革新。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第229回】
先週はU2がラスベガスにオープンした新会場であるマディソン・スクウェア・ガーデン・スフィアでこけら落とし公演を行い、1991年発表のアルバム『アクトン・ベイビー』を全編演奏する連続公演が開幕しました。この公演については今年のスーパーボウルで放送されたハーフタイムのコマーシャルで発表されており、U2はこの公演の開幕に合わせて2年ぶりの新曲となるニュー・シングル“Atomic City”もリリースしています。“Atomic City”のミュージック・ビデオは同じくラスベガスにあるプラザ・ホテルの前で警察官も動員される中で撮影されました。
新会場のマディソン・スクウェア・ガーデン・スフィアについては総工費が約3400億円で、内部には16万個以上のスピーカー、120万個のLEDスクリーンが搭載され、LEDの解像度は16Kということで、スペックだけを聞いても、どれだけすごいのか、簡単には想像がつかない数字ばかりが並んでいたのですが、その画期性は初日の公演の映像を観て分かりました。ぜひ検索して観ていただけたらと思うのですが、会場は壁も天井もすべてがLEDになっていて、それによって錯覚を使って、どこまでも上へと続くように見える空間を生み出したり、照明と映像と演出と物語をシームレスに繋げる事が可能になっていて、自分も最初は疑っていたのですが、まさにこれまでにないコンサート体験になっています。
そして、初日の映像を観て、なぜ『アクトン・ベイビー』の全編演奏公演がこの場に選ばれたのか、少し分かったような気がします。今回のステージ・プロダクションには40年以上にわたってU2のステージ・デザインを担当しているウィリー・ウィリアムスが監督/演出家として参加しているのですが、U2とそのチームは『アクトン・ベイビー』を引っ提げて行った「Zoo TVツアー」の頃から、こうしたライヴをやりたいというヴィジョンがあったのかもしれません。しかし、当時は技術的に不可能で、最大限の映像や演出を盛り込みつつも、断念した部分があったなか、30年の時を経て実現させたのが今回の公演ということなのかもしれません。
今週からJFN系列30局ネットで始まったラジオ番組『RADIO NME JAPAN〜NEW MUSICAL EXPRESS JAPAN〜』でもU2の公演のことを話させてもらっています。次回は有り難いことにゲストの方も来てくださっていて、お笑い芸人の永野さんが出演してくださっています。10月8日午前4時(10月7日28時)を皮切りに、各局で放送されます。ぜひ聴いていただけると、ありがたいです。
Pic By Rich Fury
『RADIO NME JAPAN~NEW MUSICAL EXPRESS JAPAN~』放送中
Kiss FM KOBE 日曜日22時〜
FM山陰/FM宮崎 月曜日午前1時〜
FM山形 木曜日22時〜
上記以外の26局 日曜日午前4時〜
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