見出し画像

気品。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第224回】

今週はつい先程までEX THEATER ROPPONGIでやっていたジョーイ・バッドアスの来日公演にうかがってきました。本人も少しステージで話題に出していましたが、2012年に発表した名作ミックステープ『1999』をリリースした時はまだ弱冠17歳だったということで、ブルックリン出身の逸材ラッパーの姿を20代に間に合う内に観ることができました。客席は満員で、先日観に行かせていただいたJ.I.Dのライヴでも感じましたが、草の根の部分で海外アーティストによるヒップホップというのがリスナーに確実に浸透していることが如実に伝わってくる光景がそこには広がっていました。

ライヴはDJが15分強ほど鉄板トラック連発で盛り上げた後、“Paper Trail$”から始まったのですが、ジョーイ・バッドアスその人の佇まいに品があって、その印象はこの日のライヴを通して変わることはありませんでした。今日のセットリストは前半に『1999』からの曲をやって、中盤に最新作『2000』の曲をやっていくという構成になっていて、前半は“Hardknock”や“Righteous Minds”などが披露され、中盤に“Make Me Feel”、“Where I Belong”、“Zipcodes”といった楽曲が続いていくことになりました。

ライヴがさらに熱量を上げていったのは携帯電話のライトが会場中に広がった“Show Me”あたりからで、“Head High”は二プシー・ハッスルやXXXテンタシオンといった亡くなったラッパーに捧げられ、“Love Is Only a Feeling”では会場のカップルにキスをさせた後に自身もステージ上で彼女とキスしてみせるといったオチャメな一面も見せ、最後は出世作『オールアメリカン・バッドアス』からの“For My People”、“Temptation”、“Devastated”で本編を締め、アンコールは『1999』からの“Survival Tactics”で大団円を描き出していました。しかし、本編最後で「アリ・ガトウ」のコール&レスポンスをやった後に深々と90度近く頭を下げる姿は、彼の人柄がそのまま表れていて、彼の最大の武器はこの人間性なんだろうなと思わずにはいられませんでした。

あと、今週はちょっとした御連絡ですが、NME JapanではThreads(スレッズ)アカウントの運用を本日9月1日より開始してみました(https://www.threads.net/@nmejapan)。一度急激に盛り上がった後、すっかりそれも沈静化してしまったThreadsですが、念のためのバックアップとして一応運用を始めてみるという形で、記事のアップを配信していこうと思います。

#NMEJapan編集長がちょっと思っていること #NME #NMEJapan #エッセイ #音楽 #バンド #ロック #音楽レビュー #洋楽 #音楽コラム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?