見出し画像

112か国中78位 日本人が英語を苦手な理由

日本の英語力は世界で何番目?



日本の英語力は、世界で何番目だと思いますか?

EF EPI英語能力指数2021年版という世界的なランキングによると、調査に参加した112の国及び地域の中で、78位という順位なのです。

日本人はノーベル賞受賞者も多く、優秀なイメージが強いですが、こと英語に関しては他国に対して大きく後れを取っています。


このような結果から、学校での英語教育の改革が叫ばれ、2020年度から、実際に英語の教育改革が始まっています。

小学3年生から英語を使った活動をするようになる、

中学校の英語の授業がオールイングリッシュになる、

高校の英語の授業で英語のディスカッションやプレゼンをするようになる。

様々な改革が行われ、注目を集めていますが、今回は少し視点を変えて、日本人はなぜ英語が苦手なのか、教育以外の理由を見てみたいと思います。

前回の記事で、日本語は同じ語族に属する言語がない、つまり似ている言語が存在しない特徴的な言語だという話をしました。(前回の記事はこちら

実は、日本語のこうした特異性が、英語の習得に苦戦する理由になっている可能性があるのです。

母語との類似度に応じて学習難易度が変わる

母語の獲得と第二言語の習得は、そのプロセスが異なると考えられています。

母語を覚える際は、人間にとって言語の獲得に最も適した臨界期といわれる時期に、頭の中のスイッチを母語に合わせてスイッチングするようなイメージで行われ、短い時間と限られたインプットの中で非常にスムーズに進行します。

一方、第二言語の獲得は一般的に母語を土台にして行われ推論や類推をしながらその言語の文法を文字通り覚えていきます。

したがって、母語と学習する言語が似ているほど習得しやすく、違いが大きいほど習得が難しくなるのです。


それでは、日本語と英語はどれくらい異なっているのでしょうか。

そうなんです。結構違うんです。

日本語と英語は文法も語彙も全然違うため、日本語母語話者にとって英語の習得は「難しい」~「大変難しい」に分類されます。

一方、文法が似ている韓国語などは習得が「易しい」に分類されます。

韓国語の初級レベルに達するには約250時間の学習が必要なのに対し、英語の初級レベルに達するにはその倍の500時間が必要だと言われます。


このように、英語に近い言語を母語にしている人に比べ、日本人はたくさんの勉強が必要になります。

これが日本の英語力が低い要因の一つになっていると言えるでしょう。

とはいえ、日本語に比較的近いとされる韓国は37位ですから、教育の方法に改善の余地があることも間違いないでしょう。

小さい子どもは異なる言語も覚えるのが上手

さて、母語を土台にしての第二言語獲得は困難が多いと書きましたが、小さな子どもの言語習得は話が別です。

小さい頃から、英語を英語と理解する学習、いわゆる「英語脳」を鍛えることで、母語の習得に近い形で英語を覚えることができると言われます。

これが英語の早期教育が叫ばれている理由の一つです。


とはいえその適切な方法にはいろいろな考え方があり、正しく身に付けるには様々な工夫が必要ですが、英語を覚えるのが苦手な日本人だからこそ、時間と手間をかけて英語を学習する選択を考慮に入れておくべきだと思います。


埼玉県で英語教室をお探しの方はこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?