kazehi

捉えどころのない心の記録。 浮かんだことがストーリーになったので、 そのまま書き綴って…

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捉えどころのない心の記録。 浮かんだことがストーリーになったので、 そのまま書き綴っています。

最近の記事

これから起こるかもしれないことに不安になり 呼吸が浅くなる 『今感じている不安は 起こるかもしれないが ”まだ起きていない” 今を生きよ 今の最善を重ねた先に 未来がある 物事は起こるべくして起こる すべては良き方向に行くために起こる 幸せであれ 今を生きよ 目の前に広がる世界を愛でよ 変わりゆく世界を信じ 己の、魂の力を信じよ』 思考は人を臆病にする 直感、感覚に従うと言葉が降りてくる 無理矢理ことを動かそうとしてもうまくはいかない 怖がらずに感覚

    • 健康診断

      そのイメージは 前回の続きだった 医師に悪性腫瘍を宣告された後 ショックで塞ぎ込んで 布団の中で泣きながら現実を受け止めて それでも前に進もうと 再検査を受けたら 良性腫瘍になっていて 医師が頭を何度も傾げていた 医師:おかしいなぁ。 こういうこともあるんですね。 でも本当によかったですね! 念のため経過観察はしていきましょう… 出来過ぎている…… でもこの浮かんだイメージを 信じることにした どちらにしろ 結果は受け止めなければいけないのだから ----------

      • 秘技

        腕に出来たしこりは 見つけてから2週間経っても 大きくも小さくもなっていなかった ネットで 腕 しこり で調べると 幸い押しても痛くはないので ガングリオンの可能性が高いが 悪性の場合もあるので 自己診断せずに整形外科へ とのことだった 客観的な文章が 思考を冷静にしてくれた 健康診断での結果を待って その上で気になるなら 整形外科に行こう ------------ それからは とりあえず 個人的解釈の末 重いものを持たない 腕全体を軽くマッサージ お風呂上がりに

        • アップデート

          目が覚めた時 いつもと変わらないリビングにいた 夫は散歩に出かけたようで 家にはわたし1人だった 喉がカラカラで 立ち上がって 食器棚からコップを取ろうとすると ガラスに写った顔が見えて ギョッとした 寝ながら泣いていたであろう顔は 目が腫れて浮腫んで ひどい顔だった ひとくち ふたくちと水を飲むと じわーっと身体に染み込んで ボーっとした頭が 少しづつ活動していく ------------------ 夢の中だったけど 幼い自分と仲直りできたような 自分の親にな

          心を落ち着けて 『今』を意識すると 目の前で さっきまで泣きじゃくっていた 9さいのわたしが 目にいっぱい涙を溜めて わたしを見ていた 自分自身ですら見ようとしていなかった 怖がって縮こまったわたしのために泣いていた 小さな女の子が 可哀想で 頼りなげで 愛おしかった ごめんね。。 ひざまづいてぎこちなく抱きしめると 目にいっぱい溜めていた涙が どんどん溢れ出して 彼女は声を出して泣いた 抱きしめた華奢な身体と温もり その切実な声を聞いたら 込み上げる感情が やっ

          シグナル

          ここでまた9さいのわたしが現れた。 不安で不安で堪らずに 泣きじゃくりながら 紺さんに必死に何とかしてほしいと 懇願していた。 それが あまりにも あまりにも切実で わたしはわたし自身に こんなに愛されていたのか…と ぎゅっと胸が締め付けられてしまった 紺さんは 最初何も言わず ただわたしを見ていたが ふーっとひとつため息をついた後 37歳のわたしに言った 紺:どうして、検査の時に言わなかったの? わたし:だって…もし病気だったら… 紺:このまま見過ごして、 より

          シグナル

          落とし穴

          健康診断と 不妊治療外来の予約をした後すぐに 左腕にかたいしこりのようなものが あることに気づいた。 1センチくらいで 最初は虫に刺されたのかと思っていたが 今は冬。 どこかにぶつけた記憶もないし 内出血もなく 痛くも痒くもない。 いつからあったっけ? 必死に記憶をたぐり寄せる。 3ヶ月前に整体に行った時にはなかったはず…? そのうち治るだろうと様子を見ていたが 1週間しても10日しても なかなか治る気配がなかった。 不安になってきた頃 ふっと 夢を見た。 そこは

          落とし穴

          久しぶりに聞こえた紺さんの声は 37歳のわたしへ向けられていた 紺:動き出した最初に 物事がうまくいくのは 波に乗ったから。 でもそこで油断していると 次の波に乗る機会を逃してしまう。 チャンスを掴んで波に乗ったら そのまま立ち止まらず 行動を続けていく必要があるんだよ。 今のまま進むんだ。 止まったら もう今回のような波は なかなかこないし もう一度乗れるかはわからない。 ------------------ 今まで何度も同じようなタイミングで 臆病になったり 怠

