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インベーダー・フロム・過去 【4/11】

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 電車で会おう、と男は電話でそう言った。
 わたしは会いたくない。
 
 いやほんとに。
 冗談じゃない。

 しかし会社には行かないといけない。

 どうする?
 
 対応その1…いつもとは違う車両に乗る。
 対応その2…スマホの電源は切っておく。
 対応その3…変装する(いつものわたしに見えないようにする)。
 対応その4…いつもより周りの人に注意を払う。
 
 とにかくわたしはこの4つの対応を、全て実行することにした。

 いつもはあんまり履かない白いデニムに、黒いサマーセーター。

 髪はアップにして、後ろで束ねる。
 念には念を入れて、グリーンのセルロイド・フレームのだて眼鏡(なんでそんなものを買ったのかは忘れた)まで掛けた。

 鏡を見ると、確かに違う人に見える。
 それになんだか、少し若返ったような気がした。

 ああ、とわたしは思った。

 たぶん会社に着いたら、同僚たちにこの服装の理由を聞かれるんだろうなあ。
 てか、誰がどんな格好しようと人の勝手でしょ。

 しょうもない事に何でも理由を求めてくる、退屈でつまらない奴ら。
 うざいけども、そういう人々に囲まれてわたしも公一も生きている。

 
 わたしには、夫はいるけど同性の友達がいない。
 

 何で気持ちの悪いストーカーみたいな奴のためにここまでしなくちゃなんないんだ、とも思った。

 しかし反面……すっかり印象を変えた自分を鏡で見るのは、けっこう面白かった。

 わたしは鏡に向かって、笑顔を浮かべた。
 ふくれっ面をしてみた。
 鏡を指さしてウインクしてみた

 ……いけない、いけない。
 なにバカなことしてんだ。
 会社に遅刻してしまう。

 でも、何だかゲームでもしているような気分でもある。
 追いかけるのがあの“夢の中の男”で、逃げるのはわたし。

 なぜか、命に関わるような一大事とは思えなかった。
 ひょっとするとわたしもこのゲームを楽しんでいるのかも……いけない

 また余計なことを考えている。
 

 駅に着くと、いつもどおりの人混み。
 しかしその中に居るわたしは、いつもどおりじゃない。

 わたしは人混みのなかで、大きな不安を感じながら、すこしそれに痺れていた。
 不安に痺れるなんて、生まれて初めてのことだ。

 いつもは全然耳に入ってこない、道行く人々の足音や人いきれが、すべて鮮明に頭に入ってきて、またたく間に頭の中が一杯になる。

 自分の頭の容量の少なさにあきれた。

 しかしこんなに意識が鮮明になったように感じるのは、いつ以来だろう。

 それはもう随分前になる。
 さかのぼるなら、大学に入学して、お酒を飲み始めるより以前くらいまで。

 昨日から、自分の過去を振り返ることが多くなったように思う……
 この状況だし、仕方がないといえば仕方がないのだが、それにしても奇妙だ。

 過ぎ去った日のことを反省していてはキリがないし、過ぎ去った日々があるから、わたしも今こうしてここに居るのは判っているのだけど。
 

 そわそわしながら電車を待った……と、後ろから耳元で囁く声がした。

「……おはよう……」

「……!」

 はっとして振り返ろうとする。
 なにが“いつもより周りの人に注意を払ってる”だ。
 真後ろに男が居るじゃないか。

「……振り返るな!!」

 男は顰めた声でぴしゃりと言った。

「……なっ……」

 振り返るな、と言われて振り返らないわけにはいかない。
 また振り返ろうとした。
 
 と、左のほっぺたを待ち受けていた男の人差し指がつっかえ棒する。
 よく子どもがやる、あの悪戯だ。

「……だから、振り返るなって言ったじゃん……」

 男がまた耳元で囁く。男の顔は見えない。
 わたしははっきり言って恐怖よりもむしろ怒りを感じた。

 また振り返ろうとしたが、今度は男が背中に密着してきた。

「……おっ……おおきな声……出しますよっ……」

 わたしは顔の見えない男に呟いた。

「出せば? 別にいいけど。おれは……どうせ、捨てるものなんかないし」

 ホームに電車が入ってきた。
 何故だかわたしは身動きができない。
 喉がカラカラになってきた。

「……ほうら電車が入ってくる……ぼくらの電車、ふたりの電車……♪」

 男が調子外れでデタラメな歌を歌う。

「……」

 ドアが開いて、破裂するように人がホームに流れ出す。
 男はわたしの背後にぴったりくっついたまま。
 わたしは身動きができないまま。

「さ、乗ろう」

 男に背中を押された。

「もうっ! ……お願いだから……あっ」

