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奇術師。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第233回】

今週は先週リリースされたザ・ビートルズの最後の新曲という“Now And Then”に続いて、本日11月10日に『ザ・ビートルズ 1962年~1966年』(赤盤)『ザ・ビートルズ 1967年~1970年』(青盤)のエクスパンデッド・エディションがリリースされました。拡張盤ということで赤盤に12曲、青盤に9曲、計21曲が追加されており、デビュー・シングルの“Love Me Do”から“Now And Then”まで計75曲が収録される形になりました。前回もお伝えした通り、そのうち赤盤は全曲がAI技術以降のミックスになり、青盤でも6曲が新たにミックスされています。

早速、赤盤の1周目を聴きながら、この原稿を書いているのですが、昨年リリースされた『リボルバー』の再発盤のクオリティから予想はできていたものの、音源のあまりのクリアさにとにかく驚いているというのが現状です。古い音源であればあるほど、モノ音源から楽器や声を分離できるAI技術の恩恵を受けやすいとは思っていたのですが、“I Saw Her Standing There”の各パートの分離なんて歴史を書き換えるかのような衝撃があります。“A Hard Day's Night”の最初の1秒を聴いてもらうだけでも、今回のミックスの“威力”は伝わるのではないでしょうか。

そして、前にもちらっと書きましたが、今回のミックスを聴いて考えてしまうのは今後のことです。このミックスが好意的に受け止められて、ザ・ビートルズの残されている全音源に適用していくことになれば、膨大な作業にはなりますが、2009年9月9日にリリースされたデジタル・リマスター以来となる全面的なオリジナル・アルバムの更新なんてことも行われるかもしれません。また、他のアーティストにも適用されていくことになれば、そのムーヴメントはどんどん拡大していくかもしれません。

今週はデュア・リパのニュー・シングル“Houdini”もリリースされています。何度も聴くことで病みつきになる中毒性のある楽曲で、テーム・インパラのケヴィン・パーカーを含む豪華プロデューサー4人が参加した意義が伝わってくる1曲になっています。

Pic by Tyrone Lebon

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