西出光一郎

インタビューライター。写真も撮っています。

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  • 写真とカメラ

    写真とカメラに関する記事をまとめています。

  • 北欧滞在日記

    2019年7月1日〜2019年7月18日までの、北欧滞在日記です。滞在中に毎日更新していました。

  • ヨーロッパ縦断日記

    ヨーロッパに2ヶ月滞在したときの日記です。最初の1ヶ月をアイルランドで過ごし、残りの1ヶ月でヨーロッパを北から南へ縦断しました。

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ばかみたいに面倒で、とても大切なカメラ

フィルムカメラで写真を撮るなんて、思ってもいなかった。 写真家だった伯父が、2016年10月に他界した。翌2017年8月、空き家となった伯父の家へ引っ越すことにした。理由は単純に、その家が金沢の中心部にあって利便性が良かったから。それと持ち主が母親になり、「空き家になるくらいなら」と家賃の支払いを免除してもらえたからである。 引っ越したはいいが、その家は移り住んですぐ快適に住めるわけではなかった。築70年以上と町家認定されるほど古いうえ、80歳過ぎの伯父と70歳過ぎの伯母

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    • ハッセルブラッド・開発の歴史 2/2

      「ハッセルブラッド・開発の歴史 1/2」の続きです。 ◇  第二次世界大戦が終結すると、ヴィクターは満を持して一般消費者(コンシューマー)用カメラの製造に取り掛かった。ヴィクターの望むカメラは明確だった。若い頃から鳥を撮影していたヴィクターは、グラフレックスのような大型カメラより小さく、35mmライカよりネガサイズが大きく、ローライフレックスよりシャッタースピードの高いカメラを望んだ。  彼は何よりも、「鳥を撮影するのに適したカメラ」を作りたかったのだ。   1948年

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      • ハッセルブラッド・開発の歴史 1/2

         中版フィルムカメラ・Hasselbladの開発の歴史を調べてみました。「ハッセルブラッドはどのような経緯で生まれたのか」を全2回で書いてみます。 ◇  ハッセルブラッドとは何か。ハッセルブラッドとは会社名であり、創業者の名字であり、カメラのブランド名である。  ハッセルブラッド社の始まりは、執筆時の2022年から時計の針を180年あまり巻き戻す必要がある。1841年、スウェーデンの西にある工業都市のヨーテボリにF.W. Hasselblad&Coという会社が誕生した。創

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        • 9年前に作った「やりたいことリスト」の達成度

          皆さんは、「やりたいことリスト」を書いたことがあるだろうか。それは文字通り、やりたいことをリスト化したものである。 「やりたいことリスト」を書くと、実現の可能性が高まると言われている。「リスト化するだけで、どんどん達成できる」と豪語する人すらいる。本当に書くだけでクリアできるなら、やらなくては損だ。 Evernoteを見返していたら、9年前の2012年に書いた「やりたいことリスト」を見つけた。存在を忘れていたくらいなので、何を書いたか定かでない。ただそのとき、やりたいこと

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          クリスマスが軽薄でも、軽薄じゃなくても

          今から3年前、2018年クリスマス。ぼくはロンドンにいた。 何もクリスマスの時期を狙って、ロンドンへ行ったわけではない。ヨーロッパを北から南まで一人で縦断しようと思い、アイルランドを出発して2カ国目がイギリスだった。つまりたまたま12月25日の週を、初めて訪れたロンドンで過ごしたわけだ。 日本にいるときも、クリスマスだからと特別に何かやった覚えはない。ロンドンであろうが(それが北京やジャカルタであろうが)、特に変わりなく過ごすつもりだった。 クリスマスと聞いて頭に思い浮

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          家の近所で、写真を撮れない

          今年になってはじめた習慣のひとつに、川沿いの散歩がある。 ウォーキングと書けば何やら勇ましいが、はじめたのは本当にただの散歩だ。でもそのただの散歩が、自分に変化をもたらせた。 ◇ そもそも散歩をはじめたきっかけは、単純に運動不足解消のためである。家にこもる時間が増えたため、意識的に外へ出かけるようになったのが今年の春のこと。 ある地点まで行ったら橋を渡り、対岸沿いを同じように歩いて自分の家へ戻ってくる。距離にして5キロを一時間かけて歩く。その散歩に、いつしかカメラを手

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          スタバの年の終わりとはじまり

          人間の「こうじゃなきゃならない」という思い込みは、こうも簡単に崩れてしまうのか。2020年に、自分自身の軽薄な態度でそのことを知った。 スタバの年が始まったいきさつから、話をはじめよう。2018年から2019年は、確かにスタバの年と言ってよいものだった。 家で仕事をしていると、昼食後はどうしてもダラけてくる。3年前に地元金沢市の中心部へ引っ越したことで、スタバが歩いて10分とごく近い存在になった。そのためダラけてくると、「ちょっとスタバまで行ってみようか」と思う日が多くな

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          いつか来る、写真フィルムの死

          フィルムで撮られた写真を見ると、無条件に美しいと感じる自分がいる。それはなぜなのかと、ずっと疑問に思っていた。 業務用フジフイルムISO100が生産終了になったとつい最近知った。たしかそのフィルムは、とても優しい色をしていた。コントラストが弱く、彩度に主張がない。だから強い印象にはなりにくいのだけど、柔らかい雰囲気の写真になった。 そしてなんといっても、お財布に優しい。2年前に一度買ったことがあるが、そのときの価格で36枚撮り10本パックが4,580円だった。同じ年にコダ