 男に背中を押された。
 男に背中を押されるままに電車に飲み込まれる。

 さらに後から乗り込んでくる勤め人たちの雪崩。
 わたしと男は、この駅では降りない人々と、この駅から乗車する人々の層の間に、ぎゅう、と押し込められた。

 このとき、なぜ逃げなかったんだろう?
 それは自分でもわからない。

 電車が動き始めた。男の熱い息をうなじに感じた。

「今日はなんか……いつもと感じが違うね」

 男が囁く。

「くっ……あんたに、関係ないでしょっ……んっ!」

 男の手が、デニムパンツの薄い布越しにお尻の肉を掴んだ。
 そして荒々しく揉み込む……昨日よりもずっと……公一がするのよりももっとずっと。

「なに着ても似合うよ、伊佐美ちゃん。この髪型も、そのへんな眼鏡も」男はもっとわたしの耳に口を近づけてくる「おれが気づかないとでも思ったの? ……それともおれのためのイメチェン?」

「や……やめてよ、変態っ……」

 あたしは言った。
 信じられないほど小さな声で。

「変態かあ……そうだな」男の舌が、ちょん、と耳たぶに触れる「でも、奥さんがその変態にされたこと聞かされて、ダンナさんコーフンしてたじゃん。そうでしょ?」

「……なっ……」お尻にまとわりつく男の手を振りほどこうとしながら言った「……なんで……知ってんのよ¥……そんなこと……」

「おれはなんでも知ってるの。伊佐美ちゃんのことは……だって……」男は左手でわたしの胸をセーターの上から握った。「こんなに好きなんだもん、伊佐美ちゃんのこと」

「……やっ! ……んっ! ……」激しく、乱暴に揉まれる。「……やめて……ほんとに、やめなさいよっ……大声出すよっ……本気なんだからっ……」

「……いいよ。出せば? さっきも言ったけど、おれは何も失うものなんか……なにもないから」

 男はセーターとブラジャー越しに、わたしの乳首を探し出して、強くつねった。

「……やっ……!」

 痛くて、声を出した。
 と、今度は右胸も同様にされた。

「おれはね、伊佐美ちゃんの夢の中にしか居ないんだ。この世には居ないのと同じ。伊佐美ちゃんがおれのことを夢に見てくれたり、こうやっておれがすることに反応してくれたりすることだけが、おれの存在を証明するの……判る?」

「な、なに……わけ分かんないこと……い、言ってんのよ……んんっ……!」

 後ろからセーターに侵入した男の手が、実に器用に……感心してる場合ではないけど……ブラのホックを外した。
 胸が締め付けから解放されて、ふわり、と揺れるのが判った。

「……やっ! ……ちょっとっ!……や、やめ……あっ……!」

 左手で男がわたしのデニムの前ボタンを外した……どこまでも器用なやつ。
 あっという間に、ジッパーが降ろされる。

 さらに男は、そのままデニムを引き下げようとした。

「……お、お願いっ……や、やめて……ほんとに……こ、こんなとこでっ……」

 わたしの声は、すっかり怒りの色を失い、男に懇願していた。

「今日は、ちょっと乱暴にしてあげる」

「うっ……はうっ!」

 そう言って男は、わたしの右耳たぶを噛んだ。

 冷気がつーっと背中を下り降り、逆に熱が下半身から登ってきた。

「んっ! ……やっ……や、やめてよっ……」

「無理しなくていいって……」男が舌をわたしの耳の中に挿れる「すぐキモチ良くするからさあ……」

 サマーセーターの中で戒めを失った胸が、大きく息づいていた。
 さらに侵入してきた男のつめたい手が、わたしの右胸を激しく揉みしだく。
 
 乳頭は男の指で挟まれているけど、男はそこを刺激しない。

 わざと焦らすように、捏ね回される。

「くっ……やっ……」

 セーターの下に、蠢く男の手が見えた。
 セーターが伸びそうになるくらい、男の手の動きは激しい。

 あっという間に乳頭が固くなるのを感じた。
 すかさずそれを見越した男の手が、それを転がす。

「……ひゃっ……」

 まるで、氷のような指先だ。
 わたしは思わず飛び上がった。

「……感じてるでしょ。ほんとは。やらしいなあ、美佐恵ちゃんは。乱暴なのも好きなの?」

「……んっ……そ、そんなわけっ……ない、でしょっ……」

 わたしは男の手から逃れようと藻掻いた。
 しかし、周りの人に気づかれることの恥ずかしさが先立って、具体的な行動を起こすことができない。

 そうこうしているうちに、左側の乳房に指が伸びる。

「……ほら、左の乳首も固くなってるもん。触ってほしいんでしょ?」

「……へっ……変態っ……」

 必死で男の方を向こうとしたが、窮屈な車内で身体が思うように動かない。

「……ふーん。そういう事いうわけ。じゃあ自分は何なんだよ、奥さん……ほら、左の乳首もぴんぴんに立ってるよ……まだ触ってもいないのに……やらしいねえ。やらしい女だねえ、伊佐美ちゃん。昔と全然変わってないね。感じやすいとこも……」

