笑う人

アイコンイラスト:フミクラさん/ ヘッダー:笑う人/不定期更新

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最近の記事

ささやかな日々。16日目

我が家ではテレビゲームは1日1時間までと決まっていた。 おにいちゃんはテレビゲームが大好きだった。 ゲームをする人ならわかるだろう。 1時間で満足できるわけがなかった。 わたしはテレビゲームはやらないが、 とにかく500円玉が大好きな子供だった。 (ブレない) そんな2人が組むとどうなるか。 おかあさんがお買い物に出かけた隙にゲームをする人と、 「おかあさん帰ってきたら教えたろか。500円な。」と商売する人。 わたしは自転車の音に耳を澄ませ、 窓から外を確認、 おか

    • ささやかな日々。15日目

      雨が降っていた。 校庭で遊ぶことができないわたしたちは 屋根があるギリギリの所に立って空を見上げた。 それから腕をあげてスーパーマンのようなポーズ。 雨粒が星々のように流れ、 宇宙を飛んでるみたいな感覚になる。 どんなことにも感動とワクワクを忘れない幼き日のわたしたち。

      • ささやかな日々。14日目

        小学生のとき 通学路とはちょっと違う道を通ったり 寄り道したりするのが楽しかったりした。 門まであとちょっとなのに 謎にフェンスを乗り越えてショートカット。 で、ダメだって言われてることをすると 大抵良くないことが起きる。 ある日、 倉庫の裏のほっそいところのフェンスを乗り越えたあと フェンスに使われている錆びたボルトが太ももに刺さってちょっとだけ怪我をした。 バレたら怒られると思った。 (当時のわたしはとにかく『怒られる』と思うのに怒られるようなことをする) しか

        • ささやかな日々。13日目

          当時、ピアノとエレクトーンを習っていた。 ピアノは個人、 エレクトーンは団体でレッスン。 団体ってわかりやすく人と比べられるから それが本当に嫌だった。 音楽は楽しくて好きだけど、 それとこれとは違うのだ。 団体のレッスンは「行きたくないなぁー」って思うことが多かった。 ある日、お腹が痛いと仮病を使った。 するとおかあさんは真剣に心配して かかりつけの町医者に連れて行ってくれた。 ヤバい。 仮病がバレる。 診察中、おかあさんが付き添っているので 先生に仮病だと

        ささやかな日々。16日目

          だからやらない。

          ガチャガチャが好きだ。 特に企業系が好きで、揃えたい欲に駆られる。 でも、大概は揃えるのなんて無理だと諦める。 諦め方としては 「どれが出ても当たりだな!」 「コレかコレが出ればオッケー!!」 みたいに、全部出すより一見簡単そうなラインを引く。 でもね、いざ回すと…ね? 「ここまで被りナシだからもしかしたら!!」 「次違うの出るかも!!」 思うツボのやつ。 だから賭け事はやらない。 絶対に「次のレースで!!」とか「台を離れたらもったいないかも」とか思ってしまう。 そも

          だからやらない。

          おしごと。

          今まで関わってこなかったジャンルの仕事と関わることがあって、本当にありがたいことだなぁと、ひしひしと。 不安ばかりだったけど、楽しくお仕事させていただきました。 こういうことが続くように、 自分でアレコレ決めつけずにチャレンジしていこう。 下を向かない、 後悔しない。 反省したら次の一歩を大きく出そう。 萎縮するな。 胸を張れるように準備しよう。 まわりの人、環境、すべてに感謝を。

          おしごと。

          ささやかな日々。12日目

          見栄を張りたかった。 ただそれだけだった。 家にはわたし1人。 魔が差した。 窓を開け、クラシック集のピアノだけの曲を大音量で再生する。 「これでご近所さんも、買い物から帰って来たおかあさんも『すごいなぁ〜!』ってなるわ!!」 そう思った。 オケ編成の曲をうっかり流さないように細心の注意を払った。 おかあさんが帰ってきて 「今弾いてたん〇〇ちゃん?」 と言った。 にやり。 計算通り。 …でも なんでか心が痛かった。

          ささやかな日々。12日目

          ささやかな日々。11日目

          3人って、 2人と1人に分かれがちで なんとなく疎外感を感じたりする。 ある日、 3人でかくれんぼをしていて わたしはかくれていたのだけど 当時、色々と思うところがあって なんとなくいじけて 勝手に家に帰った。 友達が家に来て 「心配したんだよ」と言った。 胸の内は言葉にしないと誰にもわからない。 だからこそ伝えようとしないといけないし、 だからといってやっていいことではなかった。 でもね、でもね こどもって、色々あるのよ。(当時のわたしの思い)

