理系大学院生のブラックな毎日
研究室生活というものは、一般的なブラック企業とはまた異質なブラック環境であると私は感じています。もちろん研究室によって様々ではありますが、平均的にどうなのか?ということを話していきます。
1.拘束時間
化学系研究室に所属するとコアタイムと呼ばれる、この時間には必ず研究室に居てくださいっていう時間があります。研究室によってマチマチではありますが、私の大学の化学系研究室は平均的に9:00~17:00です。
しかし、騙されてはいけません。
そう、17時に帰宅する人などほぼ居ません。
平均的な大学を出る時間は21~22時です。
帰りたくても帰ることが出来ないくらいやることがあるのと、全員残ってるから見えない圧力で帰ることができません。
シンプルに拘束時間が長すぎますね。大型の祝日とかがない限り、毎月300時間くらい働いていると思われます。私の先輩の話では、一番働いた月は400時間近く行ったそうです。
コアタイム以外の仕事を残業とすると、100時間くらい行くので、過労で自殺してしまったら労災認定されるレベルですね。
2.土曜日出勤
これも研究室によりけりですが、うちの大学の化学系の研究室の7割程度が土曜日出勤を要求してきます。(土曜日にもコアタイムを設定しているということです。)
土曜日のコアタイムは平日より短く設定してくれている所も多いですが毎週休みが日曜日だけというのはなかなかだと思います。
ちなみに実験や学会の都合上日曜日や祝日に大学へ来ないといけなくなることもかなり多いです。
この場合振り替えで違う日に休ませてもらえる、というケースはかなり少ないです(ほぼ0)。
3.無給労働
学生なんだから当然のこと(むしろこちらが金払って大学に行かせてもらってる)なんですが、無給ってのは想像以上に精神的にキツイ。
こんだけ大学に時間を割いて無給だとツラい理由が他にもありまして、
これだけ時間を割いてるとバイトが出来ないので本当にプライベートでの金銭面も親に頼らないと厳しい状態になります。
4.先生(教授たち)
先生の人柄や社会性は、これこそ人それぞれで、ひとまとめにするのは難しいです。
が、平均的な目線でいうと、
社会性、協調性のない人が多いです。
確かに頭はキレるし学問に関してはとても勉強させて頂くことが多いです。
しかし教授たちの多くが(少なくとも私の大学では)企業に入って仕事をしたことがなく、ずっとアカデミックに残ってる人が多いため、社会性に欠ける部分があります。もちろん全員がそうだとは言ってませんが。
特に外の世界を知らないからこそ、研究こそ一番!!だと思っています。ですので、生徒が文系就職や公務員になりたがると、不快な態度を取られることもあります。
あと、研究室というのは、その教授の小さな国みたいになっているため、かなりのワガママや横柄を突き通してくることは覚悟しなくてはいけません。(まぁそれはどこの会社でも大なり小なりあることかもしれませんね。)
5.化学という分野そのもの
数学、物理、化学、生物系など様々な種類がありますが、この中で化学と生物系は基本的にブラックが多いイメージです。
というのも、物理や数学系の研究室は実験を毎日するなんてことはないからです。大がかりな規模の実験をやるときは大変かもしれませんが、基本的に毎日やるようなことは少ないです。また、情報系なら大学に行かなくても作業できることも多いので、滅多に大学に行かないという人も少なくないです。
ですので、物理や数学系の研究室では、そもそもコアタイムなんてほとんどありません。
皆さんは研究室生活なんてしたことない人が多数だと思いますが、どうでしたか?企業の方がもっと厳しいのかもしれませんが、私的に3の項目にある「無給」ってのがかなり特殊なブラックを演出している気がします。
ちなみに海外の理系大学院では基本的に生徒に対して給料が支払われます。それは生徒たちのデータがそのまま教授の業績として使えるわけですから当然っちゃ当然かもしれませんね。
ただ、給料を出す分、大学院に入学するのが難しい所が多いみたいです。
日本では、大学入試は難しいのに大学院入試は比較的簡単です。あの東大や京大でも同様です。
このシステムだと学歴ロンダリングや意識の低い人が多く合格してしまいます。ですので、大学院生の意識は海外に比べると断然低いのが実態です。そこに無給やブラックな拘束時間が重なると、大学院に進学する意味ってネームバリューくらいじゃね?ってたまに疑問になりますね(笑)。
散々ボロカスに言ってきたので研究室に所属して良い事も言っておくと、まず、就活はとてもやり易いです。日本は世界的に見てもかなり学歴主義な傾向が強いので、ネームバリューがあると、やはり効果的です。また教授からのプッシュなどもデカイです。
あと、推薦はかなり充実しています!就活でわりとボーッとしてても就職できます(笑)
途中、ブラックな話から脱線しましたが、理系研究室(特に化学系)の闇について話しました!
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大阪大学の理系院生です。研究生活だけでなく、大学のお堅い教授からクラブに来てた人、弁護士からキャバ嬢まで様々な人と街で日々出会い関わり広い視野を持つ事を大事にしています。サポートして頂けましたら何かリクエストされた記事を理系院生の目線で書いていきます!