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研究に参加する

 最近、身の周りで起きる良いことも悪いことも全て自分の糧になると思えるようになった。
自分がどうなりたい、どんなときに幸せだと思えるのか。決めてしまえば、その場所にいけるよう自動的に道ができる。途中、辛く苦しいことがあったときは流れに逆らわない。
まだ、ここからエベレストは見えないし、富士山も見えない。


 10月になってから、ある人に声をかけていただき、研究に参加することになった。
研究の内容について詳しくは書けないが、私にできることがあるならと返事をした。

 研究室に入ると、数人の学生がパソコンに向かっていた。画面を見るとなにやら難しそうなデータと思われるものが表示がされている。その場を抜けて先生の待つテーブルに向かう。

 先生から一通り説明を受けた後、連絡のやり取りをどうしようかという話になった。
学生同士は既にラインを交換したとのこと。私もラインの交換をすべく
学生達とQRコードの読み込みをしていた。
すると、先生が「僕、ラインやってないんだよね」と私達のスマホ画面を覗き込みながら言った。
 いまどき、ラインやってない人がいるんだ。まぁ、理系の先生なら仕方ないかと心の中でクスッと笑い、先生に微笑み返した。
 先生との連絡は大学のメールアドレスがあるので、そっちを使えば問題ない。とにかく、なんでもいいから連絡できればそれでいい。

 日本には、優秀な若者がたくさんいる。そして、その子達を育てる先生は、学問と研究のことばかり。
そう思うと、ラインしてることが偉いのか?という気持ちが沸いてきて、
さっき少しだけ先生のことを鼻で笑った自分を恥じた。私は彼らの爪の垢を煎じて飲んだ方がいい。

 研究参加は今月の中旬から。ありがたいことに謝金をいただける。
時給、xxxx円。

「きっと、世の中の役に立つ」
最後にそう言った先生が眩しかった。


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