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Emeraldの私設レーベル「Maypril Records」よりこれまでの感謝を込めて

 ついに発表されました。してしまいました。レーベル代表就任を始め、最近のTwitterの動向、noteを始めるなどの活動を見ながら、「何するつもりやねん」という気持ちでいた方々に一つ、僕が「音楽レーベル」としてEmeraldと、Emeraldを愛する人や、出会ったばかりの人たちにできることを考えに考え抜いて企画した、中野発案のお祭りです。

**Emeraldをリリースしてきた音楽レーベル「Maypril Records(メイプリルレコーズ)」より、Emeraldのキャリアを総括する過去作品のレコードをリリースしたい。
**
https://www.muevo.jp/campaigns/1851

色々思うことがあったんですよね。レーベル代表ということで、アーティスト自体が矢面に立つことに、不安もあれば、「どう見られるか」など、考え出すときりがなかったんです。例えば業界の方などからしても、さっきまで歌しか歌ってなかったやつから、いきなり「レーベルオーナーです」とアプローチされても、結構びっくりしてしまうよなとかも考えました。そこで、まず一番自分らしい方法、一番自分が楽しめる方法で、Emeraldの魅力を伝えたいと、思ったんです。

世の中は少子高齢化、肝心な若者や、働き盛りの方々もインターネットが発達した結果、様々なジャンルで「クラスタ化」、「村化」してしまって、届く情報が狭く偏って分断してる印象を受けていました。どれだけ良い音楽を作って発信しても、その情報は潜在的にEmeraldの感性を気にいるはずの「伝わるべき人達」になかなか伝わっていかないものだなと感じていたんです。メンバーはどうかわからなかったんですが、僕はバンドを伝えたいと思えば思うほど、「バズらないといけない」という脅迫的な観念と、「丁寧に良い作品を作る」がなかなかバランスよく結びつかず、葛藤が止まなかったんです。その葛藤の中で、僕は「(聞き手を限定せずに)丁寧に良い作品を作る」を常に選択してきたように思います。また、僕らが「バズらせる」為に、過剰なことをしたりすることに躍起になってしまうことで、近くでいつも応援して楽しんでくれている方々に、寂しい思いをさせてしまうのではないかとも思っていました。

そこでまずはメンバーである僕自身の中にある小さな疑問や問題点、そして未来への興奮を中心に、「やりたいこと」「やるべきこと」を世に発信したいと思ったんです。一番そばにいるメンバーに伝えることに全てを注いで、方向性を伝えることから始まり、それを行うためにnoteを始めたり、Twitterで興味を持ってくださった方とのコミュニケーションをとったりしました。もうそれだけで、「アーティストらしくない」と言われてしまうことは一旦考えないことにしました。

この企画をEmeraldのメンバーに話す時、みんながどう思うか、考えに考え抜いて、6万字を超えるテキストと、3種のプレゼン資料を作成して、話しました。メンバーは僕が感じていることをちゃんと聞いてくれました。そしてそのアイデアをより良くする為のアイデアをくれました。内心とても心配しているかもしれないですが、僕の熱意や思いを理解しようとしてくれました。それだけでとても嬉しくて、今に至ります。やったことないことをするという意味で、間違いなく今まで一番やったことないことに挑戦しようとしていると思います。しかしながらそこに体の比重が傾くことは本意ではないので、これからも「曲」を作り続け、最高のライブを作ることに集中してほしいという思いも僕から伝えました。

クラウドファウンディングやコミュニティのことを前向きに捉え直すきっかけをくれたのはRoth Bart Baronというバンドです(1度くらいしかあったことないのだけど)。ちょうど、「この方法しかないかもしれない」「これをやってみるべきなのでは?」と考えていた時に、彼らのこの記事を見ました(本当に偶然に)。

ここで話されていることは納得の一言で、そこに「クラウドファウンディング」という方法や「コミュニティ」という方法に対する、ネガティブなイメージを払拭してくれました。

彼らの新作の「HEX」の冒頭の曲の歌詞は、彼らのこうした活動とメッセージがしっかり結びついて一つのアートになっていることが心の芯に届いたのです。

どうかお願いだから
僕らの行く先の
邪魔をしないで 邪魔をしないで
今の僕たちには
苦しんでいる暇はないんだ

Roth Bart Baron / JUMP より引用

アーティストがアーティストとして、作品の制作だけを行って生きていける時代ではないのは知っていたし、僕は以前のバンドで闇雲にそれを追いかけた結果壊れてしまった過去があるので、まずは自分をしっかりと立たせて、やりたいことを少しでもできる状況に向かって歩いていくということをしてきました。カメのような歩みでしたが、前後不覚で闇雲に夢を追うよりも、成長する機会が多かったんです。そしてフリーランスへ、これまで得た学びを持って、「やりたい音楽をやりたい仲間としながら、生きる」ということに再度取り組むチャンスを得たわけです。

そこで多くの本を読んだり、人にあったり、インターネットを使って、現状の世の中を把握することに多くの時間を割きました。そしてわかったのは、「誰かがやってくれているのを待っていても、何も始まらない」というシンプルなことでした。そして、空気を読んで大人しくしてるより、心から楽しめそうなことにトライして、様々な経験をした人の方が、「素敵」というシンプルな気持ちでした。

