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総括。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第238回】

先週は毎年恒例となっている『NME』によって1年を振り返る各種ランキング記事が軒並み公開されました。具体的にはアルバム・オブ・ザ・イヤー、ソング・オブ・ザ・イヤー、フィルム・オブ・ザ・イヤー、TV・オブ・ザ・イヤー、ゲーム・オブ・ザ・イヤー、デビュー・アルバム・オブ・ザ・イヤーという6つのランキング記事が公開されています。アルバム・オブ・ザ・イヤーについては邦訳版を今後公開しようと思っているので、今回はそれ以外の音楽もののランキングで気になったものをピックアップしていければと思います。

まず、ソング・オブ・ザ・イヤーですが、1位を獲得したのはラナ・デル・レイの“A&W”でした。アルバム・オブ・ザ・イヤーでは最新作『ディド・ユー・ノウ・ザット・ゼアズ・トンネル・アンダー・オーシャン・ブルバード』が23位だったこともあって、そことのバランスもあるのかなと思います。レヴューには「彼女の音楽において一貫しているのはファンタジーと真実、そして悲劇の境界線がいまだに存在していないかのようであることだ」という一節があるのですが、“A&W”はそんなラナ・デル・レイのアーティスト性が1曲に凝縮されたような楽曲で、他の複数のメディアでも年間1位に選ばれています。

ソング・オブ・ザ・イヤーは2位にNewJeansの“Super Shy”がランクインしていて、ポップ・ミュージックとしての機能性の高さとアニメ『パワーパフガールズ』とのコラボレーションを含めてグループの立ち位置との親和性が高く評価されています。3位はカイリー・ミノーグの“Padam Padam”、4位はオリヴィア・ロドリゴの“Vampire”と続き、5位には前回のこの原稿でも御紹介したザ・ラスト・ディナー・パーティーのデビュー曲“Nothing Matters”がランクインしています。

デビュー・アルバム・オブ・ザ・イヤーは10枚のアルバムが紹介されているのですが、ピンクパンサレスやブロンドシェルなど、うち9枚はアルバム・オブ・ザ・イヤーと重なっているのですが、唯一重なっていなかったのがリース・ロスの『トゥ・ラーン』でした。カナダはトロント出身で、バークリー音楽院にも通った女性シンガーソングライターなのですが、『NME』は「最も切れ味のある視点はしばしば過小評価されている人々から生まれることを思い出させてくれる」と評しています。

『RADIO NME JAPAN~NEW MUSICAL EXPRESS JAPAN~』放送中
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