019年4月で、この時にジョー・ハーンは「聯合ニュース」のインタヴューに応じて、残されたメンバーで新曲のレコーディングについて話し始めたと語っています。しかし、この時は新曲のリリースが10年後になるかもしれないとも言っていて、まだ曖昧な状況だったのですが、今回の活動再開に際して受けた米『ビルボード』誌のインタヴューで、この頃から意識的にメンバーが顔を合わせる機会を増やしていくようにしたと語られています。
新ヴォーカリストであるエミリー・アームストロングもバンドと既に2019年の時点で会っていて3日間のセッションを行っていたとのことで、他のミュージシャンとも機会をもうけ、そこから数年後になって、ようやく新曲への取り組みが本格化していった経緯も明らかにされています。リンキン・パークは本日9月6日日本時間午前7時から新ラインナップによるリンキン・パークのライヴを配信しており、その場でニュー・アルバム『フロム・ゼロ』が11月15日にリリースされることと、ファースト・シングル“The Emptiness Machine”の音源とミュージック・ビデオが公開されています。
とはいっても、リンキン・パークという名義で活動を行い、作品を発表することについて賛否両論が寄せられるのは当然のことで、インタヴューからは残されたメンバーもそこには極めて慎重だったことが伝わってきます。マイク・シノダも当初はライヴをやるにしても複数のシンガーで行うことを考えていたらしいのですが、そこでフェニックスことデイヴ・ファーレルが「中途半端なことはしたくない。やるなら大胆に。気に入ってもらえなくてもいいだろ?」と言ったとのことで、そうして新曲も「これはリンキン・パークの曲なんだ」と思うようになったとマイク・シノダは語っています。
リンキン・パークは今月、世界5都市でアリーナ公演を行うことも発表しており、ロサンゼルス、ニューヨーク、ハンブルク、ロンドン、ソウルで開催されるのですが、これまでのバンドと日本の関係性を考えると、ここには東京も入るのが自然なことでした。そうではないのにはいろんな事情があると思いますが、上記の都市と並ぶ形で海外のポップ・ミュージックが取り扱われることは日本全体の国益を考えた時に大きな意味があると思います。
Pic by James Minchin
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