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45. 土曜日のお昼前というのんびりした時間帯のパリが、騒然とした空気に包まれていた

2019/1/12 Paris

パリに来て7日目。明日は朝からベルリンへ移動するので、実質パリの滞在は今日が最終日。最後だからと無理せずに、土曜日開催の市場と美術館をひとつだけ見に行くことに決めた。

ところでエアビーアンドビーのホストであるサイードは、昨夜は外泊したようだった。一週間のうち、サイードの姿を見たのは数えるほどしかない。ほとんど貸し切りでデザイナーズマンションに住んでいたようなものだ。

まともに貸し切り料金を払えば、一週間で10万円近くは掛かりそう。それがエアビーアンドビーで借りることで、1/3以下のコストになっている。滅多にないような当たりの宿だったかもしれない。

外に出てからは、土曜と水曜に開催しているマルシェ・サントノという市場に行くためOpéra駅で降りたった。地下道から地上へ出ると、なにやらものものしい雰囲気である。交差点に警察が何人もいて、レスキューヘリが中央に止まっている。

しばらくすると救急車が到着した。警官が「みんな下がれ」と野次馬をジェスチャーで取り払っていく。

何ごとだろうと思っていると、日本の友人から「フランスで爆発事故があったみたいだけど大丈夫?」と連絡が入った。さっそくニュースを確認した。降りた駅のすぐ近くのパン屋さんで爆発があったのだ。

そのあとも道路にはパトカーや救急車がひっきりなしに通っていた。土曜日のお昼前というのんびりした時間帯のパリが、騒然とした空気に包まれていた。

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