4歳のにぃに。
長男が4歳になった。
4歳と聞くとファミレスのドリンクバーやアミューズメントパークの入場料など何かと有料になったりしていよいよ「少年」のカテゴリに入るのかとすこしセンチな気持ちになる。
しかし長男は私たち親が思っている以上に成長をしていると感じられる場面が最近多く見受けられるようになった。
元々年上の子供が好きな長男。
保育園でも公園へ行った時もおにいちゃんたちと遊びたがるので、次男が産まれたら赤ちゃん返りをしたりやきもちを妬くのではないかと心配していた。
だがそんな様子は全く見せず、むしろ「おむつ替えたい!」「ミルクあげたい!」などお世話をしたがっている。
また、特に教えたわけでもないのにご飯を食べ終えると下膳したり朝寝室を出るときも加湿器のスイッチを消してくれたりといつの間にか自分からしてくれるようになった。
普段から私や夫のしていることをちゃんと見ているのである。
ただやはり頼もしい一面もあれば、「ママがいい」とか「抱っこして」など甘えてくる時もあり、まだまだ手がかかるな思うこともしばしば。
そんな長男に対して私なりに気をつけていることがあった。
それは私から「お兄ちゃん」と呼ばないようにしていること。
長男は決して自分が望んで「兄」になったわけではない。
「お兄ちゃんなんだから」とか「ちゃんとお兄ちゃんして」などと言うことで、小さい子供なりに「兄」という立場に重圧を感じてしまうのではないかと懸念していた。
なのでいつも長男を呼ぶときや、次男に話しかけるときも「長男くんがオムツ捨ててくれたよ~。よかったね」と、「お兄ちゃん」ではなく長男の名前をつかうようにしていた。
次男が5ヶ月を過ぎたある日、なんとなく長男に「次男くんになんて呼んでもらいたい?」と聞いてみた。
なんて答えるのだろうとワクワクした気持ちでいたら少し恥ずかしそうに
「にぃに」
と返事がきた。
その言葉を聞いて、長男は自分が「兄」であるという自覚があるのだなと思うと同時に「にぃに」と答えたその表情がなんだか嬉しそうで胸がいっぱいになって涙が出そうになった。
4歳といえども親にとってはまだまだ甘えん坊の赤ちゃん。
でもその小さな姿でもお兄ちゃんになろうとしている。
一生懸命できることを見つけて成そうとしている。
そんな小さな「にぃに」に愛しさを感じずにはいられなかった。
それから次男に話しかけるときは「にぃに」をつかうようにしている。
「ほら、にぃにがおもちゃで楽しそうなことしてるよ」
「にぃに美味しそうに食べてるね」
そうとなりで言うと照れくさそうに、誇らしそうに笑みをこぼすのである。
ついこの間まで偏食で困ったりイヤイヤ期で悩んだりトイトレで苦戦したりしてたのにな。
「次男く~ん」と話しかける君の背中がまたひとつ大きく感じたよ。
次男もそうやってひとつひとつできることが増えていくだろう。
単語を話せるようになるのもそう遠くない。
何をしゃべるのかな。どんな声なのかな。
次男が最初に口に出す言葉は「にぃに」であってほしいなと母は思う。
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