実習③片付けと掃除
ふらふらとした足取りで玄関について
サンダルを履き
ドアを開けると
風が肌に触れて気持ちがよかった。
天気がいいのに
この時間に外に出るのは久しぶりなことに気がついた。
そして目を落とすと
見慣れた光景が目に入った。
昔使っていたアウトドアグッズを入れた引き出しや
ガーデニンググッズなどが入ったダンボールが
雑然と置かれていた。
その段ボールは風雨にさらされて
ボロボロになっていて汚かった。
玄関も
引っ越してきてから掃除をした記憶は数えるほどしかなく
よく見ると砂埃が溜まっていた。
わたし:いつの間に
こんなに汚れていたんだろう…
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それからは
さっき浮かんだ映像に映っていたものを
片付けることで必死だった。
空き巣犯はこの引き出しに入っていたアウトドアグッズを使って
鍵を壊していたんだから…
見れば見るほどさっきの映像がよぎって
それを振り払うように
ひたすら片付けと掃除をした。
使わなくなったものも
これを機会に処分することにして
45ℓの袋はすぐにいっぱいになった。
気づいたら
飲まず食わずで3時間近くが過ぎて
もう夕方になっていた。
その時、
急に9さいの自分の視点が戻ってきた。
わたしは今いる玄関横で
掃除をする大人のわたしをハラハラしながら見ていた。
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