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朗読後記

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自分の朗読の反省文などをまとめました。(マニア向け)
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#朗読後記

【朗読後記】『朝のヨット』を読む

【朗読後記】『朝のヨット』を読む

 山川方夫の作品を読みました。山川方夫は1965年に34歳の若さで亡くなりました。ですから青空文庫に収録されている作家の中では割と現代に近い文体の作品で読みやすい方だと思います。短編が多いので私もいくつか読んでいます。ミステリー寄りで、短いストーリーでありながら、心を動かす何かが仕掛けてあって、表現のしがいのある作品が多いと感じています。

 今回朗読した『朝のヨット』。初夏の話なのでもっと早く仕

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【朗読後記】詩を読んでみた

【朗読後記】詩を読んでみた

『月蝕』夢野久作
詩をほとんど読んだことがないので、朗読教室の課題に詩を選びました。選んだ理由は3点リーダーが多すぎて、どう読めばいいのかわからないからです。
気になる方はテキストをご覧ください。

青空文庫『月蝕』夢野久作

はじめ3点リーダーがあるとわかるように読もうと頑張りました。するとゆっくりしすぎとの指摘を受けました。
まあそうですよね。ひと言一言引っ張りましたから。なので、聞きやすくな

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【朗読後記】『幼蟲』を再読してみた

【朗読後記】『幼蟲』を再読してみた

 桜の花の季節になりました。私は桜の花が大好きなのですが、そうは思わない人もいるんですね。本作の作者江戸川乱歩もその1人のようです。
 友人が私の朗読を聞いてくれました。自分も桜の花が苦手なんだが、同じように感じる人がいて安心したという感想でした。おしべのやくが集合体に見えてくるそうです。江戸川乱歩も『無数の白い蝶が羽を重ねて』とか『千万の蜂の巣が、空を隠してぶら下がっている様に』などと集合体とし

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【朗読後記】山月記を再読してみた

【朗読後記】山月記を再読してみた

 大好きな作品の再読です。寅年の〆に読みました。前回読んだのは2021年2月でした。その頃はまだ朗読後記を書いていませんでしたが、この話を朗読した時のことはよく覚えています。前に習っていた講師の指導の下、時間をかけて練習しました。その講師に習うようになってから確か3作目か4作目でした。そしてこの作品は某朗読コンテストで課題になっており、私もエントリーして予選通過しました。入賞はしませんでしたが、他

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【朗読後記】小川未明『野ばら』を読んで

【朗読後記】小川未明『野ばら』を読んで

 今回初めて小川未明の作品を収録しました。朗読教室の課題になって読んだことは何度かありましたが、文体が自分の声に合わず、苦手意識が高く読めませんでした。

 さてこのお話し、「野ばら』といういかにもファンタジーなタイトルですが、そういうお話ではありません。いつものように優しい文体ではありますが、力強いメッセージある作品です。この時代に読むべきものだと思います。

 ある方の朗読を聞いて、私もぜひ読

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【朗読後記】「ピアノ」を再読した話

【朗読後記】「ピアノ」を再読した話

去年の4月に読んだ芥川龍之介の『ピアノ』に再チャレンジしました。まずは自分がどんなふうに読んでいたのかを再チェック。

うぉぉぉぉぉぉ😱 
自分の耳が進化したことはわかります。言葉のつながり方や語尾がみんな下がりすぎています。
で、当時自分は何を気にしていたのかと朗読後期も再チェック。緩急の付け方の指導があったようですね。なるほどなるほど。自分なりに頑張っていた様子もわかりました。
あれから1年

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【朗読後記】嫌い、嫌い、大好きな話を読む

【朗読後記】嫌い、嫌い、大好きな話を読む

北村兼子の『ねこ』を読みました。

この時代に女性パイロットを目指したというのですからかなり飛んでた方だったんですね。かっこいい!文章もかなりかっこいいです。作品に出会ったときこれは読みたいと思いました。
私の場合、かっこいいなと思う文章ほど読めません。これも難しかったなぁ。もう少し練習すればよかったとも思いますがキリがないので区切りをつけました。でもこれは自分の十八番にできたらいいなと思う作品な

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【朗読後記】1年後に読んでみた

【朗読後記】1年後に読んでみた

毎度どの作品も苦労しますが、太宰治の「待つ」は長く取り組んだにもかかわらず、特にダメだったものの一つです。あの後、たまに読んでみたのですが、いつまで経っても自分にとって心地いい音が聞こえてこない作品です。

久しぶりに去年収録したものを聞いてみました。
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……
なんだこれは……
これを「ましだ」と思っていた当時の私の未熟さよ……。

ひどっ…💧

この1年で耳が進歩した証拠です

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【朗読後記】U35京都朗読コンテスト 予選指定テキストを読む

【朗読後記】U35京都朗読コンテスト 予選指定テキストを読む

今年初めて開催される朗読コンテストの課題を読ませていただきました。
もちろんこの音源を予選に提出するわけではありません。応募資格に年齢制限があるのですが、ちょびっと(?)オーバーしているので出せません。応募資格は16〜34歳。朗読が好きな方にたくさん応募していただきたいです。

むっちゃ狙い目ですよーー!どんな読みを求めているのかは募集要項に書いてあります。
さあ、みんなチャレンジしてみましょう!

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【朗読後記】桜の話と早口ことば

【朗読後記】桜の話と早口ことば

4月なのに寒いと思っていたら、今日は初夏の陽気です。冬物はもう片付けて大丈夫でしょうか…。今年こそ着なかった冬物を断捨離するぞと今思いました。

私が住む街の桜もだいぶ散りました。今回はこの季節に読みたいなと思っていた梶井基次郎の「桜の樹の下には」を読みました。
グロテスクな表現があるのでおどろおどろしく読む方もいるようですが、私は違う味わい方をしています。
「こんなことを想像できるんだぜ、オレ�

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