西久保毅人/NishikuboTaketo/ニコ設計室

建築家/ニコ設計室/佐賀県出身/工学院大学非常勤講師/著書「家づくりのつぼノート」ht…

西久保毅人/NishikuboTaketo/ニコ設計室

建築家/ニコ設計室/佐賀県出身/工学院大学非常勤講師/著書「家づくりのつぼノート」https://amzn.to/2XOKQnj ニコ設計室http://www.niko-arch.com/

最近の記事

つぼノートを作ろう!その7<大航海の羅針盤として>

そこでこの大公開の羅針盤として活躍するのがつぼノートです。 1年以上にもおよぶこの大航海。この時間の長さもやっかいです。人間は忘れていく生き物ですから。そしてあまりにも処理する情報や決断すべき事が多すぎていつのまにか「処理する事や決断する事」が目的化してしまって「何のために?誰のために?」が置き去りにされてしまうのです。 「なんだか私たちらしくない家になっちゃった、、、。」 「最初にイメージしたのは違ったんですけどね、、、、。」 という言葉を家づくりでよく聞くのは、実は

    • つぼノートを作ろう!その6<気がつくと、情報の大海原>

      さて、つぼノートについて、いろいろ書いてきたんですが、最後になぜ僕たちがこの最初のステップを一番大切にしているかをお伝えしたいと思います。 <家づくりは地味〜な航海なのです!> 家づくりは、誰しも最初は新居に対する夢や妄想から始まります。僕たち建築家だって実は「仕事がきたー、やったーっ!!!どんなご家族かな??どんな場所だろ?」ってう妄想から始まるん ですよ。そして最初はふわっとした妄想スケッチや、簡単な図面からスタートします。でも実はこの段階は案外短くて(とても大事ですが

      • つぼノートを作ろう!その5<つぼノートはアナログで>

        <つぼノートはアナログで> 唯一、僕からのお願いとしては、ピンタレストとかインスタとか便利なツールがたくさんありますが、このつぼノートだけはアナログな切り貼りスタイルで、という事です。理由は素材の貼り方、並べ方、重なり具合、ノートの種類や大きさ、手書きのコメントやイラスト、、、、など、スクラップしていただいた過程も不思議とご家族らしさが滲み出るものだからです。それも含めてのつぼノート。ペーパレス時代にこんな時代錯誤な夏休みの宿題のようですが、でもよく考えたらこれから作る家だ

        • つぼノートを作ろう!その4<物語はもうそこにあるんです。>

          <物語はもうそこにあるんです。> そんなご家族ごとの我が家っ「ぽさ」とか「らしさ」って、とても一言二言で伝えられるような事ではありませんし、そこには必ず矛盾があるものです。そんな矛盾したまんまの家族が、どうしたことか一つ屋根の下に暮らす事になってしまっている。それだけがこれから始まる家づくりの物語の序章でもあり、根っこの部分なのです。 そういう意味では、家づくりって、全く新しいオリジナルの物語を創る事ではなくて、もうすでにあるご家族ごとの物語、そして住む街の物語の中に、一

        つぼノートを作ろう!その7<大航海の羅針盤として>

          つぼノートを作ろう!その3<矛盾の中に滲み出てくるもの>

          <矛盾の中に滲み出てくるもの> つぼノートはそれぞれのご家族の「つぼ」を1冊のスクラップブックに詰め込んでもらい、言葉だけでなく写真や絵や色で教えてもらうためのものです。だからもちろん好きな「つぼ」だけではなく嫌いな「つぼ」も案外大切! 「これはさすがに家づくりに無関係なんじゃないか、、」と思うようなことでも何が家づくりに繋がっていくのかわかりませんから、とにかく、できるだけぜーんぶ、教えてもらいます。「つぼ」でありさえすれば、本当になんでもいいのです。「これは夫のつぼで

          つぼノートを作ろう!その3<矛盾の中に滲み出てくるもの>

          つぼノートを作ろう!その2<つぼノートで大切なこと>

          次は、つぼノート作りのポイントです。 <つぼノートで大切なこと> ○内容は好きな建築や空間、家のイメージに限らないでオッケー。 (むしろ限らない方がGood!) ○好きな音楽、好きなファッション、好きな食べ物、よく行く居酒屋 ○昔行った旅の写真、最近はまっているもの、 ○続けている趣味、やめちゃったけど復活したい趣味、 ○生活リズム、愛読書、好きだった絵本、漫画、実家のこと、 ○好きな映画の1シーン、これからチャレンジしたいこと、、、 などなどなんでもあり。なんでもあ

          つぼノートを作ろう!その2<つぼノートで大切なこと>

          つぼノートを作ろう!その1<ザ・我が家感を伝えるには?>

          ニコ設計室では、家づくりの最初に必ずお願いしている事があります。それがこの「つぼノート」作りです。これから家づくりをされようとしている方のために、「つぼノートについて」数回に分けて書きたいと思います。ちなみに、別に僕たちに設計を頼むつもりがなくっても絶対役にたつと思いますので参考にしてくださいね。さらには似たような職業の方々にも、少しでも参考になったら嬉しいです! <ザ・我が家感を伝えるには?> 家づくりのヒアリングって案外難しいものです。 一般的に「土地の大きさは?」から

          つぼノートを作ろう!その1<ザ・我が家感を伝えるには?>