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【第7回】ローカルルールだらけの医療法人制度「基本的な手続きなのに差がありすぎる47都道府県の決算届・役員変更届」

医療法人制度の根拠法は医療法であり日本国の制度です
また、各都道府県は医療法人に関する審査基準を医療法関連法規(厚生労働省の通知を含む、以下同じ)としています。
たとえば東京都(医療政策部)は医療法人関係の審査基準は「国基準等を準用」としています。
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shinsei/karute/isei.html

このように医療法人制度はどの都道府県も医療法関連法規を準用しているので、本来はどの都道府県でも同じような手続きになるはずですが、実際にはローカルルールだらけです。

医療法人設立認可申請もローカルルールだらけですが、医療法人設立後に定期的に必ず行う必要がある決算届と役員変更届という基本的な手続きでさえ、ローカルルールだらけなのをご存じでしょうか?
意外と自院がある都道府県のルールが全国統一のルールだと勘違いしている方は多いと思います。

ところで都道府県は各都道府県ごとで定めている行政手続条例を遵守して行政手続きをしなければなりません。
医療法人に対して法令遵守を指導する前に、まず自らが行政手続条例を遵守する必要がありますが、残念ながら多くの都道府県が行政手続条例に反した行政手続きをしているのが実情です。

そこで今回は最初に行政手続条例について解説し、その後、医療法関連法規から正しいと思われる手続きの在り方を解説したうえで、決算届、経営情報等の報告、及び役員変更届に関する独特すぎるローカルルールを紹介いたします。

また、47都道府県の決算届、経営情報等の報告、及び役員変更届の手続き一覧をまとめたエクセル(note第7回資料.xlsx)を作成したので参考にしてください。
なお、政令指定都市に主たる事務所を置く医療法人は都道府県ではなく政令指定都市に届出をしますが、今回は政令指定都市は一覧から除外しております。

次に、決算届(事業報告書等届出書としている都道府県もあります)は社会医療法人や医療法第51条第2項に該当する医療法人以外の一般的な医療法人を対象としておりますし、役員変更届は理事長以外の一般的な理事の変更を前提としております。
したがって役員変更届の添付書類に医師免許証等は含まれておりません。
さらに都道府県によっては役員変更届の添付書類に役員名簿が含まれていることがありますが、エクセル(note第7回資料.xlsx)の役員変更届の一覧には役員名簿は含まれていません。
最後に各都道府県の手続きは令和6年6月に各都道府県のウェブサイトで確認できる範囲内でまとめており、都道府県に対して個別の問い合わせは行っておりません。
したがって、実際の添付書類と異なる場合があることをあらかじめご承知おきください。

※本記事は47都道府県の手続きを確認するのにかなりの時間を費やしたことと、記事自体のボリュームを考慮して2,000円とさせて頂いております。


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