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03.弊バンドの活動の理念とその経緯と現状について

〜はじめに〜

 1月29日に公開されましたMayprill Recordsによるクラウドファンディング企画についての僕の思いを書き綴っていきます。企画始動前より書いていたものなので、文章が少し尖っているかもしれません。もしきになる方は読んでみてください。どんな活動をしてきたのか。

-どんな活動だったのか-

 今年で活動開始から7年を迎えるEmeraldですが、ここまでレーベルに属することなく、全てを自分たちの手で制作、運営して活動してきました。
周りの心ある方々に支えられ、意見を頂き、当初知名度もファンベースも持たない僕らの作品を流通したり、MVを制作したり、配信したり、ライブをしたり、様々なことをメンバーと協力し合いながら行ってきました。
まずはここまでの活動を支えてくれた方々に多大なる感謝を伝えたいと思います。

僕達はこの7年間で5タイトルをリリースし、コンスタントにライブに出演し、中規模のイベントやサーキットフェスなどにも呼ばれるようになっていきました。

CINRA主催 CROSSING CARNIVAL@渋谷DUO出演時

こうした活動はマイペースながらも割としっかりしているため、「レーベルがいる」と思われることも多く「ちゃんと回っている」と思われるのですが、初期の頃に友人と開始したレーベルは諸事情により解体。現在は「Maypril Records」という自主レーベルのみで、毎回ヒーヒー言いながら作品をリリースしています。自主レーベルについては、増えていくライブのオファーや、大きな案件がくることが増えてきた為、請求等のやり取りをする為に個人事業主登録をした流れがあり、まだまだ営利目的と言えるものではないのかもしれません。

運営の代表者は私中野です。運営費はメンバーとの共同出資で行っています。活動はほぼゼロベースからのスタートで、メンバーそれぞれ就業しながら、特に大きなコネなどがあるわけではない状態からのスタートでした。活動は土日をメイン、平日は全員仕事をしていました。

私中野は最近、長年勤めていた会社を辞め、結成7年を機に、活動実績を振り返っていく中で、僕達がバンドとして行ってきた「挑戦」について改めて考えていました。

思い返せば返すほど、それが実は大変無茶なものでおかしなものだったことに、気付くことになるのです。

その挑戦とは

「作品の力、バンドの演奏だけで、音楽はどこまで外に伝わるのか」

というものだったという気持ちがあります。

パッとしないかもしれませんが、これは「バンド至上主義」「楽曲至上主義」のような理念に貫かれた活動だったと思っていただけたらと思います。つまり、バズることや、プロモーションよりも、楽曲を作ることを優先してきた。ということです。
当初は「頑張っていい音楽を作れば世の中は気づいてくれるだろう」という程度のものだったかもしれません。
だから、自腹を切ってでもひたすらに、サウンドの追求をし続け、全て自分たちでそのサウンドに責任を持って、自分たちでプレスし、何もわからない中、手探りで出来うる限りの伝える努力をしてきました。

On Your Mindレコーディング時のstudio ATLIOでの風景

しかしながら当然、プロモーションや拡大に向けた戦略は後回しになり、金銭面も含め、比重は楽曲制作とライブ構築に大きく傾き、ライブや音源で得たお金は全て作品のレコーディングとプレスに注ぎ込まれます。

僕達は世間やお客さんとのコミュニケーションを作品とライブのみに絞って、ずーっと活動してきたのです。
そうして少しずつ、じわじわと音楽好きな人たちの中で話題になり、認知や信頼を獲得してきました。
それは紛れもなく「バンド至上主義」「楽曲至上主義」に根ざした活動と言えます。
なぜそれでやってこれたのか、心底不思議なバンドだと、自分が歌っていても思いますが、これがEmeraldの大きな特色です。ゼロベースから始まっているバンドなのだから、普通であれば、

「楽曲を作る」
「ライブをする」
「個性を煮詰め、その個性に合った方法で世間にアピールする」
「一部で大きな話題になる」
「動員を増やす」
「レーベルを探す、又は出会う」
「全国流通する」
「話題作る」
「話題になる(バズる)」
「フェスに出る」
「メジャーデビューする」
「売れる」
「人を感動をさせる生活及び楽しいことをして生活ができるようになる」

