降臨。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第225回】
今週は日本時間の9月6日22時30分からザ・ローリング・ストーンズによる記者会見が配信されました。誰もが分かっていた通り、その内容は新作のリリース発表で、新作のタイトルにちなんで記者会見はイースト・ロンドンにあるハックニー・エンパイアで開催され、アメリカのテレビ司会者であるジミー・ファロンが司会を務め、YouTubeを通じて全世界に配信されました。その結果、ザ・ローリング・ストーンズによる通算24作目にして18年ぶりのオリジナル・アルバム『ハックニー・ダイアモンズ』が10月20日にリリースされることが明らかになり、ファースト・シングルの“Angry”も公開されています。
ライヴ以外の現場で3人揃った近年のザ・ローリング・ストーンズの動く姿を観られる機会なんてそうそうないので、それだけで貴重なものだったのですが、情報という面でもいろいろ収穫のあるものでした。まず、『ハックニー・ダイアモンズ』というアルバム・タイトルは『ヒット&ラン』や『スマッシュ&グラブ』といった候補がある中で出てきたそうで、ハックニーで割れているガラスが広がっている様を意味する隠語のようなもので、強盗や窃盗の文脈で出てきたタイトルであることが明らかになっています。また、現在のドラマーを務めるスティーヴ・ジョーダンについては何かあった時のためにチャーリー・ワッツから推薦されたことをキース・リチャーズは明かしています。
そして、記者会見の後半で少し唐突にも見える形でミック・ジャガーが「言いたいことがある」と語り出したのが次の言葉でした。「偉そうなことは言いたくないが、このアルバムを俺たちが本当に気に入っていなかったら、リリースすることはなかっただろう。なんでも良いから作って出すなんてことはしたくなかった。作る前に、俺たち誰もが『自分たちが本当に気に入るようなレコードを作りたい』と言っていたんだ。自分たちがこの作品に満足していると言えなければならない。偉そうなことを言うわけではないけど、本作には満足しているよ」音楽界きってのビジネスマンであるミック・ジャガーの言葉ですが、シングルの“Angry”の内容も含めて新作『ハックニー・ダイアモンズ』への期待が高まっています。
あと、今週はリリースが豊作で、オリヴィア・ロドリゴの『ガッツ』を始め、ケミカル・ブラザーズの新作、ザ・エックス・エックスのロミーのソロ・デビュー作、ジェイムス・ブレイクの原点回帰作など、注目作が目白押しで、これから聴くのを楽しみにしています。
Pic by Mark Seliger
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