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均衡。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第258回】

今週はブリング・ミー・ザ・ホライズンの通算7作目となるアルバム『ポスト・ヒューマン:ネックス・ジェン』が本日5月24日にリリースされました。シングル単位ではない、まとまったリリースとしては2020年10月にリリースされた『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』以来となり、正規のフルアルバムとしては2019年1月にリリースされた『アモ』以来となります。ヘヴィ・ミュージックという枠組を超えて、UKを代表するロック・バンドになった彼らのフルアルバムがついにリリースされることになりました。

しかし、リリースまでの経緯は紆余曲折に満ちたものでした。最初にアルバムのリリースが発表されたのは昨年6月、ダウンロード・フェスティバルのヘッドライナーを務めた時でした。『ポスト・ヒューマン:ネックス・ジェン』が9月15日にリリースされることが発表されたのですが、リリースの約1ヶ月前に「予期せぬ事態のために満足できる水準でレコードを完成させられなかった」として延期されることが発表され、なかなかリリース日の目処が立たない中で、公式ストアでは今年1月や今年4月といった発売日が掲載される中で最終的に本日5月24日にリリースされることになっています。

昨日の発表で本日のリリースということで、まだまだアルバムを評価できるほど聴き込めてはいませんが、本作を聴きながら考えていたのは、ブリング・ミー・ザ・ホライズンというのはつくづくバランスが重要なバンドだなということでした。エレクトロニックとバンド・サウンド、ヘヴィネスや激しさとメロディアスさ、人間性と殺伐としたシステムや社会、そうした相対するものを絶妙なバランスで作品に昇華することで、『ザッツ・ザ・スピリッツ』や『アモ』といった素晴らしい作品が生まれてきました。本作についてもバンドが気にしていたのはそこだと思います。オリヴァー・サイクスは昨年8月の時点で延期の理由について「完璧にしたい細かい部分がたくさんあった」と語っています。

今週はオアシスの『ディフィニトリー・メイビー』の30周年記念盤が8月30日にリリースされることも発表されています。今回のエディションではモノウ・ヴァレー・スタジオでの幻のオリジナル・レコーディング・セッションからの楽曲のほか、コーンウォールのソーミルズ・スタジオで録音された同アルバムからのアウトテイクが収録されるとのことで、ノエルとリアムの距離感に目立った変化はないものの、30周年プロジェクトは着々と進んでいます。

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