小林精志

伝統の発酵食品にほんの少しの興味を持つ事で、それを使ったお料理はもちろん、毎日の晩酌が…

小林精志

伝統の発酵食品にほんの少しの興味を持つ事で、それを使ったお料理はもちろん、毎日の晩酌が断然美味しくなって、気持も俄然あがってくる! そんな発酵する考えをキーワードに、いろんな人に会う旅に出かけます!

最近の記事

お燗としょうのう舟

皆さんにとって、物心ついた幼少期に一番にハマったオモチャはなんですか? ボクは断然『しょうのう舟』です。 ボクは『しょうのう舟』こそが最高の暑気払いの一つ。 そして最高のお燗酒のあての鑑賞物、そうなると考えました。 発酵さぎょう 本日から営業再開します。 本日29日、30日は『北海道のお土産と、懐かしのしょうのう舟』 是非、遊びに来てくださいね♪

    • 夢野久作とは別問題の294

      今、病院で夢野久作の(10秒で読める)超短編小説を思い出す。  ボクは初めての手術の時『せめてあと1、2年の命を』と思い  2回目の手術の時も『せめてあと2、3年』と思い  今、診断結果の待ち時間に『願わくばあと5、6年』などと思っている。  この作品は、受け取る人の状況によって甚だ解釈が違うように思う。  診断結果次第で深層心理にもブラックユーモアにもなるから、人の心はおっそろしい。  【医者と病人】 夢野久作  死にかかった病人の枕元でお医者が首をひねって、

      • 止まったような時間

        お知らせ 発酵さぎょう 6月24日ー28日迄  お休みします。 ずっと欲しかったアンティークの振り子時計。 やっと今日、理想的な品に出会って迷わず買う事ができました。 『自分の日常を超えて、自分を楽しむ日本酒のひととき』 時計の針は、正確に動くのですが正確な時刻よりも 『時が止まったような自分時間』 そんな一日の演出をお手伝い出来たら最高です。 営業再開は29日、30日 『北海道旬のお土産フェア』です

        • 観月さんと小室さんに捧げます

          ボクはここ数ヶ月、油を全く使わない『日本酒に合うマヨネーズ』を試作していた。 そんな折、ボクは夢をみた。 スーパー銭湯のサウナ室で秋篠宮殿下と隣同士になった夢だった。 殿下は節目がちに『植物の研究でもしてなきゃ、やっていられない』 と、そんな胸中をボクにそっと吐露された。 慌てたボクは『観月ありさ』(あるいは『ナースのお仕事』)についての話を殿下に持ちかけ話をはぐらかす。 (その時、ボクの頭は『小室さん』と『マヨネーズ』で一杯になっていた) 『観月さんは、キューピ

        お燗としょうのう舟

          『友達』の定義って

          『友達』の定義。それについて印象的な文章がある。 【午前0時に家に駆けつけた知人に、車のトランクに死体が積んである】と告白された時 『まずは話を聞こう』そう言えるかどうかが【友達か否か】 それがずっと愛読している河合隼雄の恩師が定義する『友達』の一例なんだそうだ。 ボクは僕自身の『友達』や『親友』という定義がまだ分からないでいる。 『親友』と定義された瞬間 あるいは『親友』と定義した途端 ボクは後々 『親友とはこうあるべきではないか?』 そんなプレッシャーに息苦

          『友達』の定義って

          ライクアローリングらっきょう

          らっきょうが旬を迎え、 オクラが旬を迎えていた。 どちらも夏の到来を予期させる雰囲気に満ちている。 らっきょうは、どこまでも転がり そしてオクラは、どこまでも粘る。 ボクの記憶が確かなら らっきょうのように転がり続けていく女の性を歌ったのは確かボブデュラン。 ドラマ『スクールウォーズ』の主題歌、新鮮なオクラの粘りの愛の名曲がNeverだったように思う。 左様なことで発酵さぎょう(6月13-18)のテーマは『ラッキョウとオクラとお燗酒』 粘り強く転がりながらも、お

          ライクアローリングらっきょう

          全てに熱い巨人の日

          先日、東京ドームで巨人軍の交流戦を観戦した。 ボクは少年時代は熱狂的な巨人ファン。自転車はもちろんジャイアンツ号だった。 ただ、今現在は巨人軍については甚だ無知でいる。 それでも少年時代を思い出して鳴り物OKの私設応援団のすぐ上の席を確保する。 悠長に弁当など食べるには気が引ける激アツの立ち応援が当たり前の席だ。 ボクは巨人に愛情と情熱を注ぎ、あれほど夢中で入れ込む応援団のピュアな姿に魅了された。 一つも知らない応援歌を口パクで必死についていき全力応援する。 

          全てに熱い巨人の日

          人生の出汁をひく

          『出汁を引く』 『出す為に引く』感受性豊かな日本人だからこその表現だと思います。 じっくり時間をかけ、適温で自然に旨みを引き出す。 思えば人付き合いの要領も、これと似たような事かも知れません。 相手と一緒の寸胴の中で絶妙に溶けあうこと事で『もち味』の相乗効果をはかる。 さらに『自分の弱さ、情けなさ、格好悪さ、だらしなさ』なんかの出汁も深い余韻となるように絶妙に溶け込ませる。濁らない程度に。 結果、人と人とが【やさしい出汁】をつくり合う事が可能になると思うのです。

          人生の出汁をひく

          羊羹は日本酒のあてになるんだろうか?

