見出し画像

sacrifice

人は、何かを得る為に何かを失いながら生きている。

お金を得る為に仕事で時間を失い、好きな人といる為に自分だけの時間を失い、考えれば限りなく何かを常に失っているのだと思います。そして、一度失ったものを取り戻す事は、とても難しくて気付いた時にはどうしようも無い事が世の中には溢れている。

若かりし頃に働いていた会社は従業員を生贄として使い捨てながら利益を生み出し使い捨て、壊れれば求人を出し雇用する事を繰り返しながら稼働させていた事を思い出した。自分自身も統括部長としての役職を与えられ、会社の駒として一切の私情を捨て業務に当たり部下にも同じように会社の経営理念や利益を極大化し追従する事に注力ように厳しく指導していた。数時間だけ家に帰るだけで家族との時間も大切にする事が出来ず、当時の記憶は仕事の事だけなのです。

そんな日々の中で終わりは突然訪れ、三か月前に会社を潰す事を上司から伝えられた。部下にはその事実をギリギリまで伝えないようにとの事で何か魂が抜けたような状態で仕事をする事になり、大好きだった上司や慕ってくれていた部下から心配されたものです。結局、終わってみれば自分に残ったのは耐久力と仕事で得た経験値だけとなり、お金よりも人の温かさを感じられる事の大切さや人を大切にする会社で普通に最低限生活するだけのお金を得て人との触れ合いを大切にしながら働けたらいいなって漠然とした思いだけだった。

その後、ベンチャー企業で催事販売の仕事をする事になり畑違いではあったが温かい会社の仲間と働く事で冷たくなった心が少しずつ溶けてまともになっていく感じを覚えた。業務内容もメーカーさんの代行として各地の百貨店や駅ナカの店舗にて販売員として接客販売をし、店長として損益管理をし全国を飛び回り物産展で、たくさんのバイヤーさんやマネキンさん、お客様と出会い他のメーカーでの出店打診などの折衝業務など営業をする事がとても楽しかった。メーカー開拓営業、施設開拓営業、接客販売、適正な発注、マネキンさんを依頼する人件費や交通費、ホテル代などの経費管理と学ぶべき事も多く、自分で焼肉を焼いて試食を出したり、ケーキの販売、とてもたくさんの商材も販売した。特に試食を出さないメーカーさんの商材はディスプレイやお客様の動線を考えた配置、声の掛け方や視線移動など接客テクニックも必要であり苦しんだ。それも経験値となり自分の知識となり現在の自分を支えてくれているのかもしれない。

何かを生贄にする事なく、全ての人が笑顔になれて幸せになれる。自分が本当に欲しかったのはお金じゃなくて友達の笑顔と穏やかな時間の中で流れる日々の仕事だったんだよ。結局、元から友達ではなく終わる事無く迫りくる業務に身体も心も疲れ抜け出す為に私を生贄にしただけだった。これは、昔自分がしてきた事への報いなのだと、甘んじて受け入れ仕事も友達も貯金も全て失い手離してリセットする道を選んだ。でもね、いつか自分と同じように気付く時が来て私の気持ちを友達が感じて戻ってくれる事を静かに願う。

気に入った記事があれば読んで頂ければ嬉しいです( ´∀`)bグッ! もし宜しければサポートお願い致します☆