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さよなら、ありがとう

世間を騒がせているウイルスのおかげで、帰りの便が欠航になった。

代わりのチケットを探してネットサーフィンしまくり、眠れない夜を過ごしたけれど、元々予約していたエアラインが代わりの飛行機を用意してくれた。

(旅行代理店の方やエアラインの方は、今すごく大変だろう。手配し直してもらえて、本当に感謝している)

そのかわり、出発予定が早まった。
日付で見れば1日しか違わない。
でも、夜に出国する予定だったのが前日の午前になり、前々日の夜行バスで空港に向かうことになったから、体感では2日早まったようなものだ。

最後にゆっくり楽しむつもりで残しておいたいくつかの場所に、行けないまま終わってしまった。

◇◇◇

昨日、帰る準備の合間を縫ってパートナーと電話していたら、「そっちに行ってみたいなぁ」と言われた。

”夏のフランスで、テラスでディナーなんてよくない?”

彼は、フランスの中ではパリにしか行ったことがない。
パリより小さい代わりにのんびりとしたこの街に、興味が湧いたみたいだ。

そうだねえ、行きたいねえ、わたしも少しは案内できると思うよ。

この街を拠点に、日帰りで近くの街にいくのもいいね。
自然が豊かで、とっても景色がきれいらしいよ。

◇◇◇

行きたいところに行けなかったのは残念だけれど、また来る時の楽しみができたと思えば、それも悪くないな。

実家のある街と、大学のある街に次いで長くいた街。
駅のエスカレーターが壊れっぱなしで大きな階段と化していたり、どうやったのかわからないくらい高いところに落書きがあったり、なぜかスーパーやパン屋のドアに派手なヒビが入ってたり、そんな「?」が多いところも面白くて大好きだったよ。

もちろん、人が優しいところ、古い建物と新しい建物が混在しているところ、花や木がきれいなところも。

さよなら、ありがとう。
また来るね。

最後までお読みいただきありがとうございます。 これからもたくさん書いていきますので、また会えますように。