          ずっと考えている。  私はなぜ羊羹が好きなんだろう? みずみずしく練り上げられた光沢の肌。ねっちょりした歯ごたえ。 良寛も陽岱鋼も羊羹が好きなんだろう。名前が似てるから。 もしかして羊羹は、こりん星からの贈り物だろうか?(小倉だけに) 夕張でも炭鉱員が羊羹や大福と一緒に北の錦を呑んだそうだ。 小林酒造で、そんな逸話を多く聴いて育った私にとって最大のテーマ。 【羊羹は日本酒のおつまみになりうるのだろうか?】 今こそ、それをこの手で確かめねばなるまい。 私もキャ

          羊羹は日本酒のあてになるんだろうか?

          煎り酒と5月のお燗

          今週の発酵さぎょうのテーマ (5月23日-28日まで) 『煎り酒の再現、そして5月のお燗』 お醤油のなかった時代は『煎り酒』といって【梅干と酒(鰹節も)】を煮詰めて調味料にしていました。 その幻の味を再現。現在の日本酒に合う様にアレンジしていく一週間です。 梅干は古来からの大切な知恵。 子供の頃から母が毎日、手のひらに梅干を付けて、おにぎりをむすんでくれました。 昔ながらのしょっぱい梅干しの防腐効果(ビタミンC)は食中毒を寄せ付けなかった。  そう!我々は梅干の

          煎り酒と5月のお燗

          出会った全ての人達への感謝状

          【今まで出会った全ての人へ御礼状】 3年前、あと数年でも生きられるのなら今までやってきたことを全力で伝える人生にしよう。 そう思い立って、ボクは毎晩ここに立たせて頂いてます。 今、出会える人達に出会えるのは これまで出会えた人達のお陰です。 その為に、伝える事を 好きとか楽しいというだけじゃなく 今日が一番ワクワクできる。そんな日々であるよう進んでいきたいです。 そして今できる『自分なりの普通』をきちんとできた一日の終わりに。  生まれてから出会った全ての人達に

          出会った全ての人達への感謝状

          出し惜しみのないアサリの生涯

          →最初に水管をニョロリと出し →その後、暗闇で砂をケロッと出し →最後に茹でられ旨味をオシゲもなく出す。 その『出し惜しみ』がない無性の愛こそ私達は見習うべきです。 ところが!この儚いアサリの美しさを描かずにC・ラッセンは今どこに? アロンアルファを出して指を輪っかにして遊んでいる場合ではないのです! 口からトランプバラバラ出す手品の練習をしている場合ではないのです! もうこの際、組織不祥事の膿とコーンポタージュ缶のコーンも全部出す! という事で是非ぜひ、アサリと

          出し惜しみのないアサリの生涯

          油揚げの自由

          今週(5/9〜14)の発酵さぎょうのテーマ しみじみ『油揚げ』ってすごいと思います。 まず豆腐を薄く切って油で揚げて袋状にもできて、色々詰める事もできる。 納豆、お餅、玉子などなど『油揚げ』に何を詰めるのかを考える自由。 鼻が詰まったり、胸が詰まった時、たとえ人生に行き詰まった時でさえ『油揚げ』には何でも詰められる自由があるのです。 そう!『油揚げ』さえあれば人生ワクワク! 僕も武田久美子の水着の貝殻が帆立だったか真珠だったか(30年前の事)を悩むなんて、とても馬鹿

          油揚げの自由

          発酵『漬け』まつり

          発酵さぎょう(5/2〜7)のテーマは 【伝統ズケとお燗ヅケの世界】  醤油漬け、味噌漬け、粕漬け、酢漬け、麹漬けなどなど。 伝統の漬け酒肴と、日本酒の相性を愉しむ一週間です! とかく何処もかしこも『人ヅケ』のGW。 その喧騒から離れて、お燗ヅケのひとときを、ごゆっくりとお過ごしください。 ※なお『アルコールヅケ、借金ヅケ』等で自暴自棄になったお客様の入店NG。 ※『ズケズケ』と人の心に踏み込んでくるお客様の入店もNG。 ※ちなみにシャツの襟袖や茶渋の『ツケ置き洗い』を

          発酵『漬け』まつり

          ノンオイル発酵ペペロンチーノ

          ボクは今、ほくそ笑みながらノンオイルパスタの酒肴に取り組んでいる。 味噌と酒粕をメインに味付けし油を一滴も使わない。 今週は『発酵ペペロンチーノ』を提供する。 お客様は、よもやこれがノンオイルだとは思わない。 (僕がそっと、ほくそ笑む瞬間だ。) 唐辛子を一年近く酒粕と発酵させているから、辛さの後引きがない。 だから『お燗酒の邪魔にならない』と評価をいただく。 その時に僕は、より冷静によりしたたかに、ほくそ笑む。 その秘密のすべてをお客様に告白する。高揚感を抑えな

          ノンオイル発酵ペペロンチーノ

          味噌と日本酒の寄り添い(本当のやさしさを問う)

          さて、発酵さぎょうは毎週テーマを設けてお客様をお迎えすることにしました。 日本酒愛を一方的に撒き散らす、これまでパターンでは深夜1時まで体力が持たないのです。“おねむ“になるのです。 そこで第一週の4月25日からは 【味噌と日本酒の寄り添い方〜味噌に学ぶべき“本当のやさしさ“〜】 というテーマにしました。 『本当のやさしさ』とは何でしょうか? それは、肌寒くなってきたキャンプファイアーの深夜、隣の女子の肩に上着をそっとかけてやる。 そんな安易で、軽薄で、見え透いた

          味噌と日本酒の寄り添い(本当のやさしさを問う)