というような絵図を描いて、夢へ進むもののような気がするのですが、、、。

不思議なことにこのバンドは、

「バンドサウンド、バンドのグルーヴの追求」
「メンバー全員が乗っかって成立するアレンジの追求」
「ライブでの完全再現」
「ポップスとして響かせるための追求」
「サウンドトレンドの吸収と追求」

そうしたことに全ての重きを置いて、ずーっとやってきたのです。
今の時代に似つかわしくない費用対効果の望めない活動スタイルであったことは認めます。
これは陶芸家が無愛想に作った作品を叩き割りながらとにかく納得のいく作品を作り続けるというものに少し似ています。モードはどんどん変化し、どんどん作品はできて、ライブのクオリティは上がります。都度作品を出さなければ次に進めないので、その都度できる最大限を投入する形でリリースし、バンド活動をしてきたのです。いつだったか、Pavlov Cityをリリースした後、「もっと愛されるバンドになろう!」と話し合ったことがあります。何をするのかと思ったら「聞きやすくて、かつ深い曲を作るんだ!」とBaの藤井が言った時は気絶しそうなほどこけたのと同時に感動したのを覚えています。

しかし「売る」為の努力、「話題」を作る為の努力の比重を増やすことができなかったことは、次第にバンドがネクストステージに進むためのネックになっていきました。バンドの演奏やクオリティに、会場キャパが追いついていかないということが起こり始めます。

お客さんは、

「もっと大きな会場でみたいのにな」
「なんで私の好きな音楽が広まらないのかな」

となっていきます。

話題がなければ人は集まらない。
音楽を作って演奏するだけでは会場は大きくならない。
しかし、実はそれに気づいたのも最近なのです。

僕達は、グルーヴの追求をすること、音を作ること、ライブをすること、サウンドに感動してくれた人と出会い、少しずつ活動が広がっていくことに素直に興奮して、感謝して、ここまでの営みは実はとても楽しかったのです。幸せだったのです。しかし本当のことを言うと、辛いことや自分の人生を考えると、ちょっと考え直さないといけないことなどもその楽しみの後ろにたくさんあったわけです。でも、やっぱり楽しくて、ずっと後回しにしてきたのかもしれません。「届けたい」ならばもっと色々とやらなければいけないことや、細やかな「プロダクト化」をしていかなければいけなかったのです。

周りのアーティストたちが行なっている、バンドの拡大のためのしっかりとした戦略もレーベルの方々との連携したメディア戦略などを見ながら、「僕達は無邪気すぎる」と、心の中で思っていました。しかしそんなEmeraldの純粋さが愛しく、その中にいる時間こそが、僕に歌を生み出すパワーをくれていたので、その営みを何より大事にして進んできました。それがまだまだ続くといいなと思っています。ボーカルとしての中野は彼らの音に包まれた瞬間にメロディの一端を手繰り寄せて、そこから生まれるイメージを言葉にするという手法で作品を作っています。だから彼らの音がなければ、ただの糸の切れた人形です。

自分の年齢、キャリア構築を考えたら、1人、また1人と船を降りていくことも自然なことなのに、僕達はずっと一緒に音楽をし続けました。最近はベースの智之のお兄ちゃん(藤井健司)が正式加入し、メンバーが増えました。
僕はこのことを思う時、どうしても涙が出てしまいます。

なんなんだこのバンドは。。。と。

その活動を支えてくれたのは、音楽業界の中にいる、良心的でEmeraldを愛してくれる方々でした。また古くから繋がりがある、メディアや、活動を見てくれているバンド仲間たちが広めてくれたこと、何より自分たちで演奏してきた楽曲たちに救われ、歩いてきたのだと思います。周りの仲間達もどんどん人気が出て、音楽性を深めていきます。そんな中僕らも7年という年月を本当に家族のように「音楽を作る」という楽しさ、「伝える」という難しさの中で大いに戦ってきました。

そろそろ、ちゃんと世の中に、このバンドが一体どんなバンドなのかを伝えていく努力をしなくてはいけない。

そう思ったわけです。

ここまではEmeraldの活動理念と、ちょっと変わった挑戦とその経過と現在についてお話ししました。これについてはこの後のテキストでもさらに触れますが、、

ここから本題です。

04.僕がクラウドファウンディングをしたい理由① -きっかけ- 」へ(リンク)

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