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ことばの話 ~「シャベル」と「スコップ」

 ダーリンの趣味は家庭菜園だ。ダーリンの母は農家の出身で、必然的に親戚には農家が多い。だから、「家庭菜園」とはいってもやっていることはかなり本格的に見える。申し添えると、ワタクシは収穫担当という楽なポジションなので、本格的なのか本格的に見えるだけなのか判断が付かない。

 そんなダーリンと話をしていると、ときどき言葉の食い違いが発生する。それは、
シャベル

スコップ
だ。

 ワタクシがシャベルと思っているものをダーリンはスコップだと言い、ワタクシがスコップと思っているものをダーリンはシャベルだと言う。

 ワタクシにとってのシャベルはこれ。

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 そして、スコップはこれ。小人さんではなく、右端の赤いもの。

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 これがスコップだ。

 つまり、ワタクシの語彙では大きい方がシャベルで小さい方がスコップなのだが、ダーリンは逆だと言う。

 数週間前、「チコちゃんに叱られる」を見ていたら、正にこの疑問を扱っていた。
 詳しいところは、こちらで確認していただきたい。

 結論から言うと、どうやら地域差があるようだ。ワタクシは西日本型、ダーリンは北日本型ということらしい。ちなみに、関東地区は両者混在とのことだ。

 ダーリンが北日本型なのは、ルーツを考えると納得がいく。彼は入植者の血筋で、ご先祖様は富山県からこの北の地にやってきたということだし。

 不思議なのは、ワタクシが西日本の語彙を持っていることだ。けれど、それはあっさりと納得した。
 祖父母は愛知県から北海道にやってきたのだった。だからきっと、園芸好きだった祖父が、大きい方をシャベル、小さい方をスコップと呼んでいたのだ。そうだ、そうに違いない。

 と、姉に話したところ、4歳年上の姉はこう言った。

 「おじいちゃんはシャベルともスコップとも言っていなかったよ。小さい方は移植ごてって言ってた」

 ということは、ワタクシのシャベル、つまり大きい方は、たぶんエンピ(円匙)と呼ばれていたであろう。そうだった。祖父はカタカナ語をほとんど使わない人だった。

 ということは、ワタクシのシャベルとスコップの定義は、どこからやってきたのだろう。言葉の専門家だった父に問いたいところだが、あの世で再会するまでできそうにない。

 なんだか、ムズムズする。

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