マガジンのカバー画像

ムスコとムスメとその仲間達

101
子育て関連エッセイ。現在、ムスコ大学院生、ムスメ大学生。
運営しているクリエイター

#子育て

息子に対して、母である私が思うこと。

ムスコには手をやいた。初めての子で、ADHDであることが保育園のときから保育士さんの目には明確で、幼稚園の時に診断が出た。 さんざん泣かされた。医者の前でも泣いた。 ほんとに辛かった。 幼稚園でも小学校でも中学校でも先生からしょっちゅう呼び出されて文句を言われ、ひたすら頭をさげて協力した。母親の私が学校嫌いになった。 学校でも放課後のサッカーの練習でも、衝動的な行動が問題にならないように複数の薬の組み合わせやタイミングを調整をするのは私の役目だった。 そして、医者に「他の親

娘に対して、母である私が思うこと。

私は娘であると同時に母でもある。私とムスコの関係と、ムスメとの関係はちょっと違う。なぜかどうもなにかが違うということは、母としての体感でわかっていて、母親同士でもよくそういう話になる。「息子に対して、母である私が思うこと。」というお題でも書けそうだが、今回はムスメの話。 ムスメは今年19歳。秋から大学二年生になる。去年の秋から半年付き合ったEddy と別れて、またアプリに戻ったら Eddy と付き合う前にチャットしていた James がまだそこにいて「再会」し、初対面。それ

離婚後。ParentingとはなにかがまるでわかっていないEx.

キレた。アイツと Parenting(子育て)に関連したやりとりになると、必ずキレる。全然わかってない。親たるものが、子供の成長に合わせてどう彼らと接するべきか、どう子供を大人の世界へと導くべきかが、がまるでわかってない。わかってなさすぎて、出ていったときのあの宇宙人と話してるみたいに通じなかったのと同じものを感じてしまう。 ムスコは23歳になって5月にいよいよ大学院を卒業して独立。 ムスメは19歳。大学一年生を終えて5月から夏休みに入る。 高校時代に大学レベルのコース(

看護科の授業で。究極の選択。実地訓練。

大学で看護学を専攻するムスメの授業で、こんな議論があったという。 "Mom, listen to this. Tell me who should receive a liver." 腎臓移植を誰が受けるべきか。候補者は7名。 ムスメは自分は誰を選んだか、 クラスの大多数が誰を選んだかを言わずに、私に考えさせた。 まず。一番最初に除外したのは、自業自得で腎臓疾患がある患者。 51才のCEOと42才のアル中。 次に。年齢から、71才の科学者。 癌治療の開発が「近い」と

大学生のムスメ。哲学の授業で。

そして、月曜の夜。そろそろベッドで読書するかと用意していたら、電話が鳴った。 「この哲学のクラス。週に一回なんだけど、夜7時から9時半なんだよ」 「ひぃ。そんな時間のクラス、何人くらい取ってるの?」 「うーん、15人くらい。でさ、ママはこのクラス気に入ると思うんだ」 モラル、をテーマにするらしい。 どの哲学家の思想を中心に?と聞いたら、Alistotle(=アリストテレス)とのこと。どうか、ググって発音を確認してくださいまし。いきなり言われたら、なんのことか日本人にはわ

大学生になったムスメ。人間関係の複雑さときたら。彼氏、ルームメート、友達。

ムスメが大学生になったのが昨年9月。秋学期を終えて、感謝祭とクリスマス休暇に帰省して、1月半ばにまた大学へ戻っていった。 ルームメート。入学前からあれだけ意気投合したルームメートと入寮後わずか1ヶ月足らずで絶縁となり、別の寮棟に移って新しいルームメートとはうまくやっている。今年の秋に二年生になったらまた寮が変わる。今度は4人か3人で同居するが、各自個室は間違いなく、看護科仲間と専攻が違う仲間とどういう組み合わせで部屋割りするか、と大騒ぎしている。 看護科の二年目はスケジュ

大学生と、わいのわいの、な感謝祭。

アメリカに帰国して落ち着いたら、感謝祭前日の水曜日にムスメが大学の友達一人連れて帰省。コロラド州出身で韓国人の Jin はなんとコロラドに飛ぶよりも東海岸に飛ぶほうが安いからと、ムスメについてきた。 木曜の感謝祭当日は、大学生二人はかの Macy's Thanksgiving Parade を朝早く電車に乗って見にいき、ダイナーで朝食、ランチでピザを食べ、FAO Schwarz で JellyCat を買い込んだ。 ムスコは、祖母宅で父親と一緒に感謝祭を過ごし、金曜の午後

Who is your best friend?