↓実はこの記事に相当やられました↓

そうした観点で、様々な人の活動を見ていきました。自分の興味のある分野だと、音楽/アート/映画/洋服/家具などなんですが、音楽を除くそのどの分野においても売り物の性質が変わってきているのを感じました。通り一辺倒に増刷された「モノ」に心が動かなくなってきているんです。Twitterやブログなどで制作者の感情や思いを感じたり、対話したり、受け取った人の感想が読めるようになった今、顔の見えないビジネスやプロダクトが成り立たなくなってきている。自分も気づくと、より制作者やチームの顔が見えるものに、興味を惹かれていたことに気づいたんです。だから、EmeraldのVoであると同時に、一人の人間、生活者、フリーランスとして自分を知ってもらって、賛同してくれる人と共に、チームを大きくして、広めたいと思ったんです。しかしながら諸刃なんです。「アーティストはアーティストらしく」という言葉が立ちはだかる。でも、それで立ち止まって自分の思いや作品が伝わらなかったら意味がない。家族もできて、より「社会性を帯びた人間」になっていく自分と、「夢を追うアーティスト」という人格の間を、説得力のある活動と理念でしっかりとつないであげる必要があると思いました。

このクラウドファウンディングやコミュニティというものが批判や否定を得意とする人たちをすり抜けて、まずは届くべき人に届くことを祈っているし、そこから、出会う機会のなかった人にまで、届いていけるように、僕は顔の見える個人商店としてのMaypril Recordsの代表になったイメージです。この商店自体には大きな生産ラインによる流通網も、大きな広告パワーを持つプロモーターもいませんが、そうした方々とも良い関係で提携できる個人商店に成長していきたいと思っていますし、同じような個人商店の人たちとも、互いの思いを提供しあえる気持ちの良い関係を作りたいです。何より、その商品(作品)が届くのを楽しみにしてくださる一人一人に届けるために。コミュニティはその手がかりになるんじゃないかなと思っています。また、はっきりとコミュニティと言わなかっただけで、既にEmeraldはサポートメンバーやリリースにまつわる様々に協力してくださる方達と一緒に作ってきたコミュニティでもあったりします。

Emeraldは商品開発に多くの時間を費やしてきました。そして本当に素晴らしい作品がたくさんできたんです。商品ができたなら、今度はそれをどういう人に、どんな風に届けるかを考えて動くことのできる「店」が必要ですよね。その手始めに、レーベルらしく「レコード」を作りたいということです。考えに考え抜いた一番かっこいいプロダクトとして提供したいと思います。なんて言ったって「レーベル」ですから。

気軽に参加してみてください。僕たちにとっても初めての試みなので、拙い部分もあるかもしれませんが、かっこいい作品は既にあるので、メンバーが健康に気をつけてさえくれれば、それらは何かしらの方法で必ずお届けすることができます。

Emeraldはみんな自立した良い男達です。そしてそんなEmeraldが作った音楽を気に入ってくれるのも、素敵な人たちばっかりなんですよね。僕よりも大人で経験豊富な人たちも多いいです。僕はステージに立ちながら、そうした人たちに着心地のいい洋服のように寄り添いたいと、心から思うんです。冬は温かく、夏は涼しく、気持ちの良い服に包まれて街へ出ると、それだけで心と体に余白ができる。イマジネーションを通過して、体や心にフィットしていくような感覚で歌を作りたい。そこにはバズるとか、マスメディアで超絶話題になるとかっていう世界とは少し距離がある(もちろん広がることは願ってやまないけど)。

**その余白には様々なアイデアが届く
その余白には自分を愛してくれる人の言葉が届く
その余白はあなたの愛する人の宿り木なる
その余白はあなたそのものの色になる
その余白を生み出すきっかけを作れたなら嬉しい
その余白を彩れたなら嬉しい

でもその色は
「あなたの中に元からあったもの」
ということに気づいてもらい
自分を大好きになってもらうことが一番大事です

僕の声と、イマジネーションをこの思いに注ごうと思います**

やっと発表できました。
読んでくださった皆様の活動も応援したいです。
それでは良い音楽ライフを!

Emerald/Maypril Records 中野陽介

Photo by Hyodo Masaharu

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Maypril Recordsの代表としてのコラムやコンテンツを発信します。時々チャレンジ的に、題材について書いたりします。ライティングなどもしていますので、依頼があれば。TwitterのDMは解放しています。ご連絡はそちらまで。

コメント2件

拝読し、『顔の見えないビジネスやプロダクトが成り立たなくなってきている。』という点に共感致しました。私はコーヒーの原料調達と商品開発をしているのですが、何年か前から「人となりの見えるコーヒー」がこれからのコーヒーだな、と思い仕事をしています。Emeraldの皆さんの音楽には、Spotifyでたまたま出会いました。とても魅力的で、なぜ惹かれるのかという疑問が、今回の中野さんのnoteの記事で腑に落ちました。この取り組みが成功する事を祈っております。そして、これからのご活躍も!
ヤットポットさん
ありがとうございます。コーヒー大好きです。
一度飲んでみたい。メンバーにも飲んでみてもらいたい。どこかで会えますことを祈りつつ頑張ります!
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