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時人。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第268回】

先週はソニックマニア2024、サマーソニック2024にうかがうことができました。フジロックフェスティバルと同様に、ライヴの内容については「NME Japanが選ぶベスト・アクト」という記事を掲載する予定なので、そちらを確認していただければと思います。なので、例年、ここではフェスティバルの全体像について感想を書くことが多いのですが、今年は本当にそれが難しい年だと思いました。昨年のサマーソニックが終わった時点で自分は「強固なコアファンとグレーゾーンをも巻き込む勢いを持つ」アーティストが出演したことで、「より多様な観客が集まる場になっていた」と書いたのですが、ラインナップから予想された通り、今年はその傾向が一段と強くなっていました。

なので、海外のコーチェラ・フェスティバルなどもそうだと思うのですが、フェスティバルに求められるチャンネルというのがあまりに多くて、それが全体として像を結びにくくなっているというのが近年の状況なのだと思います。そこを切り取った一部メディアによる報道なんかもありますが、現場にいて今年強く感じたのはジャンルやアーティストのカラーもそうなのですが、なにより世代の問題で、四半世紀にわたって続いてきたサマーソニックの歴史と観客の新陳代謝という相反する要素を抱えながら進んでいかなければならないフェスティバルの今後の形について思いを馳せている自分がいました。

今週は本日8月23日にフォンテインズD.C.の通算4作目となるニュー・アルバム『ロマンス』もリリースされています。アルバムからのファースト・シングル“Starburster”が4月に届いた時点で「個人的には数年に一度とも言える手応えを感じていて、リリース以来、何度も聴いてしまっている自分がいます」と書きましたが、今日ようやくアルバム全体が届いたわけですが、その手応えは衰えることがなく、とりあえず朝から何周もしてしまっている自分がいます。

本作は東京のイメージが大きな影響を与えていて、収録曲“Here’s The Thing”についてグリアン・チャッテンは次のように語っています。「スポティファイでギター・サウンドのプレイリストを作るよりも、ずっと面白い書き方だと思う。夜明けに飛び立つハトのこと、渋谷のスクランブル交差点のこと、100万人の人々が通り過ぎるけれど、自分たちの世界ではお互いを見ていないという感覚、朝の通勤ラッシュなんかについて話していたんだ」


『RADIO NME JAPAN~NEW MUSICAL EXPRESS JAPAN~』放送中
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