見出し画像

嬉しい偶然

フランスから帰ってきて2日目、さっそく嬉しいことがあった。

◇◇◇

一昨日から、大学のある街に戻ってきている。
引っ越しに必要な書類を集めたり、大学の用事を済ませたりするためだ。

とはいえ、フランスに行く前に家を引き払っていたので、自分の家はない。
元の家の近くにあるゲストハウスに滞在している。

そこのオーナーは、アイルランド人と日本人の夫婦。
着いたときは奥さまが案内をしてくれたのだけど、とっても気さくな方で、案内をしてもらう間に、フランスに行っていたこと、もう家を引き払ったことをぜんぶ話してしまった。

荷物を整理したあと、リビングをぷらぷらとしていたら、夫婦そろって事務仕事をしていて、奥さまに声を掛けられた。

”ニコさん、フランス語が話せるんだってねぇ。〇〇(パートナー=アイルランド人)もフランス語が話せるから、練習していいよ”

えっ、そんな偶然ってあるんだ…と、こわごわフランス語で話しかけてみたら、ちゃんと通じて更にびっくりした。

パートナーさんは、仕事の都合で、5年ほどフランスに住んでいたらしい。
わたしが滞在していた街のことも知っているみたいで、ああ、あそこにいたんだ、じゃあここは知ってる?なんて話をしてくれた。

◇◇◇

アイルランド人に出会うのも初めてだったけれど、こんなにきちんとフランス語が通じることを実感したのも初めてだ。
フランスでフランス語が通じるのとは、また違う感動があった。

なんつーか、フランスにいる時は身の回りがすべてフランス語だから、自然にフランス語モードになれる。
フランスに行く前は、日本で日本人の自分がフランス語を話すこと自体に違和感を抱いてしまうというか、まあ早くいえば気恥ずかしさみたいなものがあった。

フランスに1ヵ月滞在したことで、自然と「フランス語モード」を発動できるようになった。
ふんっとスイッチをいれればフランスにいる時の感覚を思い出して、するっと話せるようになった。

そうするとまあ、ちゃんと通じるし、相手の言っていることもわかる。
気恥ずかしさなどどこかに行ってしまって、フランス語でやりとりできる嬉しさだけが残るのだった。

◇◇◇

このゲストハウスを選んだのは、元の家に近かったからで、アイルランド人がオーナーであることも、フランス語を話せる人がいることも知らなかった。

偶然なのだろうけれど、こういう偶然があるから、生きるって楽しいよね、と思う。
せっかく練習してきたフランス語、さっそく試せる機会があってよかったな。

最後までお読みいただきありがとうございます。 これからもたくさん書いていきますので、また会えますように。