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ぬくもり

仕事の繁忙期を終え、少し落ち着てきた頃、久しぶりに祖父母の家へ行った。
小さい頃からよく遊びに行っていて、24歳になった今でも、一人でちょくちょくと尋ねる。

今回は一緒に夕飯を食べ、一晩泊まった。
いつも祖母と横で寝るのだが、こうして寝るのも二十年近く続けているのかと思うと、お互いかなり年を取ったなと思う。ゆっくりと寝るつもりではいたものの、普段の出勤のくせで早朝に目が覚めた。

ぼんやりと横になっていたら、伸ばしていた手をふと握られた。ちらりと祖母を見ると目をつぶっている。目が合うとなんとなく気まずい…いや、手を離されそうな気がして寝ているふりをした。祖母は特に何か話すこともなく、強く握ったり、弱めたりするわけでもなく、ただ一定の力で握っていた。

祖母に手を握られることなんていつぶりだろうか。よく一緒に散歩をしたり、別れ際に握手をしたりしたけれど、どれもまだ私が小さい時。ここ何年かは記憶にない。

久しぶりに握る祖母の手は温かかった。

ただそれだけをひしひしと感じた。

手を握って、こんなにも温かさを感じたのは初めてだった。

温度だけではない、本物の愛のぬくもりだった。

いつかこのぬくもりが消えてしまう。そう思うと目をつぶっていたけれど涙が出てきた。

しばらくして祖母は手を離した。
朝になってもお互いにこのことは話さなかった。祖母にとってはただ寝ぼけていただけなのかもしれないけれど。

私は一生忘れない。

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