絢爛。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第246回】
今週は日本時間の2月12日にラスベガスのアレジアント・スタジアムでスーパーボウルが開催されました。ポップ・ミュージックの観点から言うと、毎年、大物アーティストと豪華ゲストによるハーフタイム・ショーが大きな注目を集めるわけですが、今年ほどいろんな意味でポップ・ミュージックとの結びつきが強かった年も珍しいかもしれません。会場でも、会場以外でもいろんなことが起こったので、時系列を辿りながら話題になったことをいくつかピックアップしていければと思います。
試合前にスタジアムに登場したのはポスト・マローンでした。国歌斉唱はリーバ・マッキンタイアが担当したのですが、それと共に歌われる“America the Beautiful”のパフォーマンスをポスト・マローンはアコースティック・ギターの弾き語りで担当しました。試合前ということもあって、神妙な面持ちでパフォーマンスを見つめる選手も見受けられたのですが、客席にいるテイラー・スウィフトの映像が一たびスクリーンで抜かれると、ドッとスタジアムが湧くという感じで、少し可哀想なところもあったかもしれません。
前半が終わると、いよいよハーフタイム・ショーですが、毎年NFLのYouTubeではほぼリアルタイムに近い形でハーフタイム・ショーの映像が上がるのですが、なかなか上がらないなと思っていると、突如公開されたのがビヨンセの新曲でした。ビヨンセはハーフタイムの間に放映された通信大手のベライゾンのCMに出演していて、そこで新曲をリリースすると宣言し、2曲の新曲と共にアルバム『アクトII』が3月29日にリリースすることを発表しています。ハーフタイム・ショーの映像はその後、だいぶ時間が経ってからアップされたのですが、アリシア・キーズの歌い出しの裏がえってしまった声が修正されたことも報じられることとなり、例年と違うタイムギャップの理由も明らかになりました。
しかし、何と言っても今年のスーパーボウルで最大の注目を集めたのは言うまでもなくテイラー・スウィフトで、ビヨンセとテイラー・スウィフトという2大スターがこの場を最大限に活用して、過去最多の視聴者数を記録するという、これぞアメリカのショービズと言える構図でスーパーボウルは幕を閉じることになりました。ポール・マッカートニーやジャスティン・ビーバー、カニエ・ウェスト、レディー・ガガも会場を訪れ、スポーツの頂上決戦にして、ラヴ・ストーリーやゴシップ、パフォーマンス、プロモーション、企業戦略がここまで入り乱れた今年は例年にないものになっていたと思います。
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