"My mom is my best friend." と娘が言い、 "We are best friends."と母親が言う。 そんなものかねぇと思っていたのだが、最近うちのムスメが同じことを言いだした。 "Mom, you are my best friend!" ちょっと考えてみてほしい。 私が彼女の年齢の頃、母にかなりなんでも話していたけれど、母を「親友」とは呼ばなかった。だから嬉しいけれど、ちょっと違うんじゃない?って思う。 すごく嬉しいけど、冷静に考える

"I am proud of you" と言う時。

"I am proud of you" 最近、よく耳にする。日本語に訳すと「あなたを誇りに思う」と仰々しくなるから、英語(日本語)で考えて英語(日本語)で話すバイリンガルな私なのになぜか使いにくいから、いろんな場面で耳にするたびに一瞬戸惑う。 それを言えるのは、自分と対等な立場ではない、両親や先生、コーチなどその人の成長や業績を見守る立場の人か、百歩譲って上から目線じゃないとしても、かなり親しい仲の相手であるべきだと思ってるのに、意外な相手から言われるとか、私の子供が言わ

ムスメを褒めちぎる母親たち。

高校水泳チームの母親群は、皆、ムスメの責任感と事務処理能力の高さに脱帽している。シーズン初めは、ありとあらゆる母親が子供たちが担当していることに手を出し口を出し、ムスメは「ちゃんと私たちでできるのに、いちいち口出してきてうるさい!」と、イライラしっぱなしだった。 チームのアパレル(ロゴ入りTシャツとかトレーナーとか)のデザインと販売(利益の一部がチームの活動資金になる)を業者と連携して計画する件は、Deleanyの担当だった。キャプテン母ミーティングで、どうなってるのかとあ

旅行。Tarrytown, NY. 土曜日。

土曜。 ムスメがかけた目覚ましが7時半に鳴る。 どうも私のいびき?Sleep Apnia(睡眠時無呼吸症候群)かもしれないと言われたが、3人の睡眠を妨げ、一緒のベッドに寝ていたムスメは床に移動し、さらにその後窓際のクッションで寝たらしい。いやー申し訳なかったよ。 「そんなにひどかった?ごめんね」 「そんなじゃなかったですよ」とKatya。 「ママ!Katyaがそういうのなんて当たり前でしょ!」とムスメ。 「わかってるってばっ!!」 ムスコは笑っている。 「…今晩どうし

旅行。Tarrytown, NY. 日曜日。

ムスコは注射が嫌いである。健康診断に行くと、いまだに受付で「今日、注射ありますか?」と聞く。21歳の男が、である。そういう「子供」は多いらしく受付さんは絶対にあるとかないとか言わない。診察室に入って、まず看護婦さんが身長体重計測をして、その時に予防注射があるとかないとかやっとわかる。 私は長いこと注射の時には彼の手を握ってあげていた。中学時代は暴れたので、看護婦二人では抑えきれず、もう二人呼んできて、彼を抱え込んで注射したこともある。力めば力むほど痛い、ってのに。 だから

旅行。Tarrytown, NY. 金曜日。

ムスメがRyanから闇討ち公開告白を受けた金曜日の夕方。ムスメの運転でTarrytown, NYへ向かった。夏休みに帰ってこなかったムスコとKatyaに会うのは、彼らが5月に一泊で旧宅に来て以来。 ホテルを予約したのは数ヶ月前。1ヶ月ほど前に、私たち4人のチャットに二泊三日の予定を流した。 Katyaに、ごめんねー私タイプAなのよ、と一言つけ加えると、 「あはは。大丈夫。彼も同じ!私はただどこへ行きたいとか何をしたいって言えばいいだけで、あとはぜーんぶ彼が分刻みで計画して

ムスメとタマなし、公開告白その後。

高校水泳チームキャプテンミーティングでコーチに時間をとってもらい、皆の前でムスメにI LOVE YOUと宣言したタマなし。それがある金曜の放課後。 逃げ帰ってきたムスメの運転でTarrytownに向かい、ムスコ&Katyaと合流して楽しい二泊三日を過ごした。週末中に噂が広まって大騒ぎになるかと思ったら、拍子抜けなほど何も聞こえてこない。その場にいたスイマー8人。あまりの居心地の悪さに沈黙を守ったらしい。こういうところがスイマーらしいと私は思う。ラクロスとかサッカーチームだと