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心を落ち着けて
『今』を意識すると


目の前で
さっきまで泣きじゃくっていた
9さいのわたしが
目にいっぱい涙を溜めて
わたしを見ていた




自分自身ですら見ようとしていなかった
怖がって縮こまったわたしのために泣いていた
小さな女の子が

可哀想で
頼りなげで
愛おしかった





ごめんね。。





ひざまづいてぎこちなく抱きしめると
目にいっぱい溜めていた涙が
どんどん溢れ出して
彼女は声を出して泣いた



抱きしめた華奢な身体と温もり
その切実な声を聞いたら
込み上げる感情が
やっと出口を見つけたように押し寄せて来て
涙が止まらなくなってしまった




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しばらく
わたしたちは時間の感覚がない世界で
ただ抱き合って泣いていた



大人のわたしに
紺さんが言った



紺:君が見て見ぬ振りをして来たのは
この子の一部なんだよ
純粋にきみのことだけを心から愛している存在

君自身だ


この子が泣いていたら
大人の君は何とかしてあげたいと思うだろう?

心配の種を取り除いて
笑顔にしてあげたいと思ったのなら
それは君が君自身にしてあげればいい


この子の笑顔は
君の笑顔なんだよ


忘れちゃダメだよ



ここで夢から醒めた



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