小林精志

伝統の発酵食品にほんの少しの興味を持つ事で、それを使ったお料理はもちろん、毎日の晩酌が断然美味しくなって、気持も俄然あがってくる! そんな発酵する考えをキーワードに、いろんな人に会う旅に出かけます!

小林精志

伝統の発酵食品にほんの少しの興味を持つ事で、それを使ったお料理はもちろん、毎日の晩酌が断然美味しくなって、気持も俄然あがってくる! そんな発酵する考えをキーワードに、いろんな人に会う旅に出かけます!

    最近の記事

    山うに漬け

    北海道に帰ると僕は決まって『山うに漬け』の製造に取りかかる。 『山うに漬け』の原料は酒粕と香味野菜、そして大豆と麹。それら全て生の原料を一緒に発酵させてつくる。 塩分が控えめでも冷蔵保存なら2年間、品質を保持する事もある。 その味わいを自ら深めながら、ゆっくりと発酵し続けるから腐らないのだ。 程よく熟成すると『本当にウニが入っているかのような旨味』がじわじわと出てくる。 地元、栗山町の原料を出来るだけ使うようにしている分、とても愛情がある。 結果として褒めてもらえ

      • 地球の最後にかぎたい香り

        地球最後の日に何を食べるのか? 僕はズバリ!『お刺身御膳』に決めた。 以前、あれほど具合が悪くなったお刺身が平気で食べられる程に身体が回復したのだ。 地球最後の日は『お袋のあの味噌汁です』などと感慨深げに、うっかり発言する人がいる。 余計なアドバイスだが『お刺身御膳』なら、味噌汁はおろか、お刺身、ミニ天ぷら、ミニ小鉢と茶碗蒸しまで付いてくる。 しかもプラス150円程でお味噌汁が豚汁にチェンジ可能な上、次回50円引きのクーポンまで付くときたもんだ。(地球も最後だが、こ

        • 海鮮丼と酒造り本番

          やられた!海鮮丼のホタテにレモンが挟まって出てきた。 僕は常々、新鮮なホタテがレモンサンドされる姿を見ていたたまれない気持になる。 (不新鮮なホタテなら話は別だ) メニュー写真を確認しなかった僕も悪い。 しかし、ホタテ自身が調理場で自ら志願してレモンに挟まれたとは到底思えなかった。 僕は、そのやり切れない想いの丈をどうしても蔵の皆に伝えたかった。 蔵は、蒸したての米の良い香りに包まれていた。 そして麹室では、杜氏と後藤くんが、引き込みの真最中。 『忙しいので、そのホ

          • restaurant & cafe pontのこと

            その瞬間、確かに【ピンッ!】ときたのだ。 僕は書店である雑誌に掲載された、その店の記事に、頭の中で【パンッ!】と何かが弾けた気がしたのだ。 紹介されているそのレストランの何処か懐かしい雰囲気。 記事には酒粕が香ばしく【プ〜ン!】と薫る【パン】が提供されているとある。 僕は夢中で手帳に【ペン】を走らせ情報をメモする。  そのレストランは【ポン pont】という店名で、何故か住所にも心あたりがある。 そして僕は大切な過去の秘密がある気がしてならない、その場所に車を走ら

            【ひやおろし】と【秋あがり】

            今時期『ひやおろし』や『秋あがり』と記された日本酒が酒屋さんに並んでいる。 『ひやおろし』 『ひや』は春や秋の常温で 『おろし』は(夏越しした)酒蔵の貯蔵タンクのお酒を出して酒質を確認すること。 その昔は、冷蔵環境もなく春までに搾り終えたお酒入りの大桶やタンクを細菌汚染を防ぐべく厳重に封印する。 少しでも管理が良くないと秋に出荷される酒が過熟になっていたり最悪は腐造の危険に晒される。 蔵元にとって、それが何より恐ろしい。 貴重なお米を使用した酒の価値が上がるか下が

            日本酒の日

            僕の生まれた10月1日は日本酒の日。 十二支では10月が【酉】だそうで【酉】に【さんずい】を充てると【酒】になる。 【酉】は酒壺や酒をあらわす象形文字でもある事がその由来の一つなのだとか。(ちなみに私、酉年生まれでもあります。宿命のおっかない所です) 僕は今、お客さんに日本酒とお料理を提供する仕事をしているのです。  念のため、これは全て実家の小林酒造や僕の将来や人々の健康に役に立つと信じてやっている事です。 今までのアイディアを投入して過ごすイベントの毎日は、いろ

            虫聴きと酒

            ああ、しみじみ秋ですね。 江戸時代の人々は『虫聴き』と言って野に出向いては虫の鳴き声を愉しみ、時にお酒を嗜む様な風流があったという。 ちなみにマツムシの鳴き声は『チンチロチンチロチンチロリン』 そんな訳でして、何かとせわしない現代を生きる私たちが時に『虫の声』を日本酒の肴にする豊かな時間があっても良いと思う。 ちなみに鈴虫は『リンリンリンリンリインイン』。 あ、そういえば昔『インリン(オブ・ジョイトイ)』という芸能人が存在したけれど、それはどちらかというと悩殺的な感