          客観視

          カリスマ美容師に 髪を切ってもらってから 家で何気なく鏡に映る自分が 前より可愛く見えて 普通に驚いた。 美容やおしゃれが大好きだった 20代のころが嘘のように ナチュラル志向を隠れ蓑にして 眉毛はボサボサ 肌も乾燥でボロボロ ほぼノーメイク(マスク便利) 洋服もほぼ 機能・耐久性・サスティナブルを重視して アウトドア(よってスニーカー) 手先は自分から見えるから辛うじてセルフネイル… 思っていた以上に わたしは わたしを諦めていたことに 気がづいた。 以前は 人から

          前回サラッと書いた美容院は 3ヶ月前に 2年ぶりにふらっと思いついて 近場で済ませたところ 完成図が依頼時に見せた写真とあまりにも違い 美容師さんの態度も 誠意が感じられず カット後 1週間は怨念を飛ばしていたので 自分のこだわりの強さを受け入れて 以前行ってとても良かった カリスマ美容師さんのいる 都会のお洒落な美容院を予約した。 そこはネット予約なんて小賢しいものはなく 電話一択。 引きこもり過ぎて 初対面の方とのコミュニケーションを 忘れ去ったわたしには な

          実習⑦変化

          まず変わったのは 自分の感覚だった。 最初の1週間くらいは 強迫観念に追われるように 部屋の隅々まで掃除をした。 相変わらず熱中すると 我を忘れて集中してしまう事は変わらなかったが 休み休みやる事を意識するだけで 前みたいにクタクタに疲れる事はなくなっていった。 半年かけて溜まった汚れはなかなかで 毎日見て見ぬ振りをしていた部分とのご対面だった。 拭いても拭いても取れない汚れに 白目になりながら 掃除をする姿はさぞ怖かったに違いない。 心の準備が必要だったトイレ掃除は

          実習⑦変化

          実習⑥行動

          痛い思いをしなければ 大切なことに気づかない。 悲しいけど わたしはそういうタイプだった。 何度も何度も痛い目に合ってきたのに 傷だらけになっても いくつになっても 同じことを繰り返している。 むしろ9さいの時の自分の方が しっかりしていたかもしれない。 人生の時間は有限なことを忘れて ずいぶん時間が経ってしまっていた。。 9さいの自分や男の子、紺さんが 必死にわたしを想う気持ちが伝わってきて ひとりよがりに 自分を諦めて生きるのは やめると決めた。 何よりこの数日

          実習⑥行動

          実習⑤本当の望み

          何が現実なのか よくわからなくなっていた。 頭は不思議と冷静で 恐怖心もなくなり コップに水を注いで一気に飲み干して 喉の渇きを潤して 椅子に座った。 そして自分に起きたことを 淡々と見つめたら 起きていないことを怖がって 『今』を 『身体の声』を おざなりにしたら 子供を授かるチャンスを逃した可能性があるということだった。 意外だったのは 無理をしなければ 『授かれた』 と自分が比較的前向きに受け止めていたことだった。 結婚してから何年も 夫婦で子供を持つことには

          実習⑤本当の望み

          実習④

          9さいのわたしから見た37さいのわたしは かなり…だいぶ 危なっかしい印象だった。 身体がくたくたになって 喉が乾いて咳払いをしているのに 無我夢中で ひたすら片付けと掃除に集中していて どれだけ一所懸命話しかけても 気づく素振りもなかった。 そして、 お腹にうっすら光るものがあったが 光が弱々しくなっていて それが小さな赤ちゃんの種であることに気づいて 37さいのわたしを 少しでも休ませようと必死だった… ----------------- 以下9さいのわたし ど

          実習④

          実習③片付けと掃除

          ふらふらとした足取りで玄関について サンダルを履き ドアを開けると 風が肌に触れて気持ちがよかった。 天気がいいのに この時間に外に出るのは久しぶりなことに気がついた。 そして目を落とすと 見慣れた光景が目に入った。 昔使っていたアウトドアグッズを入れた引き出しや ガーデニンググッズなどが入ったダンボールが 雑然と置かれていた。 その段ボールは風雨にさらされて ボロボロになっていて汚かった。 玄関も 引っ越してきてから掃除をした記憶は数えるほどしかなく よく見ると砂埃

          実習③片付けと掃除

          実習②

          わたし:今の、何? 紺:何もしないとあぁなるよ。 記憶の中にいるはずの紺さんの、 生々しい声が聞こえた。 --------------- 目の前に浮かんだ映像があまりにもリアルで、 恐怖心に呑まれるのに時間はかからなかった。 ヒヤリとした感覚に身体が硬直して 同じ映像がリフレインする 今思えばなんでそんなに怖かったのか? 思い当たることは、 小学生の時の自分もこの映像を見ていて、 その感情を追体験したのかもしれなかった。 同じ映像を 9さいで見るのと、 37さいで