「……んんっ! ……やっ! いやっ……」

 わたしは身を固くした。
 男の左手が、降ろしかけていたデニムパンツを、まるで皮を剥くようにグイッと引き下ろした。

 まさか、こんな人混みの中でこんなこと……。

 焦りを感じたけど、それ以上に亢ぶっている自分も感じた。

 こんな状況下で、こんなふうに服を乱されて、いやらしいことをされているということ。
 いやらしい言葉で辱められているということ。

 信じられないけど、その新鮮さを全身で感じていた。
 馬鹿じゃない? ……と思われるかもしれない。
 思われて当然だけど、事実、わたしはいいようにされていた。

「……さーて、下のほうはどうかなあ……」

 男のせっかちな左手がパンツの前から侵入しょうとする。

「……や、やめてっ……お、お願い。ほんとにっ……」

 わたしは何とか自分の右手で男の手を押さえた。
 と、するり、と男の右手がセーターから滑り出て、わたしの右手首を掴んだ。

「……えっ……? ……あっ!」

 手を導かれた先は、男のズボン前だった。
 ズボンの上からでも…それがぎんぎんに固くなっているのがわかる。

 よせばいいのに、指先に神経を集中させると……それが脈打つのも感じることができそうだった。
 わたしの顔はかっと熱くなった。

「……ほら、おれもしてあげるから、伊佐美ちゃんもしてよ」
「……や……や、やだってば……」

 男のズボン前が、わたしの右手の平にこすり付けられる。

「……いくよ」

「んっ……ひっ」

 男の手が、前からパンツの中に侵入してくる。

 わたしは脚をぎゅっと閉じたけど……男の指の一本が茂みをかき分け、あっという間に中心部にたどり着く。
 それは昨日よりも迷いなく、すばやく、確実にわたしの先端部分をとらえた。

「……んんんんんっ……!」

「なあんだ……やっぱ、もうべちょべちょじゃん……」朝の満員電車で口にする言葉ではない。「……こんなふうにさ、イメチェンしたり、電車の乗車位置変えたりさ、スマホの電源切ってたりしてもさ、ほんとのとこいうと、おれに会いたかったんじゃないの? おれに見つけて欲しかったんじゃないの?」

「……ふ、ふざけ……んな……よっ……んんっ!」指を動かされた「くっ……や、やめ……てっ……」

「やめてとか言って……自分で腰振ってるじゃん」男に言われて、はっとする。それは自分でも意識してなかった。「……もっとしてほしいって、身体は言ってるよ」

「……やあっ……おね……っ」男の指が激しくなる。「……お、おね……がいっ……や……めてっ」

 腰を振っていたかも知れない。
 それどころか、自分から男の指に先端を押し当てるように、腰を出したり引いたりしていたかも知れない。

 わたしは耳まで熱くなって、何かを堪えようとしていた。
 ひっつめにした前髪の生え際に、じっとり汗をかいているのを感じる。
 
 いつの間にか、眼鏡も曇りはじめてていた。

 わたしの右手は相変わらず男のズボン前に押しつけられている……
 それは、ますます勢いを増している。

 へんだ。
 いけない。
 わたしはへんだ。

 気が付くと、押し当てられた手の指を、自分でゆっくり動かしてさえいた。

「……ダンナさんも、ヒドいよねえ。きのうは本番ナシだったもんねえ。イかせりゃいいってもんじゃないでしょ……ねえ? あんだけいじくっといて、挿れてくんないんだもの。ダンナさん、判ってないよね……」

「……な」激しく擦られながら、わたしは虫の息で男に聞いた「なんでっ……そんなことっ……」

「おれは何でも知ってるんだよ……」男がまた耳たぶを軽く囓る「伊佐美ちゃんのことはぜんぶ……昨日何をしたか、いま何考えてるか、結婚するまでどんなだったか、どれだけお酒が好きか、どれだけ煙草を我慢してるか、どんなことをされたいかどんなふうにされたいか、どこをどう責めてほしいか、どういう体位が好きか、なにをされたら本性がでちゃうか……それに、いま何が一番大切か、も」

「……んんっ……」

 男に耳元でさんざん囁かれる。
 わたしを辱めるための呪文を。

「……伊佐美ちゃん、ダンナさんのこと愛してるもんねえ……おれは、ダンナさんじゃないから、伊佐美ちゃんには愛されない。そんなこと判ってる……てか実はおれも、伊佐美ちゃんのことは愛してない。大好きだけど……愛してない。わかる? これ……だっておれ、ダンナさんじゃないからね。でも、伊佐美ちゃんのことは大好きだから……こうしておもちゃにすることはできる。愛して無くても、それはできるんだ……わかる? ……ところで、じぶんで脚、開いてるよ」

