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日本食品企業は値上げができない!?

食品企業は値上げできていないのか?

昨今円安や人件費増加による企業のコストアップが問題となっております。
食品原料や資材は従来に比べ大幅にコストアップとなっているのが現状です。
そんな状況の中では企業としてコストダウンを図り、企業努力を続けておりました。
しかしながら、それ以上の勢いでコストが上がってしまってきております。
そんな中、企業として利益確保のため売価への転嫁が始まり、現在物価高となっております。
では見出しの値上げはできているのでは?と感じか方も多いでしょう。
実際は大手食品企業(キューピー、森永など)や大手外食産業(COCO壱など)は何度も値上げをしており、過去最大売上、最大利益を更新しています。
しかしその背景にある中小以下の食品メーカー(特に日配と呼ばれるもやし、納豆、こんにゃくなど)や小規模外食店(ラーメンや定食屋)は値上げができていないという事実があるのです。

なぜ値上げしないのか?

では一体なぜ値上げをしないのでしょうか?
理由は各企業や各分野それぞれにあるかと思いますが、大きく共通している部分があります。
それは顧客離れです。
外食ラーメン店の例でいくと、1,000円の壁というものがあります。
一般的に1,000円を超えると著しくお客様が離れるだろうとされているラインです。
上記のような暗黙の了解があり、ラーメン店は原料高・光熱費アップにさらされても値上げに踏み切れないとのことでした。
また、食品メーカーの例で行けば、小売店(スーパー)などの承認が得られない。理由としては顧客が別のスーパーに行ってしまうからとのことでした。
こういった顧客離れが大きな理由で値上げができていないのが現状です。


本当に値上げしてはいけないのか?

ではこれまでの理由の通り顧客が離れてしまい、売れなくなり、経営難に陥るために値上げはできないのでしょうか?
答えはNOです。
理由は、値上げをしても経営難になることは少ないからです。
実際の例を述べると、外食チェーンのCOCO壱番屋は直近で5回もの値上げをしてきました。今では1回の食事で簡単に1,000円は超えます。
そんなCOCO壱番屋は先で述べた通り過去最高売上・最高利益をたたき出しています。
お客様の声としては、値上げはきついがついつい行ってしまう、頻度は減っても行かなくなることはないなどの声が多数あったとのことです。
スーパーなどでもマヨネーズやケチャップなどが値上げしたからと言って買わなくなることはありませんよね?

顧客減のリスク

ただし顧客が減るリスクは大いにあります。
いくらリピーターは残るとしても新規顧客の獲得や既存ユーザーの安価商品への流動は避けられません。
値上げによる売り上げは担保されても実際の出荷数や売上数は減るでしょう。
実際の例では、COCO壱番屋は従来の顧客数に比べ約1減、スーパーなどもPB品での安価商品の登場で出荷数などが落ち込むこともありました。
値上げしすぎれば大幅な顧客減、値上げを抑えすぎれば利益改善にならない。顧客減と値上げのバランスが重要となります。

大事なのは利益

ただし、重要な点があります。
それは最終的に大事なのは利益です。
顧客減のリスクはもちろんありますがコストアップでの利益減少のまま同じ数量を維持しても待っているのは作業ばかり多く、効率の悪い企業実態。そんな企業に新たに入社したい人もいなければ、去る人も出てくるでしょう。
その先にあるのは衰退です。
逆に考えていただきたいのは、顧客が仮に減ったとしても今までの1.5倍の利益(極端な例)を得られたとしたらどうでしょう?
2割の顧客減でも今までよりも利益を得られます。
また、出荷数量や売上数量が減ればおのずと作業量も減ってきます。
いわば少ない作業でより大きい利益を獲得できるということです。
中には暇ができる方が効率が悪いという企業もいるでしょう。
しかし、空いた時間はボケっと過ごすのではなく新たな事業やより新しい価値の創造のために使っていただきたいと感じます。
作業ではなく仕事をしていただきたいのです。
それが会社のため、また個人のキャリアにつながります。

最後に

これまで値上げの話をしてきました。
実際すべての企業が値上げをしてもよいと考えています。
実際値上げをしてつぶれた企業はほぼありません。※値上げしないで倒産した企業はいくつありますが。
ただし、これは一消費者としての意見ですが、商品に価値を感じれば高くても買います。
人が高いと感じるのは自分が感じる商品価値以上の価格の時に高いと感じるのです。
その価値を作ることをしていない企業はいませんか?
ただの量産品で安く安くするために作ったものや、一時しのぎの利益のために安かろう悪かろうの商品にしてませんか?
今までのデフレであれば問題なかったことがこれからは命取りです。
時代が変わったと認識し、商品価値をぜひ高めてください。
そして経営者の方にはぜひ人件費を上げていただくようお願い申し上げます。(うちの企業も上げてほしい。。。)

ここまで読んでくれてありがとう!!1


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