          ささやかな日々。11日目

          ささやかな日々。10日目

          友達の家に仔猫が来た。 とっても可愛くて、遊びに来たわたしにもすんごく懐いてくれた。 ずっとわたしのそばで丸まってた。 守りたいと思った。 本当に愛おしかった。 また会いに来るねと言ってから、 あっという間に数カ月経った。 「シャーーーーーーーー!!」 触ることさえ許されない。 むしろいつ飛びかかってきてもおかしくない姿勢でこちらの様子を伺っていた。 わたしは遊んでいる間もずっと背後を気にしなくてはいけなかった。 あの日のことはマボロシだったのか… 記憶に残らず、

          ささやかな日々。10日目

          ささやかな日々。9日目

          父方のおばあちゃん家に行ったとき 兄はカンカン(ええとこのお菓子の缶)の中に入ってる小銭をよく数えていた。 大人たちは「計算できて賢いねー」と言っていた。 わたしは見向きもしなかった。 なぜならわたしは母方のおばあちゃん家で 500円玉をジャラジャラ言わせるほうが好きだったからだ。 500円玉のザ・コインって感じの重量感。 計算のわかりやすさ。 すべてが完璧、最高だった。 500円玉がどこにあるのかは知っていた。 勝手に取り出して 「数えていい?」 からのさりげない 「

          ささやかな日々。9日目

          ささやかな日々。8日目

          おばあちゃん家の『日めくりカレンダー』が好きだった。 先々までめくってオイオイと言われたこともあった。 めくった紙の後ろに落書きして、 おじいちゃんの背中に貼り付けたりした。 何でも許されるお年頃。 「そんなに好きなんやったら買ったろか?」 違うのよ。 そういうことじゃあないのよ。 おばあちゃん家のソレがいいのよ。 寝る前にめくらせてほしいのよ。 今日も明日も明後日も。 つまり、おじいちゃんとおばあちゃんが大好きだってことなのよ。

          ささやかな日々。8日目

          ささやかな日々。7日目

          当時、ご近所さんは犬を解き放つスタイルでお散歩させていた。 飼い主不在、犬は自由に道路を彷徨いていた。 その犬は社宅内にも度々現れた。 子供を追いかけ走り回る姿は遊びたいというより、狩猟だった。 社宅内は一瞬にして阿鼻叫喚の様相を呈した。 「自分より小さい子を助けないと!」と思えるような余裕は一切なく、 恐怖心からがむしゃらに逃げた。 「自分はなんて酷い人間なんだ」と思ったと同時に 「いざというとき、人間はこうなる」と学んだ。 恐怖心は未だに残ってる。 きっと今でも

          ささやかな日々。7日目

          ささやかな日々。6日目

          友達の家にはシルバニアファミリーがあって、子供ながらに「お金持ちやなぁ〜」って思ってた。 羨ましかったけど、 なんでかわたしは学校にあるものを欲しがりがちだった。 ●小さな黒板(チョークで書くのが好きだった) ●一輪車(小学生の頃一輪車部に入っててこっそり乗れるようにしたかった) ●竹馬(学校でハマった) …めちゃ場所とるやつ。

          ささやかな日々。6日目

          ささやかな日々。5日目

          やらかして、 おかあさんに叱られて閉め出され、 玄関の外からヒックヒックと泣きながら 「ごーめーんーなーさーいー」 と謝りたおして、勝手に一段落。 お外で遊んでいるみんなを眺めていると、 それに気付いた友達が 「〇〇ちゃん何してんの?一緒に遊ぶ?」 と声をかけてくれた。 「えー、でもぉー…」とどうしようかちょっと迷って、 『どうせ外におるし、かまわへんか…』と思い遊びに参加。 暫くしておかあさんに 「静かになったと思ったら、何してんの!!はよ帰っておいで!!!」 と呼び戻

          ささやかな日々。5日目

          ささやかな日々。4日目

          社宅内で弱っていたモンシロチョウを助けようと思い 翅を持ったら、 「鱗粉がとれたらあかんから翅持ったらあかんねんで」と昆虫が大好きな兄に言われた。 元々弱っていたところにとどめを刺した感じになって、ごめんねって謝った。 鱗粉って何のためにあるのか知らないが、 命の粉だと思ってる。未だに。

          ささやかな日々。4日目

          ささやかな日々。3日目

          「言いたいだけやん」ってやつを言うタイミングは考えたほうが良い。 色鬼で 言いたくなる色名第1位(当時のわたし調べ) 「エメラルドグリーン」を言い放った。 エメラルドグリーンってなに?となりながら適当にタッチする。 実際はエメラルドグリーンじゃなくても、なんかそれっぽいグリーンってことでセーフ。 優しいルール万歳。

          ささやかな日々。3日目