なかのひと

都度なんか気まぐれに書いてます。自分の書いたものにすら協調性がない。

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最近の記事

【間に合わなくなりました】今からでも間に合う!悩めるチュッピ向け『ワッチャ!リーディング!マジック!』おすすめポイントまとめ

この記事はイベントの楽しさが飽和した結果、何か布教活動をせずにはいられなくなった在野のチュッピの主観に基づき、3公演ごとの違いやおすすめポイントを紹介する記事です。 性質上、多少のネタバレは含みますが、公演の楽しさを損なわない程度に留めるよう配慮はしたつもりです。 ラストの感想部分に関してはネタバレお構いなしになりますので、ネタバレを知りたくない方はその手前までで閲覧を切り上げてください。 もしもネタバレを全く気にしない!という方でしたら、この記事を読むよりも各種レポート

    • ウマ娘偽コラム記事(バニーガール編)

      前置き ※ウマ娘の世界にありえそうな記事という体裁の二次創作ネタです。 ※キャラクターとしてのウマ娘は出て来ません。 ※BDSMのポニーガールとは無関係です。 ※内容から参考文献から何から何までフィクションです。 ※マジの引用元だけは最下部に記載してあります。 いつから”ポニー”は”バニー”になったのか?ルーツはウエイトレスではなくボディーガード! さらに古代まで遡る!?  肩と胸元が露わになったレオタードのようなスーツ、パンストに網タイツ、付け襟と蝶ネクタイ、シャツの袖

      • 命拾い

         夕方から降り出した雨が窓を強く叩く。もう少しマシになったら帰ろうか、という気持ちを挫くかのように、一向に止む気配がなく途方に暮れていた。  自転車で来るんじゃなかった。かといって、置いて帰ると明日が困る。  部室棟の二階、縦に細長い文芸部の部室に、岩田先輩と二人きりだった。今日は雨の予報を聞いて、みんな顔も出さずに帰ってしまったようだ。僕もそうすればよかったのだが、さすがに五限の講義をこれ以上サボると単位に響くので、仕方なく出席したのが運の尽きだった。いや、普段から真面目に

        • 怪物は惰眠を貪る

          「惰眠を貪る」  本来の意味が途絶えて久しいこの言葉について、一度だけ祖父が話してくれたことがある。  お盆の親戚の集まりで、大人たちが酒を飲んでわあわあと騒ぎ立てるのに飽きた頃だった。  退屈そうにしていたのを察したのだろう、僕を見つけた祖父は、ちょいちょいと手招いた。どっかり膝の上に座ると、色んな話をしてくれた。そのほとんどを忘れてしまったが、たった一つの話だけは、妙に鮮明に焼き付いていた。 「ダラダラと怠けて寝こけるのを「惰眠を貪る」っちゅうがな、こいつぁ元々は牛みた

        【間に合わなくなりました】今からでも間に合う!悩めるチュッピ向け『ワッチャ!リーディング!マジック!』おすすめポイントまとめ

          この先、メガネになるものはなんだろう

          ※この文章は感情優先で、なおかつ車輪の再発明かもしれないことを開き直った文章です。あしからず。 ぼんやりと考えたことを、多少まとめて書いてみる。 僕はメガネをかけている。 初めてメガネを使いだしたのは中学生の頃だ。年々悪くなり、今視力は0.0いくつか、ちょっとわからない。 メガネなしで外を出歩くことは自分の命とかあれやこれに関わるので、家族を人質に取られでもしない限り、ノンメガネウォーキングに洒落こもう、という心持ちにはならないだろう。 で、ふと思った。 誰も町中でメガ

          この先、メガネになるものはなんだろう

          俺の心音は120デシベルを超えて、なお

           壁の汚れに似た曇天を否定するように、原色のレーザー広告が空に飾られていた。  広告の中の女が俺に微笑む。そんなマニキュアをたった一本買ったところで、俺の小指の先すら塗りつぶせない。  耐用道路を選んで歩く。なるだけ早く、しかしトルクは抑えて。 「うるせぇぞ! 何にも聞こえやしねぇ!!」  足元の指向性マイクは俺の駆動音の中から野次を拾い上げた。すまんね、どうにも。心の中だけで謝罪の言葉を呟く。  編み物なんてできやしないし、忍び足さえ象にも劣る。そんな俺が探偵? 笑うよな

          俺の心音は120デシベルを超えて、なお

          武士外道

          「蛇だよ。わかるか?」  唾を飛ばしながら男が叫んだ。時折無精ひげを撫でながら言葉を続けた。 「そいつぁ左腕が根元からさっぱりねぇんだ。だがな……ただでさえ長ぇ右腕の先から、なんでか知らねぇがそいつの左腕が伸びてんのよ。それが蛇みてぇにうねうねして、気味悪ぃったらねぇや」  飛び出した興奮と入れ替わるように安酒が喉へと落ちてゆく。 「へ、へ、へ。なるほどな。ソイツは間違いねえ、<蛟の曼婆(まんば)>だな」  対面に座る若者が笑う。布で包まれた腕が動く度、キリキリと軋む音がし

          「有鱗回廊」

           ハンドルに置かれた手は、この退屈を持て余していた。  等間隔に配されたライトの光が、メトロノームのような単調さで車内を明滅させる。  高速道路自動走行システム<スマートロード>は正常に作動。一般道に出るまで運転手の仕事はない。 「………………」  それでも大黒(ダヘイ)は手持無沙汰を埋めるためハンドルに手を置き、代り映えのない静かな夜景をただ眺めていた。  助手席に座る海鴎(ハイオウ)は、助手席という名前の役割を果たす気配など露ほども感じさせず、暢気な顔でバックミラーに視

          「有鱗回廊」