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僕が挑戦する理由とお金と社会と

一生懸命勉強したり、良い大学に入ろうと頑張ったり、良い会社に就職することを夢見たり、身を粉にして一生懸命働いたり。。

なんのため?

それは豊かになるため。もっと言うと、幸せな人生を送るために。

そのおかげで経済成長を遂げてきた。物質的にも豊かで、とても便利な社会になった。

にも関わらず、年間自殺者は80万人という数字を叩き出している。(WHO調べ)
にも関わらず、年々孤独な人やうつ病の人が増えている。2015年には全世界人口の約4%にあたる推計3億2200万人がうつ病。05年から約18%も増加している。。

豊かになるために、人類が幸せになるためにここまで来たハズだよね、じゃあなんで?


日本について言えば、これから更に超高齢化社会に突入する。2050年には平均年齢53才。
100才の親を80才の子供が世話するなんて日もそんなに遠くないかもしれない。。
にも関わらず、日本は世界一高齢者が不幸な国と言ってる研究データがある。悲しい。
多くの国では人の幸福度は50代を底に、そこから上がっていく傾向にある。それに対して、日本は年齢を重ねるとともに減少し続けるというデータなんだって。長生きを喜べない国は悲しいよね。

海外を見てみると、ブレグジットのインパクトが大きくて、日本では殆どの報道されてなかったけどイギリスのメイ首相。2018年に初めて孤独担当大臣たるものを設置したんだよね。孤独が一番の社会問題だと。

またアメリカはと言うと、オバマ大統領時代に、日本で言うところの厚生労働大臣?にあたる、公衆衛生局長官の発表が衝撃的。”孤独こそが多くの健康、社会問題の根底にある”と発表。
要は、社会的繋がりを持つ人は、持たない人に比べて早期死亡リスクが50%低下すると言う発表で、社会的繋がりの低下は、うつ病、心臓病、がん、精神疾患は病気のリスクを高めるということらしい。

つまり、これは日本だけの問題じゃなくて世界的にも大きな社会問題になっている。

そういったことも関係して、最近では人や地域社会との繋がりを示すソーシャルキャピタル、すなわち社会的資本というものが注目されている。国の豊かさを評価している機関も、このソーシャルキャピタルを評価指標の1つとして採択したみたい。

実は、残念ながら日本はその中で全世界の先進国のなかで最下位という評価をもらっている。(レガタム研究所2017年調べ)もちろん都市部と田舎じゃ大分差がありそうだけどね。どう測ったのか知らないけど。

また、日本は先進国の中でも同じ会社で長く働く国民でもある。そうすると、会社に対してとても忠誠心が強いのかと思われるけど、実際には、会社・仕事にエンゲージメントを持っているのはたったの7%と言う結果もあるんだって。これも、先進国の中で最下位だそう。(2012年ギャラップ社調べ)
人生で多くの時間を費やしている場所にエンゲージメントがないという状態。。

本当はみんな薄々気づいている。あれ??これで良いのかな?って。


都市化と分業化で効率的な生産活動をしてきて、金融資本主義でカネでカネを生み出す仕組みもどんどん発達してきた。あらゆるものがお金に換金されて、あらゆるもの、安心や安全や出会いといったものまでお金で変えるようになった。今では実体経済(モノやサービスを生産し販売する経済)よりも金融経済(お金がお金を生む金融商品)の方が大きなお金が回るようになった。
経済成長が先進国で鈍化すると、今度は途上国にお金を生む新たな場所へと移動しなくちゃならない。
次は東南アジアかインドかアフリカか。
成長し続けてなければならないというレールを走っているから。


前職時代によくインドのスラム街にも行った。彼らは総じて経済的には貧しい生活をしている。じゃあ精神的にも貧しいかといったらそんなことはない。と僕の目には映った。
隣り合う小さいボロボロの家。そこには孤独になりたくても、そんなパーソナルスペースはない。。良くも悪くもね。一つの狭い部屋に数人で寝てたりするから。そしてその家家に囲まれるように存在する公園。そこで大勢の子供が遊び、それを近所の大人たちがみんなで見守る。みんなが融通しあい、顔見知りで至る所で色んなコミュニケーションがある。

写真:何度か訪れたムンバイの集合洗濯場

スラムの人たちとも色んな話をさせてもらった。”自殺?なんじゃそりゃ?なんで自分で自分のこと殺さなきゃならないんだ?そんなことこの街じゃ聞いたことないわ”、という反応。
(正確にはインドでは年間25万人程自殺者がいるので、たまたまそこがいなかったのかもしれないが。。)


