実習⑤本当の望み
何が現実なのか
よくわからなくなっていた。
頭は不思議と冷静で
恐怖心もなくなり
コップに水を注いで一気に飲み干して
喉の渇きを潤して
椅子に座った。
そして自分に起きたことを
淡々と見つめたら
起きていないことを怖がって
『今』を
『身体の声』を
おざなりにしたら
子供を授かるチャンスを逃した可能性があるということだった。
意外だったのは
無理をしなければ
『授かれた』
と自分が比較的前向きに受け止めていたことだった。
結婚してから何年も
夫婦で子供を持つことには積極的になれないうちに
子宮に病気が見つかって
いつの間にか何もせずに諦めていた。
今のままでも十分幸せだと思っていたつもりが
いざ、可能性が見えたら
涙が出てきて止まらなかった。
本当はこんなに欲しかったんだ。。
痛みと引き換えに
やっと自分の本当の望みに向き合えた。
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