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今こそ。岡本太郎という生き方。

何だか少し疲れた時。
何だか人生に迷う時。
いつも読み返す本があります。

それは、岡本太郎さんの本です。

僕が岡本太郎さんに触れたのは、2000年の大学1年生の時でした。
当時リリースされていた僕の大好きなアーティスト、中村一義さんの傑作アルバム「ERA」のアートワークに岡本太郎さんの太陽の塔が使われていて、
最初「これは何だろう?」と思ったのがきっかけでした。

そして、アルバムのキャッチコピー「ようこそ、爆発空間へ!」の元ネタが
岡本太郎さんの名言「芸術は爆発だ!」ということを知って、いよいよ興味全開になった僕はある日思い立ち、東京から一路新幹線で大阪に向かいました。
それはもちろん、憧れの太陽の塔を見に行くためでした。

万博記念公園の中に歴史的な遺跡のように、そして真新しい思い出のように
ひっそりと、でもどこか神々しく鎮座していた太陽の塔はとにかく荘厳でした。
僕は夢中になって色んな角度から写真を撮りまくり、時間はあっという間に過ぎていきました。
日帰りの強行スケジュールの旅でしたが、後にも先にもあれ以上に全身の血がたぎるような体験はしたことがありません。

それ以来、僕は岡本太郎さんに夢中になりました。
大学の近くにあった図書館から、岡本太郎全集を全巻借りてきて読み漁ったり、川崎にある岡本太郎美術館にも足を運びました。
太郎さんの残したメッセージの数々は、どれもシンプルで人間の本質を鋭く突いており、ハッとさせられると同時に瞬時に僕の心に刻み付けられていきました。
岡本太郎美術館にあった「座ることを拒否する椅子」の持つインパクトは、それまでアートというものを全く知らなかった僕にとっての最初の芸術体験と言っても過言ではありません。

太郎さんこそ、本物の芸術家です。
人間というこの不可思議な存在について、これほどまでに純粋にアートを通じて表現し続けた芸術家を僕は他に知りません。
万人に伝わる言葉で書き綴ったメッセージの数々は、時代を超えて届きます。
むしろ混迷を深める今という時代にこそ、太郎さんの言葉は深く息づいているように感じます。

太郎さんの言葉の中ですごく好きな言葉、それは「無目的に生きる」というメッセージです。
前にnoteで「目的を見つけよう」みたいな記事を書いたことがありますが、太郎さんの言う無目的に生きるとは、そういった世俗的な価値観を遥かに超えた所にあるような気がします。
目的に沿って生きるなんて面白いかい、と太郎さんが微笑みながら僕らに問いかけているような気がするのです。
ある意味誰よりも純粋に生きるということを追求した太郎さんだからこそ、無目的ということの素晴らしさ、人間全体で生きるということの本当の意味を僕らに今も教え続けてくれているとそう思います。

生きづらさを感じている人が多く存在する現代に、岡本太郎という生き方はある種劇薬のように強烈かもしれません。
しかし、どんな薬も実際に飲んでみるまではその効果を確かめることができないように、太郎さんのようにピュアな人生を望むからこそ見えてくる景色があるとそう信じています。

今こそ。岡本太郎という生き方を。
そして。自分自身の生き様を探す時。
それが。それこそがきっと、生きる意味。




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