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SDGsを簡単にわかりやすく!!


SDGsは、「Sustainable Development Goals」の頭文字を取った言葉で、持続可能な開発目標を意味します。

持続可能な開発目標とは、わかりやすく説明すると、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」をおこない、人間にとって理想的な社会を目指すことです。

2015年9月、ニューヨークの国連本部で開催された持続可能な開発サミットにて、誰ひとり取り残さないを理念とする「SDGs」が採択されました。

これまでの環境目標に加え、ジェンダーレスの社会の実現、途上国における貧困問題解決・初等教育の達成などを含む8つの目標を掲げ、2015年までに達成することを定めました。

しかし、先進国によってルールが決められていたことや、地域の偏りもあり、結果としてMDGsは満足な結果を達成できずに2015年を迎えます。

そこで、先進国と発展途上国の壁をなくし、2030年までの目標達成を目指すことで採択されたのが、「SDGs」です。

SDGsで掲げられた「17の目標」


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MDGsは、発展途上国の課題に関する8つの目標達成が含まれている一方、SDGsでは、先進国・発展途上国の両者が抱える「17の目標」が掲げられています。

1.貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ

2.飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

3.すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する

4.質の高い教育をみんなに
すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

5.ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

6.安全な水とトイレを世界中に
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する


7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人々に手ごろで信頼で
き、持続可能かつ近代的なエネ ルギーへのアクセスを確保する

8.働きがいも経済成長も
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する


9.産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る


10.人や国の不平等をなくそう
国内および国家間の格差を是正する

11.住み続けられるまちづくりを
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする


12.つくる責任 つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する

13.気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る

14.海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

15.陸の豊かさも守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る

16.平和と公正をすべての人に
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する

17.パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する



さらに、17の目標には、具体的な目標事項である「ターゲット」が存在し、全部で169のターゲットが設定されています。

将来世代にわたって持続可能な社会を作り出すためには、各国が協力して「17目標と169のターゲット」をクリアしなければならないというわけです。


SDGsが注目されている背景とメリット

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SDGsは、国連が採択した世界共通の目標です。

日本国内では、文部科学省が「SDGsアクションプラン2019」を発表し、官民問わず注目されるようになりました。

なぜSDGsが企業活動で注目されているのか、どのようなメリットをもたらすのかについて解説します。


ビジネスチャンスの拡大

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SDGsが企業活動で注目されている背景には、ビジネスチャンスを広げられるという点が挙げられます。

SDGsが掲げる17の目標には、環境保護やジェンダーレスの実現など世界全体が直面する課題が多く、SDGsの目標達成を通して、社会に貢献している企業と認識されるためです。

また、自社事業の一環として、SDGsに取り組んでいる場合、企業ブランディングにも役立ちます。

競合他社との差別化に優位性をもたらし、これまで以上にビジネスをスムーズに進められる可能性を期待できます。


資金調達を有利に進められる


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SDGsとは別に、ESGという考え方が広がっています。

ESGとは、頭文字である「環境・社会・ガバナンス」に配慮しながら企業活動をおこなうことで、SDGsが「目的」である一方、ESGは「プロセス」を重視した概念です。

たとえば、自動車産業では、二酸化炭素排出量を抑えた環境を実現するために、水素や電気といった代替エネルギーを導入し、ESGを意識した企業活動をおこなうことで、SDGsの7つ目の目標である「エネルギーをみんなに、クリーン」を達成しています。

このような規模の大きいビジネスを通して、SDGsを達成するのは莫大な資金が必要です。

そこで、SDGsへの取り組みや経営方針を評価基準とした「ESG投資」という新しい資金調達方法が広がっています。

つまり、企業がSDGsに対して積極的に取り組む姿勢をアピールすることによって、投資家からの資金調達を有利に進められるというわけです。


企業組織の強化につながる


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SDGsに取り組むことで、企業組織の強化にも期待できます。

とくに、MDGsから継続して含まれている「ジェンダーレス社会の実現」は、日本社会全体が抱える課題のひとつです。

また、SDGsで新たに加えられた「人や国の不平等をなくす」、「働きがいも、経済成長も」といった目標を達成することによって、優秀な人材の確保や、従業員の自社に対するエンゲージメントを高められます。


簡単なことからSDGsに取り組んでみる


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日本社会でも注目されるようになったSDGsですが、2020年に発表された国連レポートの「Sustainable Development Report 2020によると、日本は17位にランクインしたものの、年々順位を下げているのが現状です。

とくに、事業規模が限られている中小企業では、ビジネスに直結したSDGsの取り組みが難しく、どのような活動をおこなうべきか悩みを抱えている経営者の方も多いのではないでしょうか。

そこで、大きな目標達成を考えるのではなく、簡単なことからコツコツと始めてみましょう。
地域ボランティアに参加する
環境に配慮した業務を推進する
働きやすい環境をつくる

SDGsへの取り組みは、大企業がおこなっているようなビジネスに関連したことだけではありません。

身近な地域ボランティアを通して、清掃活動をおこなったり、普段の業務における紙や電気の消費量を削減したりするといったことで、SDGsの目標達成に貢献できます。

また、子育てや介護を必要とする従業員が不安なく働けるように、柔軟性のある働き方を導入することも持続可能な社会をつくる重要なアクションです。


SDGsに取り組んで企業価値を高める


世界中で取り組まれているSDGsは、企業イメージを向上させるためにも重要なポイントとなりました。

環境・人権・貧困問題など、あらゆる角度から世界が抱えている課題の解決に貢献できます。

中小企業でも、自社事業に関することだけでなく、ボランティや働き方改革といった手段を通して、SDGsの目標達成が可能です。

簡単なことからコツコツと実践し、積み上げることで、企業の価値を高めていきましょう。

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