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          何の思い出もない、あの海

          2020年の夏。取りつかれたように、同じ場所で写真を撮っていた。 6月から8月にかけて、何度も同じ海へ通っていた。自宅から車で、片道1時間ほど。2日連続して行く日もあれば、2週間に一度の日もあった。平均すれば、一週間に一度は足を運んでいたと思う。 その海に通うようになったきっかけは、やはりコロナだ(今年は何をやるにもコロナの影がじっと横たわっている)。住んでいる地域の緊急事態宣言は5月中頃に解除されたものの、必要のない限り県外へ行ってはいけない雰囲気が漂っていた。実際、県

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          生まれて初めての写真展。世界へ投げた小石のゆくえ

          自分の投げた小石が、誰かの心に届くことがある。これから書く話は、写真展開催中に起こったできごとだ。 2020年7月18日から7月22日にかけて、自分にとって初めての写真展を開催した。場所は地元の金沢市である。 展示内容は、2019年7月に北欧で撮った写真を20点にまとめたもの。展示名を「NORDIC LIGHT」とし、開催5ヶ月前の2020年2月からTwitterで告知を開始した。 開催までのあいだに、思いがけず新型コロナウイルスが蔓延してしまった。「延期になるだろうか

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          写真家・濱田英明氏、第二回オンライン・リーディングパーティー。手書き文字で刻まれる記憶

          今どき、手紙を送る人は稀だろう。メールでさえ宛名や挨拶がまどろっこしく感じて、LINEなどメッセンジャーで済ませるのが主流になりつつある。そんな時代のなかでも、「手書きで文章をつづる。その面倒な行為をやる意味は、確かにある」そんなふうに思った。写真家・濱田英明氏のオンライン・リーディングパーティーに参加しての感想だ。 このイベントは濱田氏自らが上梓した写真集を、オンラインで参加している全員と一緒にめくっていく試みだ。2020年5月16日に第一回が開催され、同月30日の夜22

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          写真家・濱田英明氏、オンライン・リーディングパーティー。制限された状況のなかで

          2020年5月16日、土曜日の夜。写真家・濱田英明氏によるオンライン・リーディングパーティーが行われた。文字通り、オンラインで行われる読書会だ。題材に選ばれたのは、濱田氏が昨年7月に上梓した自費出版写真集『DISTANT DRUMS』。 このオンライン・リーディングは、著者自らがページをめくり、画面上で見ているひとが同じようにページをめくることで成立する。つまりこの催しは、写真集を手にしていることが(もちろん強要などまったくないが)望ましい。参加して思ったのは、「写真集が手

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          頑固な人間にしかできない仕事。33年間を、宮殿づくりに捧げた男の話

          みなさん、毎日つづけていることはありますか。 歯磨きや散歩など、暮らしに溶け込んでいる習慣はあると思います。でも、30年以上、毎日一つのものを作り続けているひとは、ほとんどいないのではないでしょうか。 先日、みた映画がとても印象的だったのでご紹介します。タイトルは、『シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢』。33年間をかけて、一人で宮殿を作った男のお話です。 映画と言っても、作り話ではありません。実話をもとにしています。実際に33年間をかけ、たった一人で宮殿を作ってしま

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          写真展をする資格

          今年5月に、写真展をします。友人と話していて、急に決めました。 写真展は、いつかやるつもりでいました。いつか、というか、自分としては2021年の予定でした。なぜ2021年かといえば、ひとつには現状では作品数が足りないと思っていたから。もうひとつは、「自分には、まだ資格がない」と思っていたからです。 ▽ ひとつめの理由「作品数が少ないかも」は、わかりやすいですね。そのままの意味です。では2つめの、「写真展をする資格」とは一体なんなのでしょう。資格ってなんだ? 皆さんご存

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          しょうもないこと考える時間って、大切

          テレビを家からなくして、もう10年くらいになります。その結果、自分の時間は増えるし、余計なノイズは入ってこないしで、快適そのもの。ずっと心地よい生活を送れていました。 でも、ここ数ヶ月はそうでもなくなってきました。そう、あいつが現れてから…。 * あいつとは、言わずとしれたYouTubeです。広告非表示のYouTubeプレミアムに加入してからというもの、しょっちゅう見るようになりました。 テレビを見ないと威張っていても、YouTubeばかり見ていたら本末転倒です。むし

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          モノを買うときに有効な、ステップアップ理論

          すいません、冒頭から謝ります。 ステップアップ理論とは、ぼくが適当に作った言葉です。文章の最後に「実はこの言葉は、ぼくが適当に名付けました〜!」と種明かしすると、読んだ人の失望する顔が浮かんでしまったので。 最初に書きます。ごめんなさい。 * さて、モノを買うときの有効な方法について。 誰しも「買って失敗」は、避けたいと思っています。ブログやYouTubeのレビュー記事が人気なのは、「失敗したくない心情」を反映しているからです。 ただこの心情は、最初から高いものを

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