ぐちぐちと虹
最近、仕事が上手くいっていない。
理由は沢山ある。人員が減ったのに業務量は減っていないから、お迎えで早上がりしないといけないことが多く、残業もほとんど出来ないから。着任1年目で知識量が圧倒的に不足しているから。等々。
出来ている人は出来ている。でも僕には出来ていない。
上司も僕には期待していない。それがよく分かる。担当業務であっても僕を素通りして話が進んでいくことが多い。こいつに言っても時間が勿体ないと思われているのか。そりゃベテランさんに聞いた方が話は早いけれど。決定事項だけが降りてきて、意思形成に関与できていない。ちょっとないよな、とは思う。
だけど僕も僕で、最低限の業務をこなすことで手一杯だから「それ何の話ですか、自分の業務なので把握させてください」とすら言えない。悪循環だ。
自分はもっと出来るはずだというプライドと理想が自分の首を絞める。
今の状況は決して悪くない。むしろ最低限のことしか出来ないという現状を認めてもらっているから、周りがサポートしてくれているのだと思う。
でもでもだってだなと自嘲してしまう。
恵まれているのに、そうではないよと自意識が囁く。
家庭と子育てを最優先しているから仕方ないんだよ、順位付けの話さ、という考え方も逃げなのではとぐるぐるぐるぐる。
そんな過発酵状態の昨今。
昨夜遅くから雨は降り続いていた。気温も下がり、調整に失敗したらまた風邪を引きそうだなと気分は更に下り気味だ。何とか最低限の業務をこなし、息子のお迎えのために早上がりして逃げるように職場を出る。睡眠時間が連日5時間を切って身体が辛いしもうちょっとしんどいから金曜日あたりに有給取りたいなと思って電車を降りた、その時。
青い空に、粉のような雨が舞っていた。
天気雨だ。
下ばかり向いていた顔を上げたら、そこには、見たこともないような大きな虹がかかっていた。
最寄り駅の周りは田んぼが多い。広く見渡せる向こう側まで、平らな景色の向こう側まで広がる虹。最初と最後の半円の終わりがはっきりと見えるほど、鮮やかで、でも空の境に朧気な姿。
僕は立ち止まってその美しい七色を眺めた。
空気は冷たく澄んでいて、淀んだ心が少しだけ、晴れたような気がした。
その後しっかり雨が降って濡れながら帰宅しました。
風強すぎん?ちょっとさ。
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