「……あっ! ……んんっ……」

 閉じる間はなかった。
 ぐいっと男の手が脚の間に入ってくる。

「あーあ、もう手先がふやけちゃいそう……すっげー濡れてる」

 そういって男は器用に、2本の指でわたしの切れ目を開いた。

「はっ……! い、いやっ……!」

 思わず声が出た。
 しかし男は2本の指で入り口を開けたまま、容赦なくその間の指をわたしに突き入れた。

「……んんんんっ!!」

「……ほら、いくよ……」

「……く、く、くうっ……くうううっ……!」

 わたしは歯をむき出して下唇を噛んだ。
 男の指が小刻みな動きでわたしの中にはいったり出たりした。

 めちゃくちゃな動きだった。

 でもわたしの入り口は充分すぎるほど潤っていて、その振動から痛みを感じることはなかった。

 そして、土石流みたいな快楽が襲ってきた。
 穴に激しく出し入れされる湿った音が、自分の耳に聞こえてくるようだった。

「……ほら、ほら……溢れてる……溢れちゃってるよ……」

「……あっ……くっ!……うっ!…………うっ…………う、う、う……ううっ!」

 眼鏡はもはや完全に曇っていた。

 バカみたいと思われるだろう。
 なんてやらしい女なんだと思われるだろう。

 まるで痴漢ものAVに出てくる、フィクションの女みたいだとも、思われるかも知れない。

 しかし、わたしは満員電車の中で、激しく指を出し入れされて、いきそうになっている。
 
 信じられなかった。

 だんだん頭がぼんやりしてきた……
 まるで、一昨日、昨日と続けて見た夢を見ているみたいだ。

 いや、これは夢なのかも知れない。
 夢でないと、こんなことになるのはおかしい。

 夢なんだ。

 もし夢なら……愉しんでもいいかも知れない、なんて恐ろしいことを考えはじめていた。

「……ああっ…………あ、あ……ああっ……」

「イきそう? イきやすいもんね……昔から伊佐美ちゃんは……それに夢の中でも」

 男の言葉で、我に返った。
 いや、夢じゃない。

 夢よりもずっと気持ちいい。

 いや、バカ。
 何を考えているんだ。

 でも男の指はますます激しくなる一方で、わたしの息は上がっていく。

 でも、イっちゃいけない。
 そこまで堕ちるわけにはいかない。

 あっという間に肉欲にさらわれそうな、一握りの理性で、わたしは公一の顔を思い出した。

 公一に悪いと思わないの? 
 ……わたしは自分に言った。
 
 しかし、それは逆効果だった。
 心に浮かんだ公一の顔はあっという間に消えて、昨夜わたしをイかしてくれた公一の指の感覚のほうが新鮮に蘇った。

 もうダメだ。
 もう限界だった。

「…………あああっ…………うううっ…………ん? ……えっ?」

 男の手がするりとわたしの下着の中から逃げ出すと、もう大惨事になっているわたしのあの部分の上に、デニムが引き上げられた。

 男はご丁寧に、ブラジャーのホックまではめ直す。

 電車が駅に着いて、人々が一斉に降車する。
 男はわたしのパンツの尻ポケットに、何か紙のようなものを入れる。

 わたしも、男も、電車の外に流れ出した。
 服は元通りだが、わたしの顔は真っ赤に上気していただろう。
 眼鏡も曇っている。足取りも、ふらふらだった。

 さっきまで、絶頂寸前まで追い詰められていたのだから。

 わたしは、はっとして自分の背後に男の姿を探した。

 逃げ足の速い男の、後ろ姿が見えた。
 身長はわたしよりちょっと高いくらい(もっと大男だと思っていた)。
 多分年の頃も同じくらい。

 黒いカジュアルなジャケットを着て、チノクロスのパンツを履いている。

 男はまさに逃げるように……駅の階段に消えていく。 
 わたしも追いかける気も湧かず……ぼんやりとそこに立ちつくしていた。
 

 と、尻ポケットに入れられた何かのことを思い出した。

 ひっぱり出して見る……それは、一枚の写真だった。

 まだショートカットにしていた頃……二十歳前後のわたしが映っていた。
 場所は何度も夢に見た、あの狭い小屋。

 写真の中のわたしは、ちょっと拗ねたような、でも本気では怒っていない目で、こちらを見つめていた。

 愛おしい者にしか見せない、わたし自身も知らないような表情だった。

 写真に写っているのはわたしの上半身で、その上半身は裸だった。
 腕を組んで胸を隠している。
 でも、両手で隠せていない部分の乳房が、自分で見てもなまめかしかった。
 

 写真を裏返すと、赤いボールペンでこう書いてあった。
 
 “2016年8月15日 またあおう かこより”


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