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2024年5月の記事一覧
【なかがわよしのの61曲カヴァー企画】「Smooth Criminal」マイケル・ジャクソン
眠たかった。オオタはイートインコーナーでパン食ってる。満員電車で財布をすった。犯行後すぐに降りた駅ビルのパン屋で待ってる。財布の中身を何食わぬ顔で確認。2万9000円と小銭がじゃらじゃら、悪くない。なかなか良い仕事だったなとラッキーを持ってる。いつか捕まるのはわかってる。早いか遅いかだけの違いだし、現行犯逮捕されても、釈放されれば繰り返すに決まってる。それがオオタの生き方だからだ。
仕事はできな
【なかがわよしのの61曲カヴァー企画】「Arcarsenal」アット・ザ・ドライヴイン
「童貞ちゃうわ!」って陽が叫んだら、騒がしかった教室が静まり返って、どか~んとウケた。こっそり付き合っているひろみは赤面してクラスを飛び出した。高校受験生だというのに、夏はまだだからか、みんなに緊張感がない。
昼休みが終わってもひろみは戻ってこなかった。陽は午後の歴史の授業を窓の外から見ながら過ごす。「波多野!」と陽は呼ばれた、3回目で気づいた。教壇の教師が「今のところ読んでみろ」と言うので「聞
【なかがわよしのの61曲カヴァー企画】「Sabotage」Beastie Boys
授業をサボったJKを駅前でハントしているアキオはどうにか寝技に持ち込みたいと考えていた。捕まったら捕まったで書いている小説のネタになるだろうって軽率に。犯罪の味を試食してみたかった。JKはアキオを足蹴にしたが、持ち前の粘り越しで声を掛け続ける。「うざいんだよ、おっさん」なんて言葉は聞き慣れている。むしろ闘争本能に火をつけられる。「LINE交換してくださいよ~」と30歳年下に敬語で。
するとパトロ
【なかがわよしのの61曲カヴァー企画】「くそったれの世界」The Birthday
「ホントは死んでない」酔うと亡くなったチバユウスケのことばかりをニイミは話す。「チバよりカッコいい男はいない」と公言している。そんな気持ちが強いから、美人なのに不思議と男が寄りつかなかった。40代独身、女、女、女。
ニイミの相手をするのはユウタで、ふたりは友だち。ニイミは男女の友情は成立すると考えている派。「お前よりきれいな女はいない」とユウタもふざけて言う。いつも通り、ふたりでカラオケ、狭い個
【なかがわよしのの61曲カヴァー企画】「BRIAN DOWN」Thee Michelle Gun Elephant
「ザ・ローリング・ストーンズは結成当初はブライアン・ジョーンズっていうヤツがリーダーだったんだが、奇しくもストーンズによって葬り去られた男として有名」というような意味のことをベッドの中で裸の男に言われた。優梨はSixTONEにしか興味がないのでどうでも良かった。早く時間が来ないかとうんざりしていた。ただ天井の顔のようなシミを無で見つめている。それでも男は話すのをやめない。
「ザ・ビートルズは去年
【なかがわよしのの61曲カヴァー企画】「ハイブリッド レインボウ」the pillows
29歳。人生を劇的に変えられるとしたら今しかないと。ユミオは新しくギターを買い、新しいエフェクターとギターアンプも買った。やめようと考えていたバンド活動は続けることに。過去最大の動員数を記録した日比谷野音以上のライブすることを目標に設定。メンバーに嫌われてもいいから、ナアナアではなく、してほしいことを言ったり、嫌な役割も引き受けて、小言も言うようになった。「お前、どうしたんだよ」って当然メンバーた
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