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天賦。【NME Japan編集長がちょっと思っていること 第267回】

先週はフジロックフェスティバル ‘24にうかがうことができました。今年はオアシス・エリアにBLUE GALAXYというDJブースが2019年以来5年ぶりに復活することとなり、昨年の「THE PALACE OF WONDER」の復活に続いて、フジロックらしさをより味わってもらおうというスタンスが引き続き示される形となりました。3日目に散発的な雨はあったものの、大きな天候の影響というものはなく、夏らしい気候での開催になったと思います。来場者は前夜祭が14,000人、1日目が26,000 人、2日目が30,000人、3日目が26,000人ということで、4日間ののべ来場者数は96,000人となっています。

ライヴ・レポートについては例年と同じように「NME Japanが選ぶベストアクト」という記事を掲載する予定なので、そちらを見ていただければと思いますが、一組だけここでもアーティストに触れておくと、3日目のGREEN STAGEにはUK出身のシンガー/ソングライターであるレイが出演しました。まだ、フル・アルバムを1枚しか出していないアーティストですが、キャリアを振り返ると複雑で、だいぶ前の2017年の時点でBBCが毎年選出する新人ランキング、サウンド・オブ・2017で3位に選ばれていて、全英シングル・チャートに数々の楽曲をランクインさせていたものの、当時の所属レーベルがアルバムのリリースを棚上げしていることを明かして、結果としてレーベルを離れることになったアーティストです。

メジャー・レーベルとの契約を失ったレイはそこからインディペンデントとして自身のレーベルから昨年2月にファースト・アルバム『マイ・トゥエンティファースト・センチュリー・ブルース』をリリースしたのですが、そのクオリティは大きな反響を呼ぶこととなり、今年3月に開催されたブリット・アウォーズ授賞式では史上初の6冠を達成することになりました。そして、今回のフジロックフェスティバルが初来日となったのですが、そのライヴはあまりに素晴らしいものでした。現在開催されているパリ五輪じゃないですが、世界水準としか言えないああしたパフォーマンスを見せられると、フジロックという場の貴重さをあらためて考えずにはいられません。

今週はジャック・ホワイトによる通算6作目となるアルバム『ノー・ネーム』も正式リリースされています。当初、サード・マン・レコーズに買い物に来た人の袋の中に密かに入れるというサプライズ的な形でリリースされた本作ですが、サウンドとしてはかなりロックンロールのルーツに立ち返る内容となっています。

Pic by 宇宙大使☆スター

『RADIO NME JAPAN~NEW MUSICAL EXPRESS JAPAN~』放送中
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