ニシザワP

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    小さなものがたりを綴っています。

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父からの教え

年齢が50代に入っての変化はいろいろなものがあるけれど、特に顕著なのは魚をよく食べるようになったことだ。 それまでは港町で育ったとは思えないほど、切り身専門(魚を買うとしたら切り身をたまーに)だったのに、イワシを丸ごと食べたくなったり貝を買うことも増えた。 その日はめずらしく地元で「ニシ」と言う貝が売ってあった。 とてもおいしい貝なんだけど、その日のニシはちょっと小さかった。 小さいので爪楊枝で身を出そうとしても途中で切れてしまう。残念。 「今日のニシは小さいなぁ」「海

    • 道はまちがえても方向はまちがえない

      昨日は女性3人で親交をあたためてきました。 年齢も暮らしもバラバラだけど、お話ができる間柄で、昨日のテーマをつけるとすると「自分の幸せとは」みたいな感じだったかもしれません。 私だと高校生の年齢に3倍が届きそうですが、女子高生のあの頃のノリ、50代バージョンでしょうか。 その終盤くらいに「カチャッ」と音がして、自分の幸せに照準を定めた感覚になりました。本当に! 今日はこのあたりのことを書こうと思います。 照準を定めてわかったのですが、そう言えばもうずいぶんと自分の幸せに

      • 美星七福神めぐり

        昨夜夢をみたのがちょっと面白かった。少し怖いけど・・・。 夢の中でお風呂に入っていました。 お風呂の出窓に大きな白いうさぎが寝そべっていて、私はお昼の明るい光の中、少しだけ窓を開けて湯舟につかっていた。 ふと気配を感じて窓を見るとそこに知らない男の人が立っていた。 とっさにお湯をかけようとするも、窓を開けたら「うさぎがお風呂から出てしまう」と逡巡していたらそこに突然吉田さんが現れた。 吉田さん「ここしとくから、新しい祝詞となえて!」 私「新しい祝詞??」  (新しい祝詞っ

        • テーブルで冬支度

          先日まで暑さにあえいでいたように思うのですが、もうすっかり冬です。 とても寒い美星町です。 我が家のある場所は標高が450mくらいのところで、町内の方に地区名を言うと「あ、寒いでしょ?」と言われるような場所です。 同じ美星町でも寒さは均一ではないみたいで、感じる寒さも拍車をかける季節となっています。 と言うわけで先日ダイニングテーブルを替えました。 夏場は85㎝角の正方形のテーブルを使い、秋冬は長方形に替わります。 以前に書いた小さなお店は家具店だったので、家具も好きだし、

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          小さな世界のつくりかた

          2012年に美星町に引っ越してきました。 11月6日のことでした。 いろいろなことが重なって、いろいろなタイミングがあってまさにターニングポイントだったと思うのですが、バカだなぁと思うのが当時私が考えていたことは「や、やった!あのターシャより10年以上も早くスタートできる!!」と言うことでした。 何を言ってるの?と思われる方のためにターシャの映画の予告だった動画をどうぞ ターシャをずっと昔から知っていたわけではないのですが、バーモントに移って(ターシャ56歳)暮らしや生

          小さな世界のつくりかた

          書道教室と秋空

          ちょうど今ぐらいの季節だったかなと思うのですが、 小学3年生の年、大阪に転校した頃の話です。 大阪に行って、学校に制服がないことや男子が長髪(昭和的言い方)だったり女子は見たこともないおしゃれな髪形(お団子スタイル))だったりして岡山の田んぼの世界から別世界に来た感じでした。 下校したらこどもだけでセルフうどんに行ったり、近所の私立高校に出入りしてお姉さん達と遊んだりしてすっかり大阪ライフを楽しんでいました。 キラキラして賑やかで活気に満ちた日常だったのですが、 急に。 書

          書道教室と秋空

          ギョウザからの直感と縁

          久しぶりにギョウザを作りました。 何年ぶりだろう?たぶん3.4年ぶりかと思う。 ギョウザを作るといつも思い出すことがある。 もうかれこれ19年の縁の吉田さんと出会って間もないときのこと 突然に「ギョウザはキャベツ派?それとも白菜派?その理由は?」と聞いてきた。(仕事中 このままの言い方で) あの、ギョウザの具がキャベツか白菜なんて、気になります? で、それを他人に聞こうとします? かなり面喰いながらも、答えようと口を開きかけた時 「この縁、もしかして思ってるより長いかも

          ギョウザからの直感と縁

          つばめが行った日

          寝坊をして慌てて窓を見たらつばめ3羽が電線にとまってこちらを見ていました。 「あぁ・・。今日、行くの?気を付けてね、いってらっしゃい」 自分でもびっくりするくらい最後の方は涙声になっていた。 そうだ、つばめが行く日はこういう日だ。 すっかり暮らしにつばめがとけ込んで、庭で目の前をヒュゥン!と横切っても何の疑いも持たいない頃。 天気もそこそこよくて、何の特別感もない、普通の日に飛び立っていく。 まさに、今日のような日に。 私がやっと起きた気配を察知した犬たちが朝ごはんを催促

          つばめが行った日