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さよなら休憩室、さよならセシルチョコ

酒蔵ムード満点の佇まいだった『女子休憩室』が取り壊しになる。

幼稚園時代の定刻の午後3時。 
ボクが真っ先に向かうのがこの『女子休憩室』だった。

その目的はテーブル中央の盆に盛られた菓子。

ちなみに【実家の菓子盆】には
チーズおかき
うずまきかりんとう
きなこねじり
一口マグロ
寒天ゼリー
カリカリ梅

など、比較的年寄りじみた茶菓子を中心に構成されており

一方で【女子休憩室の菓子盆】には
サクマ いちごみるく
味覚糖 純露
不二家 ソフトエクレア
森永 ハイソフト
ブルボン ルマンド
カバヤ フィンガーチョコレート
不二家 ノースキャロライナ
グリコ セシルチョコレート

など、いかにもトレンドのキャストが充実しているがゆえ、行きつけになるのも無理のない話だった。

そう、このテーブルに菓子盆があったのだ。

が、しかし!【実家の菓子盆】は、たまに予告なしの祭が開催される。

『ヨックモックのシガール』もしくは『風月堂のゴーフレット』が極たまに混じる日があるのだ。

その場合にボクは姉兄が帰って来ないうちに全部食べせしめ、心の大漁旗を掲げたものだった。

【幼稚園のおやつ】は
ギンビス たべっこどうぶつ
フローレット
動物ヨーチ
ゼリービーンズ

など、実に子供だましの内容が軸であり、ボクはそこも加味しながら菓子盆を巧みにチョイスしていた事になる。

ダメだ。ルマンドを食べ始めたら話が終わらない。

しかもこんなに、かけらが散らばる盆菓子ってなんなん?

なんやかんや幼稚園のこのおやつが一番好きだったかも。

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