組織について学生に話したことをまとめてみた。。。

(1)良い組織はどんな組織?

学生にどんな組織で働きたいかと聞くと、色々な答えが返ってきます。「給料の高い組織」「人間関係が良い組織」「楽しいことができる組織」…たしかにその通りです。でも、良い組織ってどんな組織なのでしょう。少し考えてみました。

「組織は、人間が、その強みよりずっと多く持っている弱みを消すことはできない。しかし組織は、人の弱みを意味のないものにすることができる。組織の動きは、個々の人の強みをレンガにして、協働の事業として組み上げることである」(経営者の条件 ピーター・ドラッカー)

このように、各人の強みを最大限に活かすことができる組織は

① 強みを最大限にすることができるため、利益も最大限になり給料も最大限になる。
② 各人の強みを活かすことができるため、認め合い良い人間関係をつくることができる。
③ 各人の強みを仕事にすることができるので、楽しいことができる企業である。

つまり、各人の強みを最大限に活かし、それぞれがそれぞれを補完する組織こそが良い組織と言えます。

(2)良い組織を創るため組織人に必要な能力

「強みをレンガにして、協働の事業を組み立てるため、組織人に必要な能力」とは何でしょうか。まず第一に「各個人に強みがあること」が必要です。

当然ですが個人に強みがなければ強みをレンガにすることは不可能です。さらにはそれぞれの強みを「分かり合う力」も欠かせません。皆の強みを組み合わせるわけですからそれぞれがそれぞれを分かっていなければレンガを組み上げることが出来ません。そして、それぞれがそれぞれを「補完し合う気持ち」も重要です。これら3つを全員が持つことによって強い組織が出来るのではと考えます。

(3)良い組織を創るためのチームワーク力

さて「組織が各個人の能力を最大限に活かして補完し合うチームを創る」このような力を、チームワーク力と言います。このチームワーク力というものについて、チームとグループの違いから考えてみます。

「チームとグループの違い」辞書的に言うとチームは「ある目的のために協力して行動するグループ」グループは「仲間・集団」となります。この解釈だとチームはグループの特殊な一形態ということになっていますが、組織の中でチームとグループを論じる場合少し違う気がします。組織の中での「チームとグループの違い」色々なところで論じられていますが、今日はそのことについて考えてみます。

チームの定義は「異質の人たちが同じ目的のために集まり、それぞれの能力を使って、補完し合いながらチームの目的を達成するために集まった集団」です。

グループの定義は「同質の人たちが同じ目的のために集まり、同じ能力を使って、一緒に動くことで個々の目的を達成するために集まった集団」です。

チームワークが持つイメージと、グループワークが持つイメージを比べると分かりやすいかもしれません。例えば、授業でグループワークを行う場合の目的は、個々のレベルアップですし、部活やサークル・アルバイトでチームワークを発揮するときの目的は全体のレベルアップです。チームワーク力は部活やサークル活動・学校行事・アルバイト・ボランティアなど、集団で一つの目標に向かって何かを行うことで磨いていけることができると言われていますが、皆さんはそこで本当にチームワーク力を身に着けたでしょうか。

(4)チームとグループを見分ける方法

少し極端な話になりますが、チームとグループを見極める方法がいくつかあります。

一つめは「自分がいなくなってその組織が回るか」です。チームは「それぞれの能力を使って、補完し合いながら」活動します。つまり、自分に役割があり、その役割を行う自分が抜けるとチームは回らなくなります。チームを語るときにはよく考えてみてください。自分の役割は何だったのか、自分がいなくなっても(その役割がなくなっても)そのチームが存在できるかを…もし、存在できると思ったら、それはチームではありませんグループです。

二つめは「一人ひとりを評価できるか」です。チームは「それぞれの能力を使って、補完し合いながら」活動します。全員が一つとなって行うので個人評価は出来ません。また、その場合、成し遂げたことは自分がやったことではなく、チームがやったことと心から思えるはずです。また、一般的にはチームの全員に協力してくれたことに対して心から感謝している場合が多いです。もし、個人評価できるとしたら、それはチームではなくグループです。

三つめは「仲良くが一義となっていないか」です。チームの存在意義は目的を成し遂げることです。信頼し合う必要はありますが、仲良くし合う必要はありません。チームとはそれぞれがそれぞれに対して、また自分に対しても厳しいものです。しかし、グループでは目的が個々のものなので、グループを存続させるために、楽しい場を作ることが重要です。そのためには気を使い、仲良くすることが必要になります。

いかがでしょうか。チームを創り上げることって結構難しいです。でも、補完し合って、一人の力を十倍二十倍にすることができたら最高だと思いませんか。

(5)本日のまとめ

「組織は、人間が、その強みよりずっと多く持っている弱みを消すことはできない。しかし組織は、人の弱みを意味のないものにすることができる。組織の動きは、個々の人の強みをレンガにして、協働の事業として組み上げることである」(経営者の条件 ピーター・ドラッカー)

このような組織を創り上げるために3つのことが必要。それは「各個人に強みがあること」「皆の強みを分かり合う力」「強みを組み合わせ補完し合う気持ち」これら3つの能力がしっかり全員で発揮出来たら良いチームになれます。是非今いる組織の中で良いチームを創ってください。そこで自分の役割を全うしてください。


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