経済成長した国が幸せなのか、成長の過程で失ったものもあるのではないか、彼らから学ぶことの方が多そうだとすら思った。経済成長の仕組みをそのまま移植すれば良いというもんではない。もちろん、彼らにも課題は山程あって、教育のアクセス、医療のアクセス、食料のアクセス、衛生面、改善しなきゃいけないこと多い。ただ、先進国=幸せ、途上国=不幸せとはならない。ということは強く感じた。

資本主義はベターであってもベストではない。だがら様々なほころびも出てきている。その結果として上記で挙げたような問題も生じているんだと思う。


ここまで言っておきながら、ポジション変えるわけじゃないけれど、
僕は資本主義を否定する気はない
僕も僕の家族もこの仕組みの上で生活していて、お金はとても便利なツールでだし必要なものと認識してる。
社会主義に変えよう〜、自給自足するぞ〜、なんてのはナンセンス。

ただ、資本主義が持つ弱点や限界、顕在化している大きな問題に目を背けてはダメだと思っている。
全てのものをお金に変えるには限界があるし、お金に変える必要のないもの、もしかしたらお金に変えてしまってはダメなものもあると思っている。

良い例ではないかもしれないが、世界では献血を有償にすると、無償よりも献血が集まりにくくなるそうだ。
お金が欲しくて献血している人よりも、善意の気持ちで誰かの役に立つのであれば、という気持ちで献血する人の方が多いのだ。
それをお金で支払われてしまうと、善意の気持ちが失われてしまう

人の行動はお金では動かない時やシーンが本当は多くあるんだよね。

これからの時代。きっとAIやロボットや様々なテクノロジーがますます色んな仕事や業務をやってくれる。この5年10年で働き方や働く内容そのものが大きく変わっていく。多くの企業はそのテクノロジーを自分が開発するのだと世界的に熾烈な競争をしている。
僕が興味があるのは、それよりもその時の人のライフスタイル。
きっと今まで以上に多くの時間を手にすることができるようになる。これはある意味チャンスだ。

**Technology is for job, Life is for people. **

テクノロジーによって生み出される余剰時間を人は手にして、人は自分の好きなことに打ち込んだり、大切な人と時間を過ごしたり、地域社会に貢献したり、そういう活動をしやすくなる。そしてこういう活動はお金に変える必要はないかもしれない。


科学的にも証明されていることがある。人は人に優しくすると幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌される。みんなも感じたことあるんじゃないかな。人に優しくして、ありがとうと言われて、一日良い気分でいたことを。困ってる人を助けてあげて、良い気分でいたことを。あるいは人に優しくされて、自分の小ささを感じたことを。これがすなわちオキシトシンの効果。
興奮したらアドレナリンが出るように、人はホルモンレベルで感情を左右する仕組みになってるんだ。

ストレスが多い社会で生きてる僕らは、少しでも安らぎの場所を求める。本屋に行けば、瞑想の本や、幸せになるにはといったHow to本が沢山の並んでいる。精神的に安定したい、精神的に豊かになりたい、そのためにあれこれする。
だけど答えはシンプル。人に優しくするということ
その単純なことが重要だと科学的に解明されている。


アメリカのハーバード大学では世界で最も長きにわたり(75年ほど)、大勢の人の人生を研究し追い続けている。
普通は予算がなくなったりと続かなくなるところ、そこはさすがハーバード、潤沢な研究資金をお持ちなんでしょうね。現在4代目のロバートバルディンガー氏が代表として、今尚研究は続いてる。
研究対象となっている方々には、亡くなった方もいれば、社会的に高い地位になった方、もしかしたら刑務所にいる方、いろんな方がその中にいる。
そんな研究続けている彼が人の幸せの要因を一言で言い表した。

それは、人や地域と繋がっていること

えっ?それだけ?そんなに長〜い間研究して?そんなん2時間で分かりそう。と思った人もいるかもしれない。だけど、結局は、とてもシンプルなことなんだね、と思った。

そうすることで、免疫力が高まり、病気にもかかりにくくなり、精神的にも豊かに感じるのだとか。
きっと他人との関わりをしない人は、人の批評をしたり、何かをしない理由できない理由を並べ、外に出なくなるんだろう。コミュニティと繋がっている人ほど幸せ、繋がりの少ない人より長生きするということ。

