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月音。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第262回】

今週はコールドプレイが通算10作目となるニュー・アルバム『ムーン・ミュージック』を10月4日にリリースすることを発表しました。このアルバムについてクリス・マーティンはだいぶ前の時点で言及していて、昨年1月、今よりも1年半近く前にカナダの『シティ・ニュース』に対して「『ムーン・ミュージック』という『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』の第二弾となるアルバムを仕上げているところなんだ」と語っています。2023年のどこかでアルバムの曲を演奏することがあるかもしれないとも語っていましたが、それが実現することはないまま、アルバムに関する情報が再び頻繁に出てくるようになったのは最近のことです。

6月8日にカリフォルニア州サンタモニカのアミューズメント施設「パシフィック・パーク」の前で新曲“feelslikeimfallinginlove”を歌う映像が公開されて、6月9日に行われたアテネ公演では新曲“All My Love”がアンコールで披露されています。“All My Love”を観客に紹介する際にクリス・マーティンは次のように語っています。「9月まで聴けないことになっていた新曲があるんだ。でも、今はここでみんなのために演奏してみるよ。インターネットに載せないでもらえるといいんだけどな。それが難しいのは分かっているけどね。でも、僕らの間のリハーサルみたいに捉えてほしいんだ」そして、6月17日にはニュー・アルバムがリリースされることが正式に発表されています。

新作を仕上げていると言った1年半前から現在までの間にコールドプレイに関しては二つの大きな出来事がありました。一つは元マネージャーであるデイヴ・ホルムスとの間に訴訟問題が持ち上がったことです。デイヴ・ホルムスはコールドプレイのメンバーとロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの学生として出会っており、22年間にわたってマネージャーを務めてきました。しかし、ツアーや融資を巡って金銭的なトラブルが発生して辞任したのですが、その後に契約をめぐって訴訟問題に発展しています。もう一つはクリス・マーティンがダコタ・ジョンソンと婚約したと報道されたことです。長年、交際が報じられてきた二人ですが、今年3月に婚約したとされており、元妻のグウィネス・パルトロウも祝福していると言われています。

コールドプレイはアルバム・リリースについて「やろうというよりはやることになっているという感じ」と語っていて、もはや作品に人間的な機微を反映させる段階にもないのかもしれません。そう考えると寂しい気もしますが、しかし、グローバル企業であっても結局はそのパーソナリティが表出してくることが多いことを考えると、コールドプレイにもきっとそうした瞬間はあるのだと思います。その意味で引き続き、彼らのニュー・アルバムを楽しみにしています。

Pic by Anna Lee

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