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【無料記事】応力集中

ミオ様の素敵なイラストを使わせて頂きます。ありがとうございます。

法隆寺は地震にも耐えうる設計がなされています。

これは、構造的に力を上手く逃がせるようにしているものです。

例えば、建築物をガチガチに固めて作ると丈夫そうで堅固には見えますが、一旦、ヒビが入ってしまうと、バキッツと壊れます。

これは弱いところが生じると、そこに力が集中するという、応力集中という現象によってヒビがアッツと言う間に拡がってしまい、破壊に至る、ということです。

この応力集中を利用しているのが、菓子袋の端などに見られるギザギザです。

切り込まれたところから破断できるように、上手く引き裂けます。古代の五重塔なども屋根とセンタの心柱の構造的な繋がりはカチカチでは無いようで遊びはあります。

機械の設計でも非常重要なのが、この、《遊び》の存在です。

機械の要素が互いに密着して擦りあい、鍔迫り合いを起こすと、騒音を発生しながら削り屑を出してしまいます。

この時、音も出てきます。

まさに、奇怪(きっかい)な音、ノイズです。

余分な力を逃してかかる力を弱いものに集中させない…、これが災いから身を護る重要な概念です。

このように、構造的に実に上手く設計された寺院が多いのですが、弱点は、雷(かみなり)ナンですね。

これにより、炎上して燃え尽きた寺院の建物も非常に多いのです。

雷神には勝てないンですね…現代は、避雷針ですが。

—『古代人も笑う 超先端技術の謎: 古代人の知恵vs現代の技術 工学博士が綴る知的散歩コラム』津田慎一著

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