            地酒屋さんにかけてもらう言葉

            僕は明治神宮で考えていた。 お酒を買いに来店されたお客様を心から安心させる掛け声が鍵を握るかも知れなかった。 入店してからお店で『どんな味わいのお酒をお探しですか?』と聞かれたとする。 薬局や保険と違って趣向品であるお酒の、この質問に『息苦しさの様なもの』を感じる人は多い。 持ってる知識を試されているようでプレッシャーに感じるというのだ。 僕の知っている数々の地酒店は、そこの対応力が凄いお店ばかりで感動させられる。 では例えば皆さんが地酒屋さんに入店し、どんな声を

            お盆には日本酒を

            お盆は、地酒屋さんが混雑するものと思い込んでいた。 お盆は世間一般的に仏壇にお酒をお供えするものと思い込んでいた。 その日本酒を囲んで家族が久々の団欒をするのがお盆だと思い込んでいた。 僕がお墓に入って、家族がお盆に日本酒を用意してなかったら僕は絶対に家に帰らない。 ちゃんと日本酒を用意してお盆を迎える友達の家で飲むだけだ。 (迷惑だけど、きっと見えないし) そんな最悪の事態を招かぬ為にも、お盆には必要以上に日本酒を飲むことを習慣とし、今から息子夫婦への小遣いをコツ

            伝えるべきを形にする

            『伝えるべきを形にする』 人はある時期から、そのために人生を捧げていくのかも知れない。  母はこの1か月もまた、大部分の生活を古布を繋ぎ合わせる事に費やしている。 その古布は小林家に生きた代々の祖母、曾祖母らが残した衣類や日用品の端切れ。 酒蔵を支えてきた代々の女性達の想像も届かぬ労苦、情念、そして生きた証。  言葉に出来ないその想いを繋ぎ、伝えようとしている。 僕は正直、これらの古布をいったい、どこの何人が興味深く見てくれるのだろうかと思う。 けれども母にとって

            小林家で発酵調味料

            小林家の125年目。 2022年7月10日の龍神祭を控えて先日、小林家に白いヘビが出現し、一同大変な感動に包まれていると聴いております。 7/10より、前回お伝えした『日本酒に合う酒粕発酵ペペロンチーノソース』を山うにをお買い上げの皆様、先着500名様プレゼント。その入手方法をご紹介します。 あくまで【山うに】お買い上げの方へのプレゼントですので、どうぞお知りおき下さいませ。 以下、写真にそって説明致します。 小林酒造の近くにお寄りの際には、是非お立ち寄り下さいね。

            発酵ペペロンチーノ

            自分で撒いたホットなニュースが(当たり前ですが)自分に飛び込んできました。 7/10より【山うに】にもれなく付いてくる発酵調味料【錦醤】を是非試して欲しいのです。 僕はここ数日【山うに】と、これに香味野菜の風味をさらにガッチリとプラスした調味料【錦醤(にしきじゃん)】を使った『日本酒に合うノンオイルスパゲッティ』作りに取り組んでいたのです。 この【山うに】か【錦醤】で皆様に『発酵ペペロンチーノ』を作って欲しいのです。 写真にそってレシピを説明しますので挑戦してみてくだ

            廃退と荒廃の間で

            本日は小林酒造の皆と構内一斉清掃日であった。 酒蔵の敷地内には【廃退と荒廃の間で】という展覧会をしてもいいくらいの建造美が散見され、つい撮影してしまう。 全てが子供の頃の遊び場であり、隠れ家でもあったそれらの建物が心から愛おしい。 例えば、僕より少しでも喧嘩の強そうな人に【この建物は廃墟ですか?】 と訊かれたら 【あはは、これは廃墟です】とヘラヘラして答えるだろう。 しかし世界的な虚弱体質の僕より明らかに弱く、少し押しただけで骨折しそうな人に【これは廃墟ですか?】と訊

            100本限定の日本酒

            【純米大吟醸 雪初】100本限定の発売について  この体験でつかんだものを生かし、普段ご愛飲してくださる皆様により進化した北の錦をお届け出来ればと思います。  そして昨年まで想像すら出来なかった、こんな貴重な経験をさせて頂いた北海道空港様に改めて感謝します。 【小林酒造が北海道産米で醸す、さらなる高みを目指す純米大吟醸。 蔵人が育てた酒米によるその酒が販売価格50.000円で世界に通用しうるのか。 コロナ禍で北海道の酒米需要が激減する中、当蔵はそんな貴重な挑戦の機会

            葛藤の山うに

            先週『山うに』の在庫を1000個詰め終え、僕は次なる目標にもがき苦しんでいる。 日本酒にピタリハマる『山うにパスタ』の試作開発に悶え悶えて、もがき苦しんでいるのだ。 まず麺が茹で上がったらフライパンで麺と牛乳を絡める。 続いて『山うに』を混ぜ合わせる。(この時『山うには、鮮やかなエゾバフンウニ』へとその色調を変貌させます。) 最後に塩コショウで味を整え、大葉かネギを添えて完成!(の筈だったが何かが足りずにもがく) 『津軽には七つの雪が降る』と言います。ではいったい、

            伝統産業と歴史的建造物

            今、栗山小学校の5年生が酒蔵を見学している。 『お酒を造っている時に何を考えているんですか?』 例えばこんな質問に杜氏は 『うちのお酒を飲む全ての人の笑顔を想ってお酒を造ります。』と答えた。 (ちなみに人は1日に6万回の思考をし、3万5千回の判断をするらしいから迂闊な言動は命とりになる。  例えば、ふんわりカスタードプリンの事や、磯山さやかの事を期間中に全く考えていないとは言い切れない) 子供達の質問は屈託がない分、容赦も無いから答える方も気力と体力が必要だ。 12