関心ある方はTEDトークこちらから見れます。(日本語字幕付)
TED「人生を幸せにするのはなに?最も長期にわたる幸福の研究から」


つい先日、世界経済フォーラムが、同じような内容の記事を発表した。

自分にお金を使うよりも人にお金を使う方が、自分の価値を感じたり、社会的な繋がりを感じるのだとか。すなわち、自分の欲のためではなく、他人を思いやり行動することが、人生の目的や意味を感じることができると。

Image: Nadav Klein「How to find meaning」(世界経済フォーラムより抜粋)
https://www.weforum.org/agenda/2019/02/having-a-sense-of-meaning-in-life-is-good-for-you-so-how-do-you-get-one

ハーバード大学も世界経済フォーラムもWHOも様々な世界のインテリトップ機関がこういった発表している。

ではなぜ人はそのように人生を使えないのか?


このエンドレスの勝ち負けを続け、これ意味あんの?と思ったことある人。
いかに出世できるか、くだらない社内政治ばかりに時間を費やしている人。
好きで始めたのに、お金儲けばかりに執着して、手段が目的化してる人。
なにも考えずにとりあず枠の中にいて、ただ時間が過ぎるのを待ってる人。
いつも敵味方を作って、忙しそうにしてる人。自由な振りした不自由な人。
人の挑戦をあーでもないこーでもないと批評して、そうすることでしか自分の存在意義を見出せない人。


社会に疑問を感じたら、それを嘆くんじゃなくて、誰かのせいにするんじゃなくて、
社会に疑問を感じたら、その中でうまくやれる既定路線に乗って自分だけ勝てるようにするんじゃなくて、
社会に疑問を感じたら、在るべき姿、創りたい世界、それに向かって自分が行動する。
それを人は正気の沙汰じゃないと言うかもしれない。そんな時代は来ないと言うかもしれない。
ただ、僕は胸を張って、”毎日ワクワクする自分の人生をいきてると”と言える。

最後に、世界で最も企業価値が高い米Apple社(2018年末時点の創業者スティーブ・ジョブズの最後の言葉。(一部抜粋)I reached the pinnacle of success in the business world.In others’ eyes, my life is an epitome of success.However, aside from work, I have little joy.In the end, wealth is only a fact of life that I am accustomed to.I can feel the breath of God and of death drawing close.Now I know, when we have accumulated sufficient wealth to last our lifetime, we should pursue other matters that are unrelated to wealth.Should be something that is more important:Perhaps relationships, perhaps art, perhaps a dream from younger days .Non-stop pursuing of wealth will only turn a person into a twisted being, just like me.The wealth I have won in my life I cannot bring with me.What I can bring is only the memories precipitated by love.Love can travel a thousand miles. Life has no limit. Go where you want to go.  Whichever stage in life we are at right now, with time, we will face the day when the curtain comes down.Treasure Love for your family, love for your spouse, love for your friends.Treat yourself well. Cherish others.
(意訳)私は、ビジネスの世界で頂点に君臨した。他の人の目には、私の人生は、典型的な成功者としてうつるだろう。しかしながら、仕事以外においては、喜びが少ない人生であった。人生の終わりにおいて、富は、私が積み上げてきた単なる事実でしかない。神の息を感じる。死がだんだんと近づいている。    今やっと理解したことがある。十分な富を築いた後は、富と関係のない他のことを追い求めるべきだ。もっと大切な何か他のこと。   それは、人間関係や、芸術や、または若い頃から持っていた夢かもしれない。終わることのない富への追求は、人生を歪めてしまう。私が勝ち得た富は、死ぬ時に一緒に持っていけるものではない。私が持っていける物は、愛情にあふれた思い出だけだ。愛はどこまでも連れていくことができる。あなたはどこでもいける。あなたの人生がどのようなステージにあったとしても、いつかは人生の幕を閉じる日がやってくる。あなたの家族のために愛情を注いでください。あなたのパートーナーのために、あなたの友人のために。自分を丁寧に扱ってあげてください。そして他の人を大切にしてください。

あなたは自分の人生をどう生きますか。

僕は、自分が好きなことや得意なことを、それを必要としている人にGiveし、それをもらった人がまた違う誰かにGiveを渡していく。お金を使わない新しい価値提供の仕組み。ありがとうで繋がるPay it Forwardの世